208 / 209
大峰稚里
そうだ、全部壊しちぇばいいんだ
しおりを挟む 薬品を作る大峰家に産まれてきたのはαの一人息子だった。
大峰稚里15歳
中学生を卒業したと同時に大峰家のトップになった。
勉強も性的勉強も全て大峰家のトップである父親だった。
αとしての威厳も大峰家としての威厳も全て父親に教わった。
だから苦しかった。
嬉しいことも楽しいことも全部壊された。
まるで僕がαとしての性でしか見られていないそんな気がしたから。
とある日、父親と研究施設に訪れ、とある薬品が完成したのだ。
それがαからΩにバース性を返る薬だった。
もちろんこれは一般には売れない、だから特別な相手のみに高額な値段で提供した。
とある人はレイ●のために気に食わないαをΩに変えていたことや。
ずっと好きだったα同士の恋人をΩに変えることや。
使い方は人それぞれだった。それに薬品の効果が消えるように作っていたから大峰家の薬品とは気がつかれることはなかった。
そして父親は何を思ったのかそれを僕に飲ませた。そして僕はみるみるうちにαからΩへとバース性を変えることになった。
だから最初に殺したのは父親だった。憎い……僕の人生を全て奪った。
「へぇー人間ってこんなに簡単に殺せちゃうんだ」
首が胴体と離れコロコロと転がった先には母親がいた。
育ちがよかった母は父親の命令にすぐに従っていた。
それも気持ちが悪かった。
だから、僕の腕のナイフは母の心臓を抉っていた。
「どうして?」
「なぜそう問いかけるのか?」
母親も体を痙攣させもう目を覚ますことなんてできない。
「稚里様」
「ああ、大峰家は僕のものだ、幸せ? 全部壊してやる」
大峰家にも反発組は存在していた。父親から学んだことを全て活かせば簡単に乗っ取ることは可能だった。
Ωになったからと言えど、中学を卒業後飛び級して薬品の専門学校に入学した。
誰も僕には近づかない、飛び抜けて成績もよく年齢不相応な学校生活をしていた。
そしてあの男、琥珀慎二が僕に目をつけた。
僕よりも強いα、威厳も父に少し似ていた。
僕は嫌いだった。
でも彼が企てることは嫌いではなかった。
高額な薬品だが週1で購入しては気に食わないαをΩに変え、まるで遊びのように悲惨な光景を見ていた。
きっとこれが王としての地位なのかもしれない。
「ねぇ琥珀さん、僕と結託してもっと楽しいことをしないか?」
「楽しいこと? 例えば?」
「そうだね、世の中のαをΩにしちゃうとか」
「ふん、つまらん遊びだ」
琥珀は立ち上がりこちらに来て僕の顎をとった。
「え?」
αの目つきが僕を捕らえる。
「お前の目的は全部壊すことだろ、なら幸せ同士をぶっ壊すのが一番の楽しみじゃないか?」
僕よりもすごいことを考えた。でも目的にあっている。ぞくぞくと胸の内側から楽しさが込み上がってきた。
早く見たい、琥珀慎二が企てる計画を。
大峰稚里15歳
中学生を卒業したと同時に大峰家のトップになった。
勉強も性的勉強も全て大峰家のトップである父親だった。
αとしての威厳も大峰家としての威厳も全て父親に教わった。
だから苦しかった。
嬉しいことも楽しいことも全部壊された。
まるで僕がαとしての性でしか見られていないそんな気がしたから。
とある日、父親と研究施設に訪れ、とある薬品が完成したのだ。
それがαからΩにバース性を返る薬だった。
もちろんこれは一般には売れない、だから特別な相手のみに高額な値段で提供した。
とある人はレイ●のために気に食わないαをΩに変えていたことや。
ずっと好きだったα同士の恋人をΩに変えることや。
使い方は人それぞれだった。それに薬品の効果が消えるように作っていたから大峰家の薬品とは気がつかれることはなかった。
そして父親は何を思ったのかそれを僕に飲ませた。そして僕はみるみるうちにαからΩへとバース性を変えることになった。
だから最初に殺したのは父親だった。憎い……僕の人生を全て奪った。
「へぇー人間ってこんなに簡単に殺せちゃうんだ」
首が胴体と離れコロコロと転がった先には母親がいた。
育ちがよかった母は父親の命令にすぐに従っていた。
それも気持ちが悪かった。
だから、僕の腕のナイフは母の心臓を抉っていた。
「どうして?」
「なぜそう問いかけるのか?」
母親も体を痙攣させもう目を覚ますことなんてできない。
「稚里様」
「ああ、大峰家は僕のものだ、幸せ? 全部壊してやる」
大峰家にも反発組は存在していた。父親から学んだことを全て活かせば簡単に乗っ取ることは可能だった。
Ωになったからと言えど、中学を卒業後飛び級して薬品の専門学校に入学した。
誰も僕には近づかない、飛び抜けて成績もよく年齢不相応な学校生活をしていた。
そしてあの男、琥珀慎二が僕に目をつけた。
僕よりも強いα、威厳も父に少し似ていた。
僕は嫌いだった。
でも彼が企てることは嫌いではなかった。
高額な薬品だが週1で購入しては気に食わないαをΩに変え、まるで遊びのように悲惨な光景を見ていた。
きっとこれが王としての地位なのかもしれない。
「ねぇ琥珀さん、僕と結託してもっと楽しいことをしないか?」
「楽しいこと? 例えば?」
「そうだね、世の中のαをΩにしちゃうとか」
「ふん、つまらん遊びだ」
琥珀は立ち上がりこちらに来て僕の顎をとった。
「え?」
αの目つきが僕を捕らえる。
「お前の目的は全部壊すことだろ、なら幸せ同士をぶっ壊すのが一番の楽しみじゃないか?」
僕よりもすごいことを考えた。でも目的にあっている。ぞくぞくと胸の内側から楽しさが込み上がってきた。
早く見たい、琥珀慎二が企てる計画を。
1
お気に入りに追加
254
あなたにおすすめの小説
真面目な部下に開発されました
佐久間たけのこ
BL
社会人BL、年下攻め。甘め。完結までは毎日更新。
※お仕事の描写など、厳密には正しくない箇所もございます。フィクションとしてお楽しみいただける方のみ読まれることをお勧めします。
救急隊で働く高槻隼人は、真面目だが人と打ち解けない部下、長尾旭を気にかけていた。
日頃の努力の甲斐あって、隼人には心を開きかけている様子の長尾。
ある日の飲み会帰り、隼人を部屋まで送った長尾は、いきなり隼人に「好きです」と告白してくる。
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
孤狼のSubは王に愛され跪く
ゆなな
BL
旧題:あなたのものにはなりたくない
Dom/Subユニバース設定のお話です。
氷の美貌を持つ暗殺者であり情報屋でもあるシンだが実は他人に支配されることに悦びを覚える性を持つSubであった。その性衝動を抑えるために特殊な強い抑制剤を服用していたため周囲にはSubであるということをうまく隠せていたが、地下組織『アビス』のボス、レオンはDomの中でもとびきり強い力を持つ男であったためシンはSubであることがばれないよう特に慎重に行動していた。自分を拾い、育ててくれた如月の病気の治療のため金が必要なシンは、いつも高額の仕事を依頼してくるレオンとは縁を切れずにいた。ある日任務に手こずり抑制剤の効き目が切れた状態でレオンに会わなくてはならなくなったシン。以前から美しく気高いシンを狙っていたレオンにSubであるということがバレてしまった。レオンがそれを見逃す筈はなく、シンはベッドに引きずり込まれ圧倒的に支配されながら抱かれる快楽を教え込まれてしまう───

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。


猫の王子は最強の竜帝陛下に食べられたくない
muku
BL
猫の国の第五王子ミカは、片目の色が違うことで兄達から迫害されていた。戦勝国である鼠の国に差し出され、囚われているところへ、ある日竜帝セライナがやって来る。
竜族は獣人の中でも最強の種族で、セライナに引き取られたミカは竜族の住む島で生活することに。
猫が大好きな竜族達にちやほやされるミカだったが、どうしても受け入れられないことがあった。
どうやら自分は竜帝セライナの「エサ」として連れてこられたらしく、どうしても食べられたくないミカは、それを回避しようと奮闘するのだが――。
勘違いから始まる、獣人BLファンタジー。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる