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三章 忍び寄る影
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一方その頃、リィーナとユリシアを追放したグエル達はというと、国王即位式を終え、シャナを正式に王妃として迎える儀式をしていた。
「グエル様、わたし嬉しいです」
「シャナが隣にいてくれて俺も嬉しいよ。これから君を幸せにしてあげる」
「はい」
嬉し泣きする彼女へと優しく微笑み彼が言う。その言葉にシャナが美しい笑顔で答えた。
(ふふっ。これでわたしもついに権力者。これで欲しいものは何でも手に入る)
グエルへと向けて優しく微笑む彼女が内心で呟くと怪しく目を光らせる。
「グエル様、シャナ様。おめでとう御座います」
『おめでとうございます』
仕えている者達全員が集められた式場で次々と祝福の言葉がかけられた。
この時、彼等はまだ分かっていなかった。この先起こる不吉な出来事に。
しかしその影はゆっくりとだが確実に忍び寄って来ていた。
教会で一人手紙を読んでいた神父は小さく溜息を吐き出す。
「おぉ……恐れていたことが。もう私一人の力ではどうすることもできない。国は乱れ、民は苦しむ……」
中庭の縁で枯れる花。風に乗り訪れる湿った暗い空気に神父はそう言うと頭を抱えた。
その頃王妃任命式をしている部屋へと一人の地方兵士が慌てて走り込んでくる。
「グエル様ご報告申し上げます!」
「今大切な式の最中だぞ! 後にしろ」
切羽詰まった声に、苛立たし気にグエルが言い放つと軽く無視しようとした。しかし兵士がその命令に背き口を開く。
「大変です。王国の外で疫病が発生いたしました!」
「何だと!?」
兵士の言葉にこの場にいた誰もがざわめく。国王も驚き目を見開いた。
「シャナがいるのに何故?」
「グエル様心配には及びませんわ。たかが国の外の出来事、このわたしがいるのですからここまで影響は御座いませんわ」
戸惑うグエルへとシャナが聖女らしい微笑を浮かべ安心させる。
「そ、そうだよな。シャナがいればこの国は大丈夫だ。皆、騒ぐほどの事ではない!」
国王の言葉に皆不安な顔で仰ぎ見る。リィーナがいた時には一度だってこんな事は起きた事が無かった。それは隠しきれない事実だ。だが、シャナこそが本当の聖女だとグエルが言うのだからそれを信じるしかなかった。
「この国に疫病を入れてはならない。今すぐ閉鎖しろ。そして疫病にかかった者達を辺境の地に送り閉じ込めろ」
「はっ!」
国王の命令に騎士団長が返事をするとすぐに兵士達を連れて動く。
「シャナ、心配はいらないよ。俺が君を守ってあげる」
「あぁ、グエル様……」
不安で仕方ないといった顔のシャナへと、グエルが優しく微笑み語りかける。
その言葉に彼女は涙を浮かべた顔で安堵した。
(王妃になれさえすれば、この国がどうなろうが関係ないわ。わたしにはグエルがいればそれだけでいいもの)
優しく微笑む国王へとシャナは内心で呟き不敵に笑う。
その頃ユリウスとエディに保護されたユリシアとリィーナはというと、王宮の一角の部屋を与えられそこで暮らしていた。
「まさか、ユリウス様とエディ様が王族の人だったなんて驚きですね」
「出会った時から違和感は覚えておりましたけれど、城に連れてこられて全てに納得いたしましたわ」
聖女の言葉に令嬢がいつもと変わらない口調で答える。
「いや、あの時は身分を隠して偵察に行っていたから、ごめんね」
「それよりも、君達こそ聖女と元王妃候補だったなんて聞いた時は驚いたよ」
お茶を飲みながらユリウスが言うとエディも話す。
「私は隠してなんていなかったですよ?」
「リィーナは気だてが良くていらっしゃること。わたくしは染みついてしまった癖というのでしょうか、初めは警戒しておりましたの」
不思議そうにするリィーナへとユリシアが呟き、双子を見やり答える。
「ユリシアの生い立ちや環境を考えれば当然だと思うよ」
「そう仰ってくださるのね」
