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姫様に降りかかる諸々の解決策
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案の定、僕の『天恵』は、その日の内に先王の耳に届いていた様で、家に帰ったら、両祖父母と先王・先王妃様とが酒盛りをしていた…何故?
「ほら、お父様があたしに掛けた『呪い』を解けるんじゃないかって」
ヒナギク様、いらしていたんですね?
「この家か、二人っきりの時は『ヒナ』って呼びなさいって、言ってるでしょ⁈」
いや、さすがに、王族の方々と同じ様に呼ぶのは…それと僕の髪を触らないで下さい。
「あたしが許可しているんだから呼びなさい‼」
いつものお淑やかが、剝れてますよ?あと、僕の髪をおさげの三つ編みにしようとしない。
「…息抜きさせてよぉ…それと美少女成分くれ…」
美少女成分なら幾らでも差し上げたいんですが、抽出方法が分かりません…で、『天恵』授与のパーティは、どうされたんですか?腹いせに、伸ばした僕の後ろ髪、引っ張らない。
「お爺様とお婆様が用意してくれた身代わりに任せてる」
…と言う事は、お二人も?
「…まぁ、あの二人のは長年仕えているから、見破られないとは思うけど…」
一番にヒナ様を身代わりと見破りそうなのは王様でしょうか?
「ん?賭ける?」
賭けるモノがありません。ビンボー人から毟らないで下さい。
「ちなみに、お母様は知ってるけどね」
では、パーティは滞りなく進むでしょう。
「お?『聖女』様がお帰りになったぞ‼」
「こっちに来て酌しろ‼」
先王様とドワーフ爺が呼んでいる。
「行かないと、長引くよ?」
はいはい‼お酌に伺います‼あ、先王様‼そっちは爺用の強いヤツ‼
…こうして、夜は更けて行った…ちなみに、お迎えに来たのは王妃様だった…
『天恵』があったからと言って、それに従って生きる必要はない。ただ、そう言った才能があると言うだけで、別にそうなる必要はない。この世界でも、努力次第で何とでもなる‼もちろん、何の努力もしなければ『天恵』の通りの人生など送れない。まぁ、『天恵』に逆らって生きるには、相応の努力が必要と言う事だろう…でも、転落し易い者には、そう言った『天恵』が与えられるんだろうな…
鍛冶場での僕の役割は、主に、修繕だ。これはお爺ちゃんが決めた事。
「お前の打つモノは魂が薄いな」
一度、見様見真似でナイフを一本、鍛造したのだが、お爺ちゃんに見透かされた。理由は分かっている。元々の魂が欠損しているからだ。まさか、こんな所で影響が出るとは思っていなかった。鍛冶師の腕の見せ所は作品を作る事。それも後世に名を遺す逸品を‼でも、現状僕には無理そうだ。形だけの作品は作れるけど、それだけ。製造速度を上げたとしても、機械の大量生産と同じ…いや、錬金術で薬を作るのも悪いとは思っていない。何しろ、僕には豊富な魔力がある‼これはエルフのお婆ちゃんの魔力ではなくて、竜人族のお婆ちゃんの魔力の影響。って言うか、竜人族って言ってるけど、ホントはドラゴンそのもの。竜人族と偽っているのだそうだ。何でそんな事をしているのか?と言うと、面倒臭いからだそうだ。だって、ドラゴンだと知られると、「討取って、名を上げる‼」とか、「全身高級素材じゃぁ‼」みたいな人達が押し寄せるから。それに古の盟約とかで無闇に人を殺めてはいけないと誓約させられたらしい…でも、ヒト族はお構いなしみたいだ。理由は単純、「え?そんな誓約あったの?」…すでに御伽噺ですら聞かない誓約らしい。
そんなドラゴン婆ちゃんとドワーフ爺ちゃんの出会いは、ドラゴンの素材採取…いや、剥がれ落ちた鱗とか折れた爪や角とか、血を少々とか…その程度をちまちま定期的に訪れては持って行くんで聞いてみた。
「お前は我の全てを欲しいとは思わぬのか?」
「いえ。キョーミがありません」
その日、婆ちゃんは討伐に訪れた軍隊をブレス一発で、一掃したそうだ。
「ああ、無事でしたか」
一か月後、鱗を集めていた爺ちゃんと遭遇。
「え?キョーミないってどういう意味?」
「美しいとは思いますが、おいらには不釣り合いです」
この時、ドラゴン婆ちゃんは思い出した‼
「あ、いや‼そう言う意味じゃない‼素材として欲しいか?と言う意味で…‼」
「素材でしたら、こうして抜け落ちた分だけで充分です。それにあなたが生きていられるのでしたら、おいらはこうして最高の素材を手に入れられます」
「いちいち持ち帰るの面倒だろ?我が一緒に居れば、即拾い放題だぞ‼お前の家に行ってやるから一緒に棲もう‼ってか、結婚してくれ‼」
…かくして、ドラゴン婆ちゃんとドワーフ爺ちゃんは一緒になったそうです。
「この間、ドラゴン婆ちゃんから聞いた話と違うんだけど…?」
ドラゴン婆ちゃんの話は、討伐軍にやられるのが心配だから一緒に居てくれ…でしたね?ヒナギク様?
