冒険者達に淫愛あれ

シュンコウ

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ルア編

VS邪神 一

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*邪神攻め/異種姦/凌辱/尿道攻め



 冒険者にとって、些細なミスが命取りになる。そのことを、ソロで活動するがゆえに、骨の髄まで叩きこんでいたはずだった。
 ルアはギリ、と歯を食いしばり、己を見下す影を睨みつけた。
 しかし肉体的な欲情の余波で赤く染まった頬、潤んだ目で鋭く睨めつけられても痛くも痒くもない。逆に欲を煽るだけである。
 それはニタリと唇をつり上げた。唾液を滴らせる舌が、いやらしく動く。





 ルアは調査を専門とする冒険者だ。まだ人の手の入っていない未開の地や、発見された遺跡の探索を好む。
 専攻にした理由は、未知の物事を一足先に体験できるという優越を味わうためだ。それに、知れ渡っていないということは、ほぼ人がいないという事実も指す。ソロの冒険者であるルアは人嫌いだ。
 今回向かったのは、数日前に偶然他の冒険者が見つけた遺跡だった。洞窟の地下部に築かれたそこは、人気だけでなく魔物の気配もなかったらしい。それが逆に怪しく思え、引き返して報告するだけにとどめたのだとか。
 いい判断力だ。依頼を回された際に聞いた詳細に、ルアは内心で発見者を褒めた。不自然に魔物がいないエリアには、相応の理由がある。たとえば、即死級のトラップとか。
 実力がある冒険者は、とかく己の力量を見誤るケースが多い。自分なら大丈夫。そう判断して帰らぬ人となった愚か者が、どれだけいることか。少なくとも、三桁では収まるまい。
 冒険者ギルドでは、未知のエリア、魔物、現象に遭遇した場合は不必要な干渉をせず、速やかな報告にとどめよ、との注意喚起が常に発せられている。
 緊急事態であればやむなし。最悪、避難誘導程度は行ってもいい。が、そういったものの調査は専門に任せろ、という言外の命だ。
 調査の末、一般冒険者に任せてもよさそうならば、後日依頼として卸される。そうして冒険者ギルドは冒険者達への危険度をできるかぎりやわらげ、少しでも絶命する未来を潰しているのだ。
 可能な限り魔物を避け、湿気ですべりやすい洞窟を降りていく。本題にたどり着く前に、無駄な労力を割きたくはない。洞窟に生息しているのは小物しかいなかったため、戦闘回避はたやすかった。
 階下へ進むたびに、行路が自然にできたごつごつとした足場から整えられた階段へと変わっていく。人工的に手が入っていた証だ。
 やがて辿り着いたのは、広い空間だった。奥行きはあまりないらしく、どの方角の壁も手にしたランプの灯りだけではっきりと見える。
 報告通り、魔物の気配はなかった。ただ漠然と、だだっ広い無機質な光景、そして最奥の壁際を陣取る祭壇らしきものが見えるのみ。
 ルアは階段の隅に転がっていた小石を広い上げ、四方八方に投げつけた。罠がある場合、ぶつかった衝撃だけですぐに反応する。
 カラン……。壁に、床に、天井にぶつかった小石達はやがて失速し、そこかしこに転がった。罠が作動する気配はない。
 無機物には反応しないのだろうか。ならば、とすぐ上の階で捕獲しておいたコウモリの魔物を放った。
 ギイギイとけたたましい鳴き声をあげる魔物は空間の中を飛び回り、やがてルアを素通りして上階へと戻っていく。ここでルアを襲わなかったのは、力量の差を感じ取り、己の命を守るべく逃亡の選択をとったからだろう。魔物は自己防衛に関しては非常に賢い生き物だ。
 生物にも反応なし。ようやくルアは遺跡に足を踏み入れた。ただし警戒は怠らない。
 向かうのは正面の祭壇である。壁に隠し扉などの仕掛けがあれば話は別だが、まずは見てわかりやすい物から調べるのが定石だ。
 祭壇は、壁に何かの彫像らしきものを据え置いていた。贄を捧げる時に使用するのだろう、手前に石造りの台がある。
 ルアは眉根を寄せた。遺跡のほとんどが黄土色であるのに対し、そこだけが異様に黒ずんでいる。血が乾ききった跡にも見える。墨ではこんな色にはならない。
 何かを祀っていたようだ。きっと碌でもない存在に違いない。古来より血と肉と命を要求する輩に、まともなモノはいないのだから。
 下から順に、彫像を見上げる。異形の神だろうか? 体はたくましい男の肉体を象っているのに、首から上が得体の知れない怪物を模している。天井に届くほどの捩れたツノが目を引いた。
 天井まで上った視線を、今度は落とす。彫像の両目がある位置を見た、次の瞬間。


「ぐ、あ!?」


 ビリッと全身に電流が走った。痛みに似た唐突な刺激に、息が詰まる。
 刺激が去ると、同時に力が抜けていった。立つことすらままならず、膝をつき、ついには石畳の床に倒れ伏す。
 しまった! ルアは舌を打った。
 彫像と、目があった。おかしな表現だが、そうとしかいえない。眼孔部分に細工がしてあったのだろう。目が合った者の力を吸い取るような、そんな罠が。
 腕に力をこめ、体を起こそうと試みるが、できない。入れた片っ端から脱力していく。まるで穴が空いた水筒から水がこぼれ落ちていくかのよう。
 歯噛みした。なんたるざまだ。こうならないように細心の注意を払っていたはずなのに。
 意識が遠退く。辛うじて探った魔物の気配が、相変わらず微塵も感じられないことだけが救いか。
 今、魔物に襲われれば。抵抗も何もできず、あっさり殺されている。


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