セーラーキャプチャー

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『マネージャー』のヒマな日常

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 本日は特にやる事がない。と言うか、あたし『マネージ―』が絡む様な案件が特にないのだ。スケジュール管理もばっちりだし、貴族としての面会も昨日纏めてやってしまった様なカンジ…当番も特にないし、訓練の日取りでもない…ヒマだ…飛び込みでダンジョンにでも入って、何か狩って来るか?…いや、今日は、『会計』さんが税務関係で役所に行っているし、『プレジデント』さんも街の議会に出ている…自動的にあたしが留守番…って言うか、そうなる様に調整したんだな…拠点内でも見回ろう…

 まずは、入口付近。
「『マネージャー』さん、おはようございます。お出掛けですか?」
 箒で周辺を掃いているのは『ロボット』さん。白いシャツにピンクのカーディガンかな?それに黒系のスカートを履いて、クリーム色のエプロンを身に着けている…え~と…何か胸元に描かれている…鳥…?そして、いつの間にか置かれている犬小屋の中には、白い大型犬…?…その表札には…
 誰だぁ‼『ロボット』さんに『音無〇子』さんのコスプレさせたのはぁ‼そして、犬小屋の『作家』‼「ばう?」とか言うなぁ‼『〇一郎』さん感を出すなぁ‼
「…良く分かったな…何故、気付いた…?」
 ゆらりと、立ち上がる…あ、身体が犬小屋から出られないな…仕方なく、犬小屋ごと立ち上がる『作家』が不敵な笑みを見せる。
 …いや、『〇子さん』のエプロン『PIYOPIYO』だったから…って、何を言わせる?
「往年のアニメマニアなのは、アイドル時代と変わらんな」
 唯一の息抜きだったんだよ。ってか、マニアって程でもねぇよ。そして、犬小屋と『〇一郎』さんの皮を脱げ。ご近所に見られたら、どうするんだ?
「近所のお姉様方には好評でしたよ?」
 どっちがですか?『ロボット』さん。
「あ、そうでした。忘れていました」
 何を?
「れれれのれ~」
 …これで良いのか…?

 次は『受付』さんの部屋に行く。そろそろ冒険者ギルドに向かう時間だ。
 あ、ちゃんと用意していますね?
「そりゃあ、身嗜みはキチンとしないと‼」
 なんか今日は気合入ってますね?
「実力派の若手冒険者パーティがこの街に来るのよぉ‼」
 なるほど。そこにいるであろうイケメンさんをゲットしようと?
「若手有望株を青田買いして、あたし色に染め上げるんだよぉ‼」
 頑張って下さい。出来ればつがいが見付かる事を祈っています。
「ありがとう‼行ってくるわ‼」
 …そう言って、『受付』さんは部屋を後にした…あ、これ、あたしが叙爵式で使った化粧品だ…無断で持ち出すとは…まぁ良いか…
 『受付』さんの部屋から出ると、マッピング調査を担当する一団と遭遇。
 これから向かうのかな?
「向こうで調査しているメンバーと交代です。そう言えば、最近『開拓旅団』の形跡が見当たらないんですよね」
 そう?…良い事なのか、悪い事なのか…?まぁ、引き続き、よろしく。
 数人とノリでハイタッチして別れる。
 そのまま拠点を奥に進むと、試作用のキッチンがある。ここで作って、好評なメニューが街の食堂にレシピとして流される。
「…背徳感満載なメニューを完成させてしまった…」
「…誰が試食するんですか?こんなモノ…?」
 『調理師』コンビが完成した脂のテカリが激しい料理を前に固唾を飲んでいる。
「いつかは挑まなければならない壁なんだよ。それが今になっただけだ」
 『栄養士』さんが許可するなんて、珍しいな。
「あの食堂、ぶっ飛んでるからなぁ」
「まさか、ウチにメニュー開発を依頼するとは」
 あ、最近、評判のあの食堂か。何でも天才少年料理人が料理対決とかして連戦連勝とか、あの店で食事した老人が「うまいぞ~‼」って絶叫して、店を大破させたとか…三人は確か、『味〇食堂』とか言ってたかな?まさか、三人が裏でメニュー開発していたとは…
試食させられる前に去ろう…

 次にある扉は『死蔵用倉庫』。様々な理由で表に出せない兵装やアイテム類が収められている『鍛冶師』トリオの自重を忘れたオモチャ箱だ。ここに入っているのはこっちの世界の技術で作ってなお、性能がぶっ飛びな代物で、向こうの世界の技術との合作的なアイテム類は各自の『無限収納』に入れておくように指示している。なので、たまに見回って、こっちの世界の純正技術の作品か?向こうの世界の技術が混じっている作品か?をチェックしなければならない。ただし、こっちに置かれる物品の大半が、どう言う訳か猥褻わいせつ系の装備が殆どで、某国民的ロールプレイングゲームの三作目から登場する『あぶない〇ずぎ』みたいな装備を『まほうの〇ずぎ』だ‼と言い張る辺りは変な方向に感化されている可能性がある…あの師匠的なドワーフさん達の影響か?それだったら、パワードスーツ的な全身甲冑にドワーフさん達は驚愕していたな…三人は『ランド〇イド』とか言ってたけど、それって『アップ〇シード』に出て来る主人公が乗っているパワードスーツ的な機体だよな?甲冑の名前も『ギュ〇ス』とか付けてたし…そう言えば、あの時、必死に『ギュ〇ス』はギリシャ神話に登場する多腕の巨人ヘカトンケイルの名前と言っていたけど、だったら、『ブレ〇リオス』で良いんじゃないのか?何で次男の『ギュ〇ス』なんだよ‼三男の『コッ〇ス』が可哀想だろ⁈と言えなかった自分が悔しい…現状、その『ギュ〇ス』も死蔵倉庫に収納されている…ん~…見たカンジ、変なモノはないかな…?あ、日本刀っぽいのがある。ちゃんと鞘に納めてあるのは偉いけど、どう言う経緯で死蔵倉庫に?
「あ、『マネージャー』さん。それ触ったら危ないですよ?」
 『鍛冶師』ちゃん。この日本刀って何か特殊効果があるの?
「妖刀の研究をしていた時に、偶然、打ち上がったモノで、銘を『裸丸』」
 …まさか…
「人の着ている衣服のみを切り裂きます」
 …あたし達のセーラー服も切れたの…?
「そこは無理でした。だから、ここに死蔵されているのです」
 え?じゃあ、何で服だけを切ったって分かったの?
「…ドワーフさん達が…」
 ああ。そういう事…
 その後、『鍛冶師』ちゃんに最近作った物の説明を受けて、その場を退散。『鍛冶師』ちゃんの仕事を邪魔しちゃいかんからね…ちなみに『裸丸』は鋳潰す様に指示した。