「どっちがホントだと思う?」
どうでしょう…お互い、照れて、肝心な部分を創作したのかも知れませんね。ただ、エルフ婆ちゃん達が行った時は、ドラゴン婆ちゃん、ドワーフサイズだったそうです。
「え~?じゃあ、ドラゴン婆ちゃんの方からプロポーズしたの~?」
本人は激しく否定すると思われますので、突っ込まないでください。それと、何故、ヒナギク様と二人で王宮に向かう馬車に乗っているのでしょう?しかも、拉致同然に、強引に乗せられたんですが?あの手際の良さは特殊部隊ですか?
「用があるのはお母様…まぁ、この場合、王妃様になるのかな?あたしはセージが暴れたりしない様にするためのお守りかな?」
え~?この王都でも屈指の人畜無害な男が暴れるとでも?
「その華奢な身体で、成人ドワーフ並みの膂力があることくらい調査済み‼」
…身長もドワーフ譲りなんだけどなぁ…
「その代わり、その体形と美貌はエルフお婆ちゃん譲りなんだよねぇ」
…ご近所からは『ちっちゃいエルフ』と呼ばれてます…
「ははは‼いい感じにイヂられてる‼」
…で、王妃様絡みって事は、厄介事ですか?
「何も聞いてないから分かんない。ただ、あの様子だと、聞いても答えないかな?」
…心当たりがあるとすれば『聖女』関係ですね…
「変な『天恵』貰ったよね?神様に何かした?」
むしろ、何かされたと言った方が…
「え?された?」
ああ、これはこの場で話す事ではないので、忘れて下さい。
「…いずれ、話してくれる?」
時間と場所と運次第ですね。
「そっか」
…そうなんだ…彼女とは何時でも何処でも都合良く会える関係じゃないから…
馬車は一端、王宮の裏口に付けられ、その後、正面に回る。王女様ことヒナギク様は正式な外出なので、正門での出入りチェックを受けなければならない。対する僕はどうやら極秘で会いたいらしく、業者向けの裏口からの入場となる。ただし、この場合は制限があり、一時間を超える滞在は許可されていない。
「セージ君ね?こっちよ」
出迎えてくれたのは、一人のメイドさん。確か、王妃様のお側付きだったかな?
…特に会話もなく、王宮内をグルグルと歩き回される…方向感覚を狂わせて、どの部屋で話をするのか?を知らせない為だけど…
「あ」
…どうやら、それが仇となった様だ…ヒナギク様と曲がり角でばったり‼
「…白麟の間でしょ?」
もう少し歩かせる予定だったらしいが、ヒナギク様の指差す先がゴールだったらしい。
「待ち構えていましたか?」
「まさか」
二人が同じドアの元に向かう。ただ、僕も『まさか』と思う。ヒナギク様のわざとらしさが見え透いている。
「失礼します」
ドアを二回ノックして、そのまま開ける。返事を聞かずに開けると言う事は、火急的な要件と言う事だろうか?
