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アントス編
白の指導 三
しおりを挟む目の前がちかちかとくらみ、腰の奥から何かが抜け出るような感覚がある。ペニスには強烈な快感。我慢していた放尿を果たした時よりも、何倍も気持ちいい吐精。
男の本能で数回腰を緩く動かしてから、ようやく浮いた下半身をシーツの上に落ち着ける。
ごく、と嚥下の音がした。
「飲んじゃった?」
「ん! すっごくおいしかった!」
ぺろり、と舌舐めずりをして、満面の笑顔。アントスは苦笑した。
「普通はあんまり、おいしくないものなんだけどね……。君がおいしいって思ってくれるなら、それでいいのだけど」
「えー? これってまずいものなの? 俺、なんで今まで飲まなかったんだろってちょっと後悔したくらい、おいしかったんだけど」
不思議そうに首を傾げる彼の頬を優しく撫でる。
「たぶん、味覚の違いのせいかな。君が飲むのはいいけど、飲ませるのを強要してはだめだよ。嫌われちゃうかもしれないからね」
「わわ……気をつける」
飲精はセックス初心者には難易度が高い。彼は性行為に対して真面目に向き合うつもりのようなので、釘を刺しておけば無理強いはしないだろう。
「さて、いよいよここだね」
アントスはひくひくと触られるのを待っている孔に触れた。
「うん! 俺、挿れる!」
自分のペニスを近づけようとしたクローリクをやんわり止める。
「いきなりはだめ」
「え!? なんで!?」
「僕はみんなと毎日エッチしているからすぐに入れても大丈夫なんだけどね。君がエッチしたい子は、今みたいにすぐにおちんちんを挿れちゃうと、気持ちよくなるどころかとっても痛い思いをするよ」
「そ、そうなの!?」
クローリクの両目が見開かれ、ぶわりと全身の毛が膨らんだ。ショックを受けた時の反応だ。
「じゃ、じゃあ、アントスさんも今まで痛かった!?」
「ううん、心配はいらないよ。エッチの前に自分で慣らしていたからね。大丈夫」
「そ……そうなのか。よかった……」
ほっと安堵の息を吐く様子に、彼が先走って男の子を組み敷かなくてよかった、と思う。
本能のままに体を繋げていたら、きっと二人とも心に大きな傷を負っていただろう。
「相手に痛い思いをさせないためにも、慣らし方を練習しようね」
「うん! お願い!」
「まずは指を濡らして……」
クローリクの人差し指を口に含む。舌を使い、たっぷりと唾液をまぶした。
「うひゃあ、くすぐったい」
「ん……ふふ、唾液のかわりにおちんちんのミルクを使ってもいいからね」
引き抜いた指と唇の間に唾液の糸が引かれる。すぐにぷつりと切れ、下唇についたそれを舐め取った。
指を孔へと導く。たっぷりと濡れそぼった先が触れると、それだけで期待に体が熱くなった。
「最初は孔の周りをほぐすように、一本だけ。無理矢理押しこむんじゃなくて、徐々に入れてね」
やってみてごらん、と手を離して促すと、そろり、と肉球が孔を押した。
「こ……こうかな」
孔に触れはするがそれ以上入れることはなく、ふにふにと周囲を優しく揉む。そのたびににちゃ、にちゃ、と肉球や毛に含まれた唾液が孔の周辺を湿らせた。
今までのすぐにハメるようなセックスに比べると、なんとももどかしい。孔に肉球や毛先が触れただけで、きゅう、と誘うように孔がすぼめられる。
「ふふ。もう一度指を濡らしてから、孔の中にも、ゆっくり入ってきて……」
「うん」
孔の周辺を濡らすかわりに体温で乾いてきた指が、今度はクローリク自身の口の中に含まれる。
再び唾液をまとった指が、孔に触れて力をこめてきた。
「うわ、ぬるって入る」
ぬめりのある指が中に入ってくるのはたやすかった。元々クローリクとのセックスに備えて十分にほぐしてあったのだ。
「あらかじめ、慣らしてあったからね。今は十分にほぐれているから簡単に入るけど、最初はかたく閉ざされているから、気をつけるんだよ」
「わかった」
「指を入れたら、無理に奥には進まないようにね。まずは入口近くを濡らしながら、指で慣らしていくといいよ」
唾液を塗りつけるように、指がそろりと肉襞を一周する。やわらかくて繊細な粘膜を弱く押したり、少しだけ曲げて広げてみたり。
「うん、すごく上手だね。だんだんやわらかくなってきたら、もう一本指を足してごらん」
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