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31話・君のままで
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はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……
……はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……
二人で息を荒くしたまま抱き合う。グレンは脱力しながらも、体重をかけないように気をつけながら、アシュリーをしっかりと抱きしめてくれる。
「好きだよ……愛してる」
「あたしも……」
「……急がないから、本当に考えて欲しい。結婚のこと」
「……あたし……」
「ん?」
グレンがアシュリーの上から降りて、背中側からそっと抱きしめた。
「何?アシュリー、言って」
「うん……。あたしね、最初はちょっとだけ魔法で人間になって、またすぐフェアリーに戻るつもりだったの。でも失敗しちゃって戻れなくなって」
「うん」
「もとに戻る方法を探すつもりだったけど、でも今はこのまま人としてここにいたいと思ってる……だって、人ってすごく気持ちよくて……」
「……うん」
「けど、あたし……結婚とかよくわからない。人として生きたいけど、人のルールがむずかしくてわからないの。誰とでも触れ合ったらだめ、とかわかんない……」
そう言いながら、自分の勝手さもわかっていて、涙が出てくる。スンと鼻を鳴らすとグレンはアシュリーを自分の方に振り返らせてしっかりと抱き込んだ。
「どうして、人のルールで生きなきゃいけないんだ?」
「……え?」
「アシュリーの体は人間になっていても、本質はフェアリーだろ? 人の体を持ったフェアリーだろ? アシュリーは君のままで君らしく生きていればいい。他の何かになる必要はないじゃないか」
「そんな……あたし……あたし、フェアリーとしてここにいていいの?」
「いいよ?」
「……」
人間として人間のルールで生きなくてはと悩んでいたのに、こんなにあっさりと自分のままであることを肯定されてアシュリーは拍子抜けしてしまう。
そんなぁ、と情けない声を出すと、グレンはハハハッと笑う。
「でもみんなは……」
「だから、俺と結婚すればいい。夫が許しているならみんな何も言わないさ。俺のことならなんとでも言われても平気さ」
そんな風に言われるとアシュリーの心もだんだん傾いてくる。
「俺はアシュリーと結婚したい。アシュリーの家族になりたいし、一番になりたい。でも他に恋人を作るなと言う気はないよ。誰にも負けないよう努力するから」
「グレン……」
「子どもができたら俺の子じゃなくても父親になって可愛がるから安心して」
「!!」
「君のままで愛しているよ。フェアリーのアシュリー」
そういってグレンは優しくアシュリーに口づけた。
次の日の朝、そのままグレンのベッドでしっかりと抱きかかえられたまま目が覚めた。
「おはよう」
先に目が覚めていたらしいグレンにチュッと口づけられると、アシュリーはまた真っ赤になってしまう。
ドドドドド……
一気に鼓動が激しく鳴る。
(ああ~!心臓に悪いよ!止まっちゃう!!人間の体は危険すぎる!!)
「ああ……可愛いな」
そんなアシュリーの胸中を知りもせず、グレンは顔中にチュッチュッとキスを落とし、息の根を止めにきているとしか思えない。
「ダ、ダメ……」
「ん?どうして?」
グレンは不思議そうな顔をしながら、その手はアシュリーの体をまさぐっている。
「あん……」
「今日の午後には出発して、王都に戻らないといけないんだ」
「えっ……」
「だからそれまでアシュリーを堪能したい」
「……! ぁあんっ」
そのまま昼食の時間近くまで、ベッドの中で何度も達するまで可愛がられ、いじめられたアシュリーは、グレンへの落ち着いていて優しいお兄さんという認識を改めることになった。
何度目かの絶頂を味わされた後、ようやく落ち着いたグレンにしっかり胸の中に抱えこまれながら、アシュリーはこれまでのことを話すことができた。
「君が従姉妹だって設定も魔法なのか?」
「うん……でもいつ解けてもおかしくないと思うの……」
「だったら正直に正体を話してしまったほうがいい。両親たちも、エルナンが小さな頃からフェアリーと遊んでいた話をずっと聞いていたんだ。まあ、半分しか信じていないかもしれないがな。でも、理解してくれると思う」
「そう、かな……」
「このイーダの街はフェアリーの伝承の多いところだ。都会の人々と違ってフェアリーを信じている人も多いんだぞ」
「でも……フェアリーと結婚なんて許してもらえるの?」
「ん?両親はなんだかんだ俺に甘いんだ。信頼もしてもらえてるつもりだ。大丈夫さ。それより……」
グレンはイタズラな瞳でアシュリーの目を覗きこんで言う。
「前向きに検討してもらえてるみたいで嬉しいよ」
危うくアシュリーは昼食返上でもう一度喘がされそうになったが、なんとか押しとどめると湯浴みをしてからグレンと一緒に遅めの食事を取ることができた。
……はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……
二人で息を荒くしたまま抱き合う。グレンは脱力しながらも、体重をかけないように気をつけながら、アシュリーをしっかりと抱きしめてくれる。
「好きだよ……愛してる」
「あたしも……」
「……急がないから、本当に考えて欲しい。結婚のこと」
「……あたし……」
「ん?」
グレンがアシュリーの上から降りて、背中側からそっと抱きしめた。
「何?アシュリー、言って」
「うん……。あたしね、最初はちょっとだけ魔法で人間になって、またすぐフェアリーに戻るつもりだったの。でも失敗しちゃって戻れなくなって」
「うん」
「もとに戻る方法を探すつもりだったけど、でも今はこのまま人としてここにいたいと思ってる……だって、人ってすごく気持ちよくて……」
「……うん」
「けど、あたし……結婚とかよくわからない。人として生きたいけど、人のルールがむずかしくてわからないの。誰とでも触れ合ったらだめ、とかわかんない……」
そう言いながら、自分の勝手さもわかっていて、涙が出てくる。スンと鼻を鳴らすとグレンはアシュリーを自分の方に振り返らせてしっかりと抱き込んだ。
「どうして、人のルールで生きなきゃいけないんだ?」
「……え?」
「アシュリーの体は人間になっていても、本質はフェアリーだろ? 人の体を持ったフェアリーだろ? アシュリーは君のままで君らしく生きていればいい。他の何かになる必要はないじゃないか」
「そんな……あたし……あたし、フェアリーとしてここにいていいの?」
「いいよ?」
「……」
人間として人間のルールで生きなくてはと悩んでいたのに、こんなにあっさりと自分のままであることを肯定されてアシュリーは拍子抜けしてしまう。
そんなぁ、と情けない声を出すと、グレンはハハハッと笑う。
「でもみんなは……」
「だから、俺と結婚すればいい。夫が許しているならみんな何も言わないさ。俺のことならなんとでも言われても平気さ」
そんな風に言われるとアシュリーの心もだんだん傾いてくる。
「俺はアシュリーと結婚したい。アシュリーの家族になりