捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰

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学生編

学生生活④

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それが中学生の時のこと


そして体重は10kgくらいは増えたっぽいけど
やっぱところどころに見える傷や痣はどうにもできないんだと身に染みる。

「あーもういい? 体育遅れるよ?」
「ああ、もういいよ」
トイレで確認をしていたから琉架から出る言葉に呆れた。


「もうわざわざトイレに連れ込むなんて璃亜武も隅に置けないな~~」
「……ノーコメントで」無表情で返した。


「ハハ、怒るなよ」
「ばーか」


そんな日々を過ごしている中
転校生がやってきた。


栗花落瑠衣つゆりるいです、よろしくお願いします」
となんともかわいらしい男の子だった。
きっとΩだろう。

「えー栗花落と仲良くな、学校案内はβでも一番Ωっぽい琥珀頼んだ」
「りょうかいです!! でも僕Ωじゃなくてβですよ」

「はいはい」
「めっちゃどうでもいい扱いされた」
「ワハハハ」とみんな楽しく笑っていた。

琉架のすごいとこはそこだ。
どんな時でも楽しくしてしまう。
自分のことはいつでもどうでもいいと思っているのに。

放課後
「じゃぁ俺先帰るわ」
「うん、じゃーね」

栗花落がきて
「あのよろしくお願いします」と弱々しく言った。

「うん、よろしく僕のことは琉架って呼んで」
「うん、あっ僕も瑠衣って呼んでくれたら嬉しいな」

「あ! 僕たちなんか名前似てるね」
「うん、琉架くんってΩに優しいんだね」

「あ、やっぱΩだよね、僕は平等派だから誰にでも優しくするよ」
「そうなんだ、ありがとう」
にこっと優しい雰囲気なのは瑠衣のほうじゃんって思う。


僕はβでΩには絶対に勝てない。
学校を案内する。

「あの、さっきの人ってα?」
「ん? 璃亜武のこと?」
「うん、えっと小鳥遊くん」

ふわっと甘い匂いがした。


きっと好きなのだろう。


「そうだよ、僕たちのクラスはα1人にΩ1人だからやっとバース性全部制覇したよ、ありがとう」

「そ、そうなんだ、あのさΩの事故とかってこの学校ない?」
「うーん僕が知る中ではないと思うけどもしかして前の学校でそういうのあったの?」

「え?」
「あ、答えたくなかったら大丈夫だよ」
「あ、うん僕の友達が被害にあっちゃって怖くなって逃げ出したんだ」
「それは怖いね……そうだ! αも味方につけたら? 僕も味方につくし、そしたら絶対に安全じゃん!!」

「ぼ、僕と友達になってくれるの?」
「もちろん! 瑠衣がよければだけど」

「う……嬉しい、ありがとう」

それからは瑠衣も一緒に行動することになった。
元々璃亜武は警戒されていたから超絶安全じゃん!!!
そしてΩ嫌いのα。

さすが僕!!
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