「この間振りね?セージ君」
そこは、丸テーブルが正方形状に配された空間で、三脚から四脚の椅子が一つのテーブルを囲んでいた…いわゆるサロンとして使っている場所だろう。
その部屋に入ってすぐの奥の丸テーブルに配された椅子に王妃様が座っていた。
…ヒナギク様が大人になったらこんな感じになるんだろうなぁ…と思わせる美人さんで、銀糸をあしらったドレスに、色白の肌と赤いルージュが映えるメイクは、まさに王妃様‼と納得させられる美しさがある‼…何か、隣のヒナギク様が不満そうな顔を…
「…あ‼ほ、本日はお招きに預かり…」
忘れていた礼をしようと、身を屈めると、
「構いません。こちらに」
相変わらず、やんわりとした口調で招かれる…ヒナギク様も一緒か…
椅子に座ると、王妃様の言葉を待つ…こちらから話しかけるのは失礼だから。
「お茶を。わたくしにはいつもの。こちらには二番のブレンドを」
案内してくれたメイドさんに王妃様が指示を出す。
「あ、あたしもブレンドの二番‼」
ヒナギク様も注文するが、ちょっと、はしたないですよ‼
「この子はあなたの前だとはしゃぐのよねぇ」
王妃様が母親の目をする。その視線にヒナギク様が照れている…これって、いつもの光景なんだろうな…何か、普通の親子している感じだ…
「それより王妃殿下。どの様な理由で暗部を動かしたのですか?」
あ、要件、聞いちゃうんだ。
「落ち着いてお話ししようと思って、お茶を用意させたんだけど?」
「あんな拉致紛いの方法で連れられて‼周りの人が見たら…」
「その辺は大丈夫よ‼訓練と言う事で触れ回っているから」
「ご家族だって心配されています‼あの家族が暴れたらどうするのですか?」
「そっちも根回し済み‼後は二人の問題」
二人って…僕と、ヒナギク様…いや、王女殿下?
「この際、立場はどうでも良いの。わたくしは孫が見たいの。それも可及的速やかに」
え…と、ご存じと思いますが…最低でも十か月は必要かと…それに、お相手の事もございますし…何より、姫殿下の『呪い』の件も…
「あら?その全てを解決できるお相手がいるじゃない」
…まさか…?
「セージ君。あなたよ」
「ほら、お父様があたしに掛けた『呪い』を解けるんじゃないかって」
ヒナギク様、いらしていたんですね?
「この家か、二人っきりの時は『ヒナ』って呼びなさいって、言ってるでしょ⁈」
いや、さすがに、王族の方々と同じ様に呼ぶのは…それと僕の髪を触らないで下さい。
「あたしが許可しているんだから呼びなさい‼」
いつものお淑やかが、剝れてますよ?あと、僕の髪をおさげの三つ編みにしようとしない。
「…息抜きさせてよぉ…それと美少女成分くれ…」
美少女成分なら幾らでも差し上げたいんですが、抽出方法が分かりません…で、『天恵』授与のパーティは、どうされたんですか?腹いせに、伸ばした僕の後ろ髪、引っ張らない。
「お爺様とお婆様が用意してくれた身代わりに任せてる」
…と言う事は、お二人も?
「…まぁ、あの二人のは長年仕えているから、見破られないとは思うけど…」
一番にヒナ様を身代わりと見破りそうなのは王様でしょうか?
