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キオン編
鋭い針には、 四
しおりを挟む頭がおかしくなる。否、もうおかしくなっているのかもしれない。
「はぁ……っ、ぁぁ……、ひ、ぃんっ」
ぐちゃぐちゃと胎の中をかき回される気持ちよさに足を突っぱねながら、キオンはぼんやりと考える。どうしてこうなったのだろう。
汚れを落とし、一日の疲れをも洗い流す憩いの場。外の景色と空気を楽しみながらのんびりと羽を伸ばせるはずの露天風呂は、今や淫らな雰囲気に満たされた場所として姿を変えてしまった。
湯気や人肌の温度が移ってぬるくなった石畳の床。胡座をかく細身の男を椅子代わりに座らされたキオンの体位は、みだりに男を誘う娼婦のような有り様となっていた。
男に背中を預け、細く白い両脚は左右に大きく割り開いている。突き出した胸の粒には、それぞれを唇で覆い、吸いつく男が二人。丸見えの後孔に、正面からペニスを突き立てて腰を振る男が一人。
「ぁぁぁあ……っ」
ぢゅる、ぢゅ、ぢゅう。勢いよく胸を吸われ、今までに感じたことのない快感がビリビリと走る。射精や放尿の時のように体液が皮膚の下を駆け上がり、放出される感覚。
それは鉱岩蜂の雄の毒の影響によって過剰に分泌されている母乳だった。本来ならば子を産んだ母親が栄養を与えるために生み出すそれが、とうに成人して子をこさえる適齢期に入っている男たちの口の中へと吸飲されていく。
その光景が異様で恥ずかしくもあるのに、気持ちいい。濡れた髪を力の入らない両手で撫でながら、キオンはもっと、と小さくささやく。
「僕の、ミルク、……ぁ、もっと、もっと……飲んで、ください……」
そうすると、ぢゅるるるっとさらに激しく吸われるのだ。時折急かすようにこりこりと噛まれ、舌先で転がされるのがまた堪らない。背がのけぞり、自ら胸を押しつける形になってしまう。
「ふっ、そろそろ、出すぞ……!」
キオンの膝を掴み、ドチュッドチュッと股間を前後に動かしていた男がペニスをより一層膨張させた。すでに十数回もの射精で満たされているそこに新たな白濁が注がれる気配を感じて、キオンは目を潤ませる。
「は、はい……っ、僕の、おなかのなかに、びゅーって、ぁうっ、おねがい、しますっ」
「よし、いくぞ。受け取れ、ボウズ!」
様々な男たちの子種がたっぷりと泳ぐ体液が潤滑油となり、体積を増してもなめらかにすべるペニス。その先端が最奥と濃厚なキスをし、ビクンと跳ねた。
じわり、と新たな熱が下腹部の肌の下に広がっていく。液体で中を叩かれるような感覚があったのは、最初の一、二回までだ。碌にかき出されないまま詰めこまれている先駆者の精液がクッションとなっているのか、波を立てずに継ぎ足される心地しかなかった。
数度腰を揺らめかせながら精液を吐き出し、ペニスが引き抜かれていく。ぬるんと顔を出した性器は白濁にまみれ、陰毛ごと白く汚れきっていた。
「ぁぁ……、種づけ、ありがとう、ございました……」
己の中から失せた肉棒の喪失感にヒクヒクと孔をひくつかせながら、虚ろになりがちな目を男に向ける。おう、と返し、涙と涎でぐちゃぐちゃの蕩けた表情を浮かべたキオンの頬を撫でたのは、先ほどキオンを起こしてくれた男だ。
「ふぅー……。がんばれよ、ボウズ。もう少しで毒も抜けきるはずだからな」
「ひゃい……」
こうして気遣われると、嬉しさが胸の内を過ぎる。そして、同時に胸を吸われ、次々と男を銜えこまされているこの状況が、鉱岩蜂の雄の毒を抜くためであると思い出した。
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