 外では剣術の訓練が行われている。
 覗いてみると、『剣士』コンビと『聖騎士』・『騎士』コンビの混合練習試合が行われていた。審判は『侍』さん。『剣士』J2ちゃんと『聖騎士』さんコンビ対『剣士』H2さんと『騎士』さんコンビの対決‼『聖騎士』さんがいる方が有利ではないか?と思われるが、案外、そうでもない。『聖騎士』さんも『騎士』さんも守りに長けた戦法を取っているが、実は『聖騎士』さんの方が攻撃性が弱い傾向にある。この『剣士』・『騎士』・『聖騎士』の四人は向こうの世界ではスポーツチャンバラの年代別全国制覇を一度は経験した精鋭で審判を務めている『侍』さんも剣道で、それなりの成績を残した実力者らしい。
「過去の成績なんか、こっちの世界では役に立たないから」
 多分、剣道の全国大会とかで、連覇しているんだろうな。
 スポーツチャンバラ的な柔らかい素材を武器に出来れば良いのだが、ここでは木剣で我慢してもらう。『聖騎士』・『騎士』さんは片手剣と盾を持ったソードマン。『剣士』H2さんは普段、取り回している長剣サイズの木剣、『剣士』J2ちゃんはなんと二刀流‼一本は片手剣サイズで、もう一本はサイズ的に片手剣の半分程。このスタイルで全国制覇をしたらしい。ただ、全国制覇した時、三人は大会に参加していなかったらしく、ここで対戦できる事に心躍っているとの事。
「全力で来い‼」
 盾を叩いて、『騎士』さんが挑発。
「胸を借ります‼」
 それに乗る訳ではないが、『剣士』J2ちゃんが切り込む。
「向こうの世界じゃ、対戦成績どうだったっけ?」
 片や、『剣士』H2さんは『聖騎士』さんと対峙。
「…練習試合も合わせると…あれ?どっちが上だった?」
「あたしも覚えてないから、確認したかったんだけど…」
 お互いに歩み寄り、軽く剣を合わせる。
 途端、激しい剣戟の応酬。木剣の打ち合う音と、盾に当たる音が一気に響き合う。
 対して、『騎士』さんと『剣士』J2ちゃんの方も剣戟の応酬だが、明らかに『騎士』さんの方が一枚上手な振る舞い。あれは完全に遊ばれているな…
 そんな状況を眺めて、あたしは『侍』さんに手を振ると、『侍』さんがウィンクで返す。
 適当な所で、止める様にとの意味。修練場から、あたしは立ち去る。

 拠点内部に戻り二階へ向かうと、『鍛冶師』の二人が『サー〇イン』をばらしている。整備の為らしい。実は、この『サー〇イン』、何度か出撃しているのだ。
 目的は大型魔獣の誘導。特に、ドラゴン系を街から引き離す為に使われていた。操縦者は『会計』さん。聞いてみたら、車と自動二輪の免許を持っているらしい。いや、あの『サー〇イン』ほぼほぼ空を飛んでいるイメージしかないけど、地上を走る乗り物に共通点なんてあった?ちなみに車の免許は『プレジデント』さんと『魔法少女』さんも持っているらしい…H3の皆さんだから、持っていてもおかしくないけど…意外だ…
 『サー〇イン』の状態を聞いてみると、どうやら一当てあったらしく、左肘の関節に若干の摩耗があったらしい。すぐに影響の出る損害ではないし、この位なら、むしろ、ピーキーな状態よりは、慣らせたカンジで使い易いだろうとの事。その辺は『会計』さんに報告をしておいてください。意外にピーキー好きかも知れないので。
 それと表に放置している『ダグ〇ム』取り込まないんですか?いや、アレはアレで景色として成り立ってますけど…『ガンナー』ちゃんのクセが付いて動かし難いと…

「あ‼『マネージャー』緊急事態‼」
 一階に戻る階段の途中で声を掛けられる。え?何事?
「『マッパー』さんが裸で外に出ようとしてます‼現在、完全脱衣状態です‼」
 またぁ?懲りないヒトだね?
「別の階段から降りて来て…あ‼こっち来たぁ‼」
 絶対、外に出すなぁ‼ウチら、痴女集団とか思われるぞ‼
「ふはははは‼今日こそ『物語の王ストーリー・キング』となるの…」
「その姿でのお出掛けは認められません」
 『ロボット』さんの持つ帚の一撃に『マッパー』さんの外出は阻まれた。
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