「ん?賭ける?」
賭けるモノがありません。ビンボー人から毟らないで下さい。
「ちなみに、お母様は知ってるけどね」
では、パーティは滞りなく進むでしょう。
「お?『聖女』様がお帰りになったぞ‼」
「こっちに来て酌しろ‼」
先王様とドワーフ爺が呼んでいる。
「行かないと、長引くよ?」
はいはい‼お酌に伺います‼あ、先王様‼そっちは爺用の強いヤツ‼
…こうして、夜は更けて行った…ちなみに、お迎えに来たのは王妃様だった…
『天恵』があったからと言って、それに従って生きる必要はない。ただ、そう言った才能があると言うだけで、別にそうなる必要はない。この世界でも、努力次第で何とでもなる‼もちろん、何の努力もしなければ『天恵』の通りの人生など送れない。まぁ、『天恵』に逆らって生きるには、相応の努力が必要と言う事だろう…でも、転落し易い者には、そう言った『天恵』が与えられるんだろうな…
鍛冶場での僕の役割は、主に、修繕だ。これはお爺ちゃんが決めた事。
「お前の打つモノは魂が薄いな」
一度、見様見真似でナイフを一本、鍛造したのだが、お爺ちゃんに見透かされた。理由は分かっている。元々の魂が欠損しているからだ。まさか、こんな所で影響が出るとは思っていなかった。鍛冶師の腕の見せ所は作品を作る事。それも後世に名を遺す逸品を‼でも、現状僕には無理そうだ。形だけの作品は作れるけど、それだけ。製造速度を上げたとしても、機械の大量生産と同じ…いや、錬金術で薬を作るのも悪いとは思っていない。何しろ、僕には豊富な魔力がある‼これはエルフのお婆ちゃんの魔力ではなくて、竜人族のお婆ちゃんの魔力の影響。って言うか、竜人族って言ってるけど、ホントはドラゴンそのもの。竜人族と偽っているのだそうだ。何でそんな事をしているのか?と言うと、面倒臭いからだそうだ。だって、ドラゴンだと知られると、「討取って、名を上げる‼」とか、「全身高級素材じゃぁ‼」みたいな人達が押し寄せるから。それに古の盟約とかで無闇に人を殺めてはいけないと誓約させられたらしい…でも、ヒト族はお構いなしみたいだ。理由は単純、「え?そんな誓約あったの?」…すでに御伽噺ですら聞かない誓約らしい。
そんなドラゴン婆ちゃんとドワーフ爺ちゃんの出会いは、ドラゴンの素材採取…いや、剥がれ落ちた鱗とか折れた爪や角とか、血を少々とか…その程度をちまちま定期的に訪れては持って行くんで聞いてみた。
「お前は我の全てを欲しいとは思わぬのか?」
「いえ。キョーミがありません」
その日、婆ちゃんは討伐に訪れた軍隊をブレス一発で、一掃したそうだ。
「ああ、無事でしたか」
一か月後、鱗を集めていた爺ちゃんと遭遇。
「え?キョーミないってどういう意味?」
「美しいとは思いますが、おいらには不釣り合いです」
この時、ドラゴン婆ちゃんは思い出した‼
「あ、いや‼そう言う意味じゃない‼素材として欲しいか?と言う意味で…‼」
「素材でしたら、こうして抜け落ちた分だけで充分です。それにあなたが生きていられるのでしたら、おいらはこうして最高の素材を手に入れられます」
「いちいち持ち帰るの面倒だろ?我が一緒に居れば、即拾い放題だぞ‼お前の家に行ってやるから一緒に棲もう‼ってか、結婚してくれ‼」
…かくして、ドラゴン婆ちゃんとドワーフ爺ちゃんは一緒になったそうです。
「この間、ドラゴン婆ちゃんから聞いた話と違うんだけど…?」
ドラゴン婆ちゃんの話は、討伐軍にやられるのが心配だから一緒に居てくれ…でしたね?ヒナギク様?
「どっちがホントだと思う?」
どうでしょう…お互い、照れて、肝心な部分を創作したのかも知れませんね。ただ、エルフ婆ちゃん達が行った時は、ドラゴン婆ちゃん、ドワーフサイズだったそうです。
「え~?じゃあ、ドラゴン婆ちゃんの方からプロポーズしたの~?」
本人は激しく否定すると思われますので、突っ込まないでください。それと、何故、ヒナギク様と二人で王宮に向かう馬車に乗っているのでしょう?しかも、拉致同然に、強引に乗せられたんですが?あの手際の良さは特殊部隊ですか?
「用があるのはお母様…まぁ、この場合、王妃様になるのかな?あたしはセージが暴れたりしない様にするためのお守りかな?」
え~?この王都でも屈指の人畜無害な男が暴れるとでも?
「その華奢な身体で、成人ドワーフ並みの膂力があることくらい調査済み‼」
…身長もドワーフ譲りなんだけどなぁ…
「その代わり、その体形と美貌はエルフお婆ちゃん譲りなんだよねぇ」
…ご近所からは『ちっちゃいエルフ』と呼ばれてます…
「ははは‼いい感じにイヂられてる‼」
…で、王妃様絡みって事は、厄介事ですか?