ユリウスの言葉に令嬢が珍しく嬉しそうに微笑む。
「ユリウス様、エディ様。ご報告がございます」
「何だ?」
ゆっくりお茶会を楽しんでいるところに兵士がやって来る。それにエディが尋ねた。
「はっ……実は……」
「ユリシア、リィーナ悪いが席を外す。ゆっくりお茶会を楽しんでね」
ユリシア達の顔をちらりと見ながら言いにくそうにする兵士の姿に、ユリウスが話すとエディを連れて席を立つ。
「……何か問題が起こったようですわね」
「あ、それ多分ザイバール王国の事だと思います」
鋭い眼差しでユリシアが呟くと、リィーナが話した。
「聖女の加護を失った国は危険にさらされます。ですから国の外で何か起こり始めたんだと思いますよ」
「そう、それってこの国にも影響があるのかしら」
聖女の言葉に令嬢が尋ねる。
「私の力が働いているのですぐに影響が出る事はありません。ただ、国の外から持ち込まれてしまえば話は別です」
「それですわ。グエルの性格ですもの、きっと今頃国への閉鎖命令を出していらしてよ。ザイバール王国で起きている危険が何か突き止められれば、それを利用して復讐することができましてよ」
「分かりました。一緒に調べていきましょう」
リィーナの言葉に思案していたユリシアは語る。それに聖女が返事をすると二人はユリウス達の下へと向かって行った。
「入りましてよ」
「失礼しま~す」
「っ、ユリシア、リィーナどうして?」
執務室へと入ってきた二人にユリウスが驚く。
「何かあったのか?」
二人のただならぬ気配にエディが尋ねた。
「わたくし達考えたのですわ。お二人に保護していただけて、ただ何もせず暮らすだけではよろしくないと」
「それで、ユリシアさんと話をしていて、お二人の手助けが出来ればと考えたんです」
二人の話に双子は困惑して躊躇う。
「二人の境遇を思えばこそ、この国で幸せに暮らしてもらいたい。それだけが僕達の願いなんだ」
「だから、危険に身を置くなんてそんな事して欲しくない」
ユリウスとエディの気持ちを知り、嬉しく思うリィーナは頬を赤らめ、ユリシアは胸に手を置いた。
「いいえ、わたくしはお二人の為になるのならば、危険に身を置くことも構いませんわ」
「それに、聖女の力を使えば不可能も可能にできると思うんです」
「もしかして……二人には何か考えがあるのか?」
引き下がらない二人の様子にエディが尋ねる。
「えぇ。まだお話を伺ってからでないと、はっきりとはお答えできませんが。考えが御座います」
「分かった。話をする。実は、君達がいた国。ザイバール王国で疫病が流行り始めているそうだ。そして聖女の加護を失った土地は枯れ始めている」
「それを聞いて、僕達はこの国にもその影響が及ぼされるのではないかと危惧していたんだ」
ユリシアの言葉に双子が話し始めた。
「お話は分かりましたわ。……リィーナ。思っていた通りでしてね」
「はい、そうですね」
「もしかして、この状況を利用して復讐をしようとでもいうのか?」
令嬢の言葉にリィーナが頷く。その様子に彼女達が復讐を考えているのではないかと思っていたユリウスが尋ねた。
「ユリウス様、エディ様。わたくし達は二人で復讐を決意致しました。ですが、お二人のご厚意にご恩返しをしたい気持ちも本当ですの」
「そこで、私達はこの機に乗じて復讐作戦を開始するのと共に、ユリウス様とエディ様の悩みを解決する方法を考えたんです」
二人の話を聞いて双子が黙り込む。
「そうか……僕達も君達の復讐を手伝いたい。その船に乗せては貰えないかな?」
「「!?」」
にこりと笑い話したユリウスへとリィーナ達は驚く。
「実は、君達の力になれないかと兄上と話し合っていたんだ」
「だから、君達が復讐するというのならば、僕達も力を貸す。なので、話を聞かせては貰えないかな」
にかりと笑いエディが言うと兄も話を続ける。
「ユリウス様、エディ様……」
「……お二人が力をお貸しくださるなら、なんと心強い事かしら。お願いできますか」
聖女が嬉し涙を流す横で、ユリシアは結託を了承した。
「「君の助けになるのならば」」
