リス獣人の溺愛物語

天羽

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【本編】5さい

25話 封印された魔力②

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「……結論から言うと、リツちゃんには闇魔術師しか扱うことの出来ないがかけられている」


「じゅ、呪文……?」


ラディも、ラディの父ちゃんも勿論俺だってその言葉に驚愕する。
物心着いた時には母ちゃんと2人だった俺にいつ呪いをかけるんだとかなんで俺が呪われるんだとか色々考えたけど思い当たることは1つもない。


「……それも、かなりの実力者だね……それこそ僕と同等の力がある魔術師……光魔法を使う僕とは相性の悪い性質だったから、少し魔力を流しただけでリツちゃんがここまで苦しんだんだ。そして…この呪いは、僕は勿論誰にも解くことは出来ない」


「ピュイ!!!」
(え!?うそだろ……じゃあ俺はずっと……)


「出来ないってっ!……ではどうしたら……どうしたらリツは助かるのですか?これではリツはずっと呪いがかけられたまま獣人化出来ずに苦しまなくてはいけなくなります……それはあまりにもリツが……」


そう言ってラディは悔しそうに拳を握りしめる。


「……なぁハビーよ、何か方法はないのか?」


そう聞くラディ父ちゃんですら、いつもの怖いくらいの威厳が弱まり、不安の様子を露わにする。


「まぁまぁみんな落ち着いて……簡単に説明すると、リツちゃんは今、闇魔術によって全ての魔力が身体の中で封印させられているんだ……。
魔力の核は心臓にある……だから…ん~まぁ、例えるなら魔力の核を含んだ心臓ごと鎖でぐるぐる巻きにされているイメージだね。
だから僕の光魔法が入ったことによって反応した闇魔術が鎖の強度を強めるように魔術を強めたせいでリツちゃんの心臓に負担がかかり苦しくなった……というわけ」


その話を聞いて、俺の身体にそんな事が起こっているなんてまだ信じられないが、獣人化出来ないことや先程の苦しくなった事を思い出すと信じる他なかった。


「そしてこれは、外から圧力を加えるとリツちゃんにも過度な負担がかかるし、そもそもこう言う闇魔術は外側からの解錠は無理と言っても過言ではない……実際ここまで強い魔術はいくら僕でも無理だね」


……俺、獣人化出来ないのか?
ラディと勉強してやりたい事が増えたというのに。

そう肩を落とし、俯く俺を見つめ、「でもーーー」と続けるハビーさん。


「でも、それは外側から無理なだけであって、内側……そう、リツちゃんになら解けるかもしれない。確証はないから絶対とは言えないけど」


「リツになら……でもリツは魔力自体を封印されているんですよね?どうやって……」


「それはごめん、僕にも分からない……なんせあまりない事態だからね魔力の核自体を封印なんてこの世界じゃ死を意味すると言っても過言ではないし、普通の人間が考え付くものでは無い……本当に腐った奴だよ……そいつは……」


ハビーさんはそう言って鋭い目つきで怒りを露わにする。
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