「何も聞いてないから分かんない。ただ、あの様子だと、聞いても答えないかな?」
…心当たりがあるとすれば『聖女』関係ですね…
「変な『天恵』貰ったよね?神様に何かした?」
むしろ、何かされたと言った方が…
「え?された?」
ああ、これはこの場で話す事ではないので、忘れて下さい。
「…いずれ、話してくれる?」
時間と場所と運次第ですね。
「そっか」
…そうなんだ…彼女とは何時でも何処でも都合良く会える関係じゃないから…
馬車は一端、王宮の裏口に付けられ、その後、正面に回る。王女様ことヒナギク様は正式な外出なので、正門での出入りチェックを受けなければならない。対する僕はどうやら極秘で会いたいらしく、業者向けの裏口からの入場となる。ただし、この場合は制限があり、一時間を超える滞在は許可されていない。
「セージ君ね?こっちよ」
出迎えてくれたのは、一人のメイドさん。確か、王妃様のお側付きだったかな?
…特に会話もなく、王宮内をグルグルと歩き回される…方向感覚を狂わせて、どの部屋で話をするのか?を知らせない為だけど…
「あ」
…どうやら、それが仇となった様だ…ヒナギク様と曲がり角でばったり‼
「…白麟の間でしょ?」
もう少し歩かせる予定だったらしいが、ヒナギク様の指差す先がゴールだったらしい。
「待ち構えていましたか?」
「まさか」
二人が同じドアの元に向かう。ただ、僕も『まさか』と思う。ヒナギク様のわざとらしさが見え透いている。
「失礼します」
ドアを二回ノックして、そのまま開ける。返事を聞かずに開けると言う事は、火急的な要件と言う事だろうか?
「この間振りね?セージ君」
そこは、丸テーブルが正方形状に配された空間で、三脚から四脚の椅子が一つのテーブルを囲んでいた…いわゆるサロンとして使っている場所だろう。
その部屋に入ってすぐの奥の丸テーブルに配された椅子に王妃様が座っていた。
…ヒナギク様が大人になったらこんな感じになるんだろうなぁ…と思わせる美人さんで、銀糸をあしらったドレスに、色白の肌と赤いルージュが映えるメイクは、まさに王妃様‼と納得させられる美しさがある‼…何か、隣のヒナギク様が不満そうな顔を…
「…あ‼ほ、本日はお招きに預かり…」
忘れていた礼をしようと、身を屈めると、
「構いません。こちらに」
相変わらず、やんわりとした口調で招かれる…ヒナギク様も一緒か…
椅子に座ると、王妃様の言葉を待つ…こちらから話しかけるのは失礼だから。
「お茶を。わたくしにはいつもの。こちらには二番のブレンドを」
案内してくれたメイドさんに王妃様が指示を出す。
「あ、あたしもブレンドの二番‼」
ヒナギク様も注文するが、ちょっと、はしたないですよ‼
「この子はあなたの前だとはしゃぐのよねぇ」
王妃様が母親の目をする。その視線にヒナギク様が照れている…これって、いつもの光景なんだろうな…何か、普通の親子している感じだ…
「それより王妃殿下。どの様な理由で暗部を動かしたのですか?」
あ、要件、聞いちゃうんだ。
「落ち着いてお話ししようと思って、お茶を用意させたんだけど?」
「あんな拉致紛いの方法で連れられて‼周りの人が見たら…」
「その辺は大丈夫よ‼訓練と言う事で触れ回っているから」
「ご家族だって心配されています‼あの家族が暴れたらどうするのですか?」
「そっちも根回し済み‼後は二人の問題」
二人って…僕と、ヒナギク様…いや、王女殿下?
「この際、立場はどうでも良いの。わたくしは孫が見たいの。それも可及的速やかに」
え…と、ご存じと思いますが…最低でも十か月は必要かと…それに、お相手の事もございますし…何より、姫殿下の『呪い』の件も…
「あら?その全てを解決できるお相手がいるじゃない」
…まさか…?
「セージ君。あなたよ」
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