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二人は結ばれない運命だった……?
しおりを挟む「響斗くんっ」
私は夢から覚めると、すぐさま響斗くんのいる寝室へ。
だけど、寝室には響斗くんが居なかった。
「響斗くん……?」
あの時もそうだった。彼は突然居なくなってそのまま封印されて……。
「もう、失いたくない!」
私は真夜中にも関わらず、彼を探しにパジャマのまま、家を飛び出した。
もしかしたら魔界にまたお使いに行ってるだけかもしれない。
だけど、怖かった。もう一度失ったらどうしようって。
今度こそ私は……。
私は手当たり次第に響斗くんを探す。
駅、通学路、二人で初めて行ったショッピングモール。
「何処にいるの……?」
不安を抱えながら、家から近い公園も探してみる事にした。
「えっ……」
公園に響斗くんはいた。
だけど、響斗くんは地面に倒れ込んでいた。腹部には小太刀が刺さっている。
そして、そんな響斗くんを湊くんが冷たい目で見下ろしていた。
「ひ、響斗くん!?」
私は慌てて響斗くんの元へ。
「しず……く……」
「どうして……湊くんがやったの!?」
「そうだよ。ようやくこれでこいつを殺す事が出来るんだ。吸血鬼を殺せる太刀を入手してね。ずっとずっと殺したかった。封印だけじゃ気が済まなかった」
湊くんは手についた血をハンカチで拭きながら言う。
「どうしてこんな酷い事を……」
「酷い事をしたのは君だよ。俺と結婚するくらいなら死んだ方がマシだと言って川に飛び込んだじゃないか。せっかく邪魔なこいつを封印したというのに君は俺のものにならなかった」
そうだ、私が川に飛び込んだのは私がどんなに拒んでも孝介さんが父と結託して孝介さんと強引に結婚させようとしてきたから。
響斗くんの封印を結局解くこともできず、響斗くんをあんな目に遭わせた人達だらけの世界にいる事に耐えられなくて自ら命を絶った。
私が静流の生まれ変わりだというなら彼、湊くんは響斗くんを封印した張本人……孝介さんの生まれ変わりだ。
「貴方は私と響斗くんを引き離した。何の罪もない彼を封印した。結婚なんてするわけないじゃない! 貴方のような最低な男」
「静流としての記憶を取り戻したのか?」
「ええ。貴方が最低最悪な男だという事も全部思い出した……」
「そうか。はぁ、ようやく君を自分のものに出来ると思ったのにな。何故思い出してしまうかな。余計な事を。まあ、こいつはこれから死ぬからその後、雫をどうするか考えれば良い」
「響斗くんっ」
「雫……俺は……もう……駄目だ。この小太刀は強力な妖刀だ。吸血鬼を殺すには充分な力がある……」
響斗くんの腹部からは血が止まらない。
「響斗くん、駄目っ! どうして……どうして……いつも私を置いて行くの。お願い、死なないで! せっかく私、全部思い出したのに……」
「っ……ごめん……俺はいつも……たくさん泣かせてしまうな」
「嫌….…まだちゃんと……伝えたい事があるの。諦めないでよ……」
「封印から目覚めさせてくれたのが雫で本当に……嬉しかった」
「響斗くんっ」
「封印から目覚めてまたもう一度君に恋をできた。だけど……結局……俺達は一緒になれないみたいだ……」
「違う! もう一度会えた事には意味があるの。一緒になる為にまた会えたの! きっとそう! だから……」
響斗くんは私の頰に流れる涙を指で拭き取る。
「雫、ごめんな……俺は……今も昔もずっと君を愛してる……」
「響斗くん……?」
響斗くんの荒かった呼吸が止まる。
「嫌だ、響斗くん……いつもみたいにからかってるだけ……だよね? ねぇ……」
彼の手に触れるも、冷たくなってしまっている。
「嫌……響斗くん……お願い……私をもう一人にしないで……」
「ようやく、悪しき化け物を殺せた。やったぞ……ついに奴を……」
これは何かの間違いだ。
響斗くんがいなくなるなんてあり得ない!
「響斗くん、不死身だって私に話してたじゃない。どうして……」
「雫、諦めるんだな。そいつはもう二度と目覚めない! 今度こそ君は俺と……」
「触らないで!」
私の肩に触れてきた湊くんの手を私は叩く。
「響斗くんを殺した貴方を私は一生許さない」
「雫……どうして….…いつも君はその化け物を選ぶんだ? 俺のがそいつよりずっとずっと前から君を……」
「彼は化け物じゃない。化け物なのは貴方よ!」
私は彼を睨みつける。
「雫……どうして……」
「私は響斗くんじゃなきゃ駄目なの! 貴方を選ぶくらいならもう一度死んだ方がマシよ」
「あいつは死んだというのにまだ君は……どうして分かってくれないんだ!!」
湊くんはいきなり私の胸倉を掴む。
「苦しっ……」
「どうしたら俺のものになるんだ?」
響斗くん……響斗くん……これは何かの悪い夢だよね?
私はまた貴方の居ない世界を生きなきゃいけないの?
私はもう一度やり直したかったのに……。
結局、同じ不幸を繰り返すの……?
「うわぁぁぁ!」
いきなり私が首から下げていたネックレスから紫色の炎が放たれる。
その炎は湊くんの身体全てを包み込む。
「な、何……」
「助けてくれぇ!!」
湊くんは公園にある池に飛び込む。そして、炎が消えると、そのまま逃げ出して行った。
「このネックレスが私を守ったというの……?」
響斗くんがくれたお守り……。
「やっぱりネックレスは響斗くんが持ってるべきだったじゃない。どうしていつも響斗くんなの?」
どうして響斗くんばかりが苦しむの?
私は二度と目覚めない響斗くんの唇に口付けをする。
「お願いだから……もう私を一人にしないで。私をまた一人にするというなら私は貴方を追いかける……」
苦しくて苦しくて、どんなに涙を流しても一向に涙は止まらないし、胸は痛み続ける。
こんな悲しい結末になるならどうして私達をまた会わせたんですか……?
私と響斗くんは何度会っても結ばれてはいけない運命なんですか……?
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