双子が同時に声をあげる。それはユリシアかリィーナかどちらへ向けて言われた言葉なのか、この時の二人にはまだ分からない事であった。
「グエル様、わたし嬉しいです」
「シャナが隣にいてくれて俺も嬉しいよ。これから君を幸せにしてあげる」
「はい」
嬉し泣きする彼女へと優しく微笑み彼が言う。その言葉にシャナが美しい笑顔で答えた。
(ふふっ。これでわたしもついに権力者。これで欲しいものは何でも手に入る)
グエルへと向けて優しく微笑む彼女が内心で呟くと怪しく目を光らせる。
「グエル様、シャナ様。おめでとう御座います」
『おめでとうございます』
仕えている者達全員が集められた式場で次々と祝福の言葉がかけられた。
この時、彼等はまだ分かっていなかった。この先起こる不吉な出来事に。
しかしその影はゆっくりとだが確実に忍び寄って来ていた。
教会で一人手紙を読んでいた神父は小さく溜息を吐き出す。
「おぉ……恐れていたことが。もう私一人の力ではどうすることもできない。国は乱れ、民は苦しむ……」
中庭の縁で枯れる花。風に乗り訪れる湿った暗い空気に神父はそう言うと頭を抱えた。
その頃王妃任命式をしている部屋へと一人の地方兵士が慌てて走り込んでくる。
「グエル様ご報告申し上げます!」
「今大切な式の最中だぞ! 後にしろ」
切羽詰まった声に、苛立たし気にグエルが言い放つと軽く無視しようとした。しかし兵士がその命令に背き口を開く。
「大変です。王国の外で疫病が発生いたしました!」
「何だと!?」
兵士の言葉にこの場にいた誰もがざわめく。国王も驚き目を見開いた。
「シャナがいるのに何故?」
「グエル様心配には及びませんわ。たかが国の外の出来事、このわたしがいるのですからここまで影響は御座いませんわ」
戸惑うグエルへとシャナが聖女らしい微笑を浮かべ安心させる。
「そ、そうだよな。シャナがいればこの国は大丈夫だ。皆、騒ぐほどの事ではない!」
国王の言葉に皆不安な顔で仰ぎ見る。リィーナがいた時には一度だってこんな事は起きた事が無かった。それは隠しきれない事実だ。だが、シャナこそが本当の聖女だとグエルが言うのだからそれを信じるしかなかった。
「この国に疫病を入れてはならない。今すぐ閉鎖しろ。そして疫病にかかった者達を辺境の地に送り閉じ込めろ」
「はっ!」
国王の命令に騎士団長が返事をするとすぐに兵士達を連れて動く。
「シャナ、心配はいらないよ。俺が君を守ってあげる」
「あぁ、グエル様……」
不安で仕方ないといった顔のシャナへと、グエルが優しく微笑み語りかける。
その言葉に彼女は涙を浮かべた顔で安堵した。
(王妃になれさえすれば、この国がどうなろうが関係ないわ。わたしにはグエルがいればそれだけでいいもの)
優しく微笑む国王へとシャナは内心で呟き不敵に笑う。
その頃ユリウスとエディに保護されたユリシアとリィーナはというと、王宮の一角の部屋を与えられそこで暮らしていた。
「まさか、ユリウス様とエディ様が王族の人だったなんて驚きですね」
「出会った時から違和感は覚えておりましたけれど、城に連れてこられて全てに納得いたしましたわ」
聖女の言葉に令嬢がいつもと変わらない口調で答える。
「いや、あの時は身分を隠して偵察に行っていたから、ごめんね」
「それよりも、君達こそ聖女と元王妃候補だったなんて聞いた時は驚いたよ」
お茶を飲みながらユリウスが言うとエディも話す。
「私は隠してなんていなかったですよ?」
「リィーナは気だてが良くていらっしゃること。わたくしは染みついてしまった癖というのでしょうか、初めは警戒しておりましたの」
不思議そうにするリィーナへとユリシアが呟き、双子を見やり答える。
「ユリシアの生い立ちや環境を考えれば当然だと思うよ」
「そう仰ってくださるのね」
ユリウスの言葉に令嬢が珍しく嬉しそうに微笑む。
「ユリウス様、エディ様。ご報告がございます」
「何だ?」
ゆっくりお茶会を楽しんでいるところに兵士がやって来る。それにエディが尋ねた。
「はっ……実は……」
