乙女ゲームのヒロインをいじめるいじめっ子グループのリーダーに転生したので悪役を演じきってみせましょう

水竜寺葵

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セカンドストーリー

四章 新たな出会い

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 エルシアとフレアに捕まり着せ替え人形にされてしまったリリアーナは何とかそこを脱出し三階にある教室を目指していた。

「ふえぇぇ~……えらい目に遭った」

(なかなか似合っていましてよ)

肩をおとしとぼとぼ歩いている彼女の呟きに、心からもう一人の自分がおかしそうに笑う声が聞こえて情けない顔で睨む。

「他人事だと思って……本当に抜け出すの大変だったんだからね」

(まぁ、まぁ。過ぎてしまったことはもうよいではありませんの。それよりここが三年生の教室のようですわよ)

その言葉で顔を横に向けると二年生の教室と同じ重厚な扉が目に入って来る。

「ここが三年生の教室なのね。よし、入るわよ」

意気込むと扉をひき開け中へと入っていく。

「会長達の姿は……」

「ようこそ。特等生三年生のクラスへ。貴女は……二年生の生徒ですね。このクラスでは催し物をやっております。良ければ見て行ってください」

見慣れた生徒会の皆の姿を探し左右に顔を振っている彼女に近寄ってきた男子学生が笑顔で対応してきた。

「え、あ、あの。私は――」

「リリア! わたくしのクラスにいらしてくださって嬉しいですわ」

慌てて知り合いを探しているんだと言おうと口を開いたところでセレスの声が聞こえてくる。そうして素早くリリアーナの身体を抱きしめまるで再会を喜ぶ姉のように歓びを露にした。

「セ、セレスさん。苦しいですわ……」

「あ、ごめんなさい。……わたくしのクラスへようこそ。わたくしが責任をもって貴女をご案内いたしますわ」

彼女が声を絞り出すと慌てて離れた彼女がリリアーナの手を取り案内すると言う。

「あの、会長達は?」

「会長と副会長でしたらちょっと前に巡回の時間になったので出て行きましてよ。ふふ。二人にリリアが来たことを伝えたらきっと羨ましがられますわね」

姿がみえないキールとエドワードの事を尋ねるとセレスが答え誇らしげな顔で微笑む。

「あの、セレスさん。この方は生徒会の方でしたか」

「いいえ。リリアは生徒会のメンバーではありませんわ。わたくしの友人ですの」

と、ここで横から男子生徒の声が聞こえてきて、そう言えば最初に声をかけてきたのはこの人だったとリリアーナは意識を戻す。

「私はリリアーナと申します。セレスさんや会長や副会長とはちょっとした理由があり知り合いまして、それで今回の学園祭せっかくならば皆さんの教室にも顔を出してみようと訪ねてきたのですわ」

(亜由美……もう少しお嬢様口調の特訓が必要ですわね)

彼女の説明口調を聞いていたもう一人のリリアーナが盛大に溜息を吐き呟いた。

「そうでしたか。……僕はシャルロット・ハーバート。みなさんからはロトと呼ばれております。以後お見知りおきを」

「は、はい」

柔らかく微笑む藤色の瞳の青年になぜか引き付けられる魅力を感じながらリリアーナは返事をする。

「……セレスさんがご案内すると言うのであれば、僕はお邪魔するわけにはいかないですので持ち場に戻りますね」

「えぇ。リリアの事はわたくしが責任をもって案内いたしますので大丈夫ですわ。さ、リリア行きましょう」

不思議なオーラを感じるシャルロットから視線を外すことが出来ずにいるとセレスに手を引かれその場を立ち去った。

「……わたくしあの方苦手なのですわ」

「あの、先ほどのシャルロットさんって一体?」

その場を立ち去った途端小さくぼやく彼女の言葉にリリアーナは尋ねる。

「メルさんが来るまでこの学園のトップの成績を誇っていた方ですわ。見ての通りミステリアスで優しい微笑みを浮かべますので、女生徒の人気も高く将来有望な若者として先生方からも目をかけられている優等生ですわ」

「そ、そんなすごい人だったんだ……」

聞かれたため仕方ないと言った感じに答えるセレスだが、その言葉尻はとげとげしい。

学園トップの座を陣取っていたエリートだったことを知った彼女は目を丸くし驚く。

「いいですか、リリア。あの男には絶対に近づいては行けませんわよ。女生徒達を魅了の術で惑わす悪魔のような男ですからね」

「凄い言い様ですね。……セレスさんとあのシャルロットさんの間に一体何かありましたの?」

相変わらず不機嫌そうなオーラをまとった彼女の言葉に、リリアーナはそこまで言うのには何か理由があるのかと問いかける。

「とくにはありませんわ。ただ、会長が警戒していますの。あの男は何かやらかしそうだって。ですからわたくしあの方に近づかないようにしているのですわ」

(つまり、またヒステリックな勘違いで敵対視しているって事ね)

話を聞いて納得してしまった彼女は小さく苦笑した。それからセレスの案内の下催し物を見物した彼女は昼休憩になる為一度教室へと戻り弁当を取りに行く。

「メル達と一緒にお昼を食べる約束だったのよね。確か中庭に集合だって聞いていたけれど……」

「お姉様」

「リリア、こっちですわよ」

中庭へと続く通路を歩いているとメラルーシィとエルシアの声が聞こえてくる。そちらへと向かうとアルベルト達や生徒会の姿もあり、全員が揃っていた。

「会長、副会長も……先ほどはお会いできませんでしたので、こうして会えてよかったですわ」

「生徒会は常に問題がないか見るために順番に巡回していますからね。せめて、お昼ご飯くらいは皆さんとご一緒しようと思いまして」

「まぁ。そういうわけだからこうして皆と食事を楽しむ事になったんだ」

彼女が駆け寄って声をかけると表の顔を貫くキールがにこりと微笑み答えると続けてエドワードも話す。

そうして皆で仲良くランチタイムが始まった。食事が終わると暫く他愛のない話で盛り上がっていたのだがこの学園には似つかわしくない荒々しい足音が近づいてくる。

「うぉおおおぉっ!! メル! 会いたかったぞ」

「お、お兄ちゃん?」

そうして素早くメラルーシィを抱きしめ号泣する男に、周りが呆気に取られていると彼女が口を開いて驚きを露にした。
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