先輩に恋しました。

こんな酷いやり方ないよな。

電車の中で渡された住所を睨み、マップで検索すると
ここ、高級住宅街じゃん、悠真先輩のことなにも知らない…。

佐久間先輩との関係も気になるし、真田部長も…もしかして枕営業してるってこと部長知ってるのか？？


考えているうちについた。

「ここか、デカイな」

鍵渡されたけど入っていいのか？
不法侵入とかならないよな


ガチャと開け中に入る。
シーンとした重たい空気となんか臭い気がする。

異臭…死体とかじゃないよな？

手で鼻を隠しながら異臭がするほうに向かった。

「え？」
風呂場に横たわる悠真先輩。
散乱している便と血の塊。

「ちょっ！！　先輩？？　しっかりしてください」
大きな声で呼ぶも返事が返ってこなかった。

「いやだ、うそだ、生きて？」
呼吸はしてた。
だが苦しそうだ。

「はぁはぁ…」

「救急車」

「へぇー珍しいこともあるな」
背後に男が立つ。

ビクっと後ろを向くと腕組した男がいた。
筋肉すごい、アスリート系な体型をしている、誰だこの人は？

「あの、佐久間が他の男を向かわせるなんて」
！？　佐久間先輩の知り合いってことはもしかしてDV男？？


「くっこんな状態で放置してるほうが問題じゃないですか！！」

「はっ、なるほど、気が強いなってことは佐久間なりの抵抗ってわけか、あいつも悠真好きは離れないな」

「なに言ってるんだ？」

「あーお前、佐久間の部下か？」
「俺は悠真先輩の後輩です」

「ふーん、じゃ同じめに合わせても文句はいわれねぇよな？」
「へ？」

ガンと響く痛み。
俺は今この男に顔を殴られた。


「うぐっ」
痛い。
鼻からは血が流れてきた。

「よっわ」

反動で風呂の淵に体をぶつけた。
全身が痛い。

「ダメ…お願いやめて」
と声がした。

「起きたか悠真、お前の行いでこいつを殺すも生かして帰すのも選ばせてやるよ」

「はぁはぁ…」
悠真先輩と目が合う。

衰弱しきった先輩が目に入る。
体中は痛々しいほどの痣とところどころ血が流れていた。

「浩、お願いします、僕を好きなようにしていいから、この子をを逃がしてください」
と土下座していた。

「へぇー」
悠真先輩の前に立つと土下座していた頭を踏んづけタイルに血が滲む。

「うっ」

「おい、くそガキ早く出て行け」
「は？」
俺が言い返そうとしたが踏みつけている足は力を増し

「このままお前がここにいても状況は変わらないんだよ、むしろ悪化する、会社には風邪で休むってこと言っとけ」

「ぐっ…」
俺はなにもできなかった。
むしろ先輩を追い込むことになってしまった。

これが佐久間先輩の目的？？
でも違う気がする。

会社に戻り真田部長に報告したあと、佐久間先輩を探した。