「ユリシア、リィーナ悪いが席を外す。ゆっくりお茶会を楽しんでね」
ユリシア達の顔をちらりと見ながら言いにくそうにする兵士の姿に、ユリウスが話すとエディを連れて席を立つ。
「……何か問題が起こったようですわね」
「あ、それ多分ザイバール王国の事だと思います」
鋭い眼差しでユリシアが呟くと、リィーナが話した。
「聖女の加護を失った国は危険にさらされます。ですから国の外で何か起こり始めたんだと思いますよ」
「そう、それってこの国にも影響があるのかしら」
聖女の言葉に令嬢が尋ねる。
「私の力が働いているのですぐに影響が出る事はありません。ただ、国の外から持ち込まれてしまえば話は別です」
「それですわ。グエルの性格ですもの、きっと今頃国への閉鎖命令を出していらしてよ。ザイバール王国で起きている危険が何か突き止められれば、それを利用して復讐することができましてよ」
「分かりました。一緒に調べていきましょう」
リィーナの言葉に思案していたユリシアは語る。それに聖女が返事をすると二人はユリウス達の下へと向かって行った。
「入りましてよ」
「失礼しま~す」
「っ、ユリシア、リィーナどうして?」
執務室へと入ってきた二人にユリウスが驚く。
「何かあったのか?」
二人のただならぬ気配にエディが尋ねた。
「わたくし達考えたのですわ。お二人に保護していただけて、ただ何もせず暮らすだけではよろしくないと」
「それで、ユリシアさんと話をしていて、お二人の手助けが出来ればと考えたんです」
二人の話に双子は困惑して躊躇う。
「二人の境遇を思えばこそ、この国で幸せに暮らしてもらいたい。それだけが僕達の願いなんだ」
「だから、危険に身を置くなんてそんな事して欲しくない」
ユリウスとエディの気持ちを知り、嬉しく思うリィーナは頬を赤らめ、ユリシアは胸に手を置いた。
「いいえ、わたくしはお二人の為になるのならば、危険に身を置くことも構いませんわ」
「それに、聖女の力を使えば不可能も可能にできると思うんです」
「もしかして……二人には何か考えがあるのか?」
引き下がらない二人の様子にエディが尋ねる。
「えぇ。まだお話を伺ってからでないと、はっきりとはお答えできませんが。考えが御座います」
「分かった。話をする。実は、君達がいた国。ザイバール王国で疫病が流行り始めているそうだ。そして聖女の加護を失った土地は枯れ始めている」
「それを聞いて、僕達はこの国にもその影響が及ぼされるのではないかと危惧していたんだ」
ユリシアの言葉に双子が話し始めた。
「お話は分かりましたわ。……リィーナ。思っていた通りでしてね」
「はい、そうですね」
「もしかして、この状況を利用して復讐をしようとでもいうのか?」
令嬢の言葉にリィーナが頷く。その様子に彼女達が復讐を考えているのではないかと思っていたユリウスが尋ねた。
「ユリウス様、エディ様。わたくし達は二人で復讐を決意致しました。ですが、お二人のご厚意にご恩返しをしたい気持ちも本当ですの」
「そこで、私達はこの機に乗じて復讐作戦を開始するのと共に、ユリウス様とエディ様の悩みを解決する方法を考えたんです」
二人の話を聞いて双子が黙り込む。
「そうか……僕達も君達の復讐を手伝いたい。その船に乗せては貰えないかな?」
「「!?」」
にこりと笑い話したユリウスへとリィーナ達は驚く。
「実は、君達の力になれないかと兄上と話し合っていたんだ」
「だから、君達が復讐するというのならば、僕達も力を貸す。なので、話を聞かせては貰えないかな」
にかりと笑いエディが言うと兄も話を続ける。
「ユリウス様、エディ様……」
「……お二人が力をお貸しくださるなら、なんと心強い事かしら。お願いできますか」
聖女が嬉し涙を流す横で、ユリシアは結託を了承した。
「「君の助けになるのならば」」
双子が同時に声をあげる。それはユリシアかリィーナかどちらへ向けて言われた言葉なのか、この時の二人にはまだ分からない事であった。
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