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キオン編
鋭い針には、 三
しおりを挟む「すみません、とっても気持ち良かったので、つい……」
「おお、寝ちまう程良いのか! どれどれ」
のぼせたわけではないと安堵した様子を見せて、起こした方の男が入ってくる。彼はとても体格が良い。ざぶ、と小さな波が立ってキオンのもとに押し寄せた。
「はぁー、マジだな、こりゃ」
体を洗い終えた冒険者たちが、次々と温かい湯の中へ足を入れる。最高ですよね、と男の相槌を打とうとして、キオンは二番目に声をかけた細身の男がじっとこちらを見つめていることに気がついた。
「あの……、どうかしましたか?」
男は答えなかった。代わりに伸ばされた指が、おもむろに胸を撫でる。
「ひゃっ!? な、なにを」
「……やっぱり」
人差し指が胸の粒を引っかき、……と思ったらすぐに離れていった。男は指をペロリと舐める。
「あんた、鉱岩蜂の雄に刺されたね?」
疑問の形をとっていたが、確信している声音だった。隠すことでもないので素直に頷く。
「はい、左腕を……」
「毒は抜い……てないな、こりゃ」
すぐにキオンの手を取り、傷口を検分してため息を吐く男。早くも湯の成分が効いているのか、血が流れていたそこはしっかり塞がり、新しく出来た赤い肌のみを見せるばかりだ。
「え……ど、毒があるん、ですか……?」
毒、という単語を聞いてキオンは血の気を引かせた。
モンスターの中には攻撃手段として毒を持つ種がいることは知っている。毒の種類は様々だが、鉱岩蜂の毒にどんな効果があるのかは知らない。討伐依頼を受けた際に、一言も注意を受けなかったからだ。
今までに、いや、今でも痛みや苦しみといった毒にありがちな症状はない。遅効性なのだろうか。あるいは症状が出ないまま、気づかずに死に至る類か。
顔色が悪くなったキオンを安心させるように、男は手を振った。
「あー、毒っていっても命に関わるようなものじゃないから。抜かなくても死ぬことはないし、苦しむものでもない」
「そう、ですか」
「んー、でもある意味では苦しい、かな?」
安堵しかけたのも束の間。男は不穏な言葉を口にした。
「たぶんそろそろなんだよね。毒が回りきるのって。それで」
「うわっ!……え、あの」
グイ。力強く左腕を引かれ、床に引きずり出される。慌てて身を起こそうとするキオンの体を仰向けにし、男がその上に乗り上げた。
舌舐めずり。獲物を捕らえた獣のような獰猛な視線に、キオンの背がぞくりと震えた。寒気を感じるのは、心地よい湯の中から外気で冷えた外へと移動させられた気温差のせいだけではない。
「毒を中和させる方法を先に教えとくけどさ。母乳を吸われながら男の精液、いーっぱいお腹の中に注がれないといけないんだよね」
「……え?」
「大丈夫大丈夫」
キオンは気づいてしまった。いつの間にか細身の男の他に、冒険者たちが集まりつつあることを。誰もが息を荒げているのは、露天風呂の熱さによるものではない。その証に腰に巻かれたタオルを押し上げ、逸物たちが存在を主張している。
「母乳には男をその気にさせる匂いがあるから。心配しなくても俺たち皆、あんたに中出ししてやれるからね」
ピン、と伸びた指先がぷくりと腫れた粒を弾いた。
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