クロネコ

枝浬菰文庫

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警視総○とお友達です。by黝

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その頃の警視庁

カタカタ、ガサガサとパソコンや書類を整理していた。

「あーくそ暇だな」

「何言ってるんですか、追加の調査の件どうなりました?」
「えーだるい」
と俺の相手をしているのは垣本さんだ。

今日は確かにいつも以上に暇だ。
特殊な事件もないし、追加の調査といっても誰かが資料室に行って過去の書類を見返して報告書にまとめるだけだ。

なにかこう垣本さんにパワーを与えられるものはないのだろうか。


俺の背後に立つ、男。
振り向けば見たくもない顔と目が合ってしまった。

「よぉ! 元気してるか皓!」

「って 警視総監!!?」
一番驚いているのは俺ではなく椅子で遊んでいた垣本さんだった。
ひっくり返ってフロアの注目を浴びていた。


「ええ、どうされたんですかこんなところまで」
「んー? いやーねちょっと美形男子の皓くんに会いたくてさ」
と言ってきたので俺は無表情になる。

「え、警視総監と瀬尾ってお知り合いなんですか?」

「うん、俺の息子とね、仲良くて」
「たしか、息子さんって今交番勤務でしたっけ?」

「そだよ、こんなむっさ苦しいところよりも外で美味しい空気吸いながらおばあちゃんたちと話すのが楽しいって言って出世しないんだとさ」


「……それはなんともですね」

「まぁ俺には他にも息子がいるし、いいんだけどね」
「そうですか」

「それよりも皓さお兄さんにこの手紙渡しておいてくれない?」
「手紙ですか?」

「うん」
分厚い封筒を受け取った。

まさかと思い中身を確認しようとしたが警視総監に止められる。
「ダメだよ、これは黝くんとのお約束だからね」

「……わかりました、渡しておきます」
「え…」
また置いてけぼりな垣本さんが俺の兄に興味を持つ。


「今【くろ】って言いました?」

「うん、あれ? もしかして知らないの?」
「ちょっ極秘ですよ」
と小声で伝えると

「あーそっか、んーくろと言えば黒タイツ! なんっつて アハハ」と
いいながら去っていった。

フロア全体がシーンとなった。
誰もフォローしないところがある意味すごいが。


「本当に警視総監って愉快な人ですよね」
「ですね」
自分のデスクに座り、封筒をカバンに入れた。

絶対これ金だ。
はぁーまた兄さん危ない橋渡ってるのかな。
さすがの俺も心配になる。


「ねぇねぇ、なんでお兄さんのこと秘密なの?」
地獄耳!!

「あーちょっと飲み物買ってきます」
「じゃ俺ペットボトルのコーラ頼む」

「了解です」

振り返り垣本さんにちょいちょいと手招きしエレベーターに乗り込んだ。

そして駐車場につき、誰もいないことを確認し
「いいですか、兄のことはあまり言いふらさないでくださいね」
「うん、わかった」

「俺の兄は少し特殊なんです、表に出れないというか…」
「……もしかしてだけどこの子かい?」

スマホに映るウエイトレス姿の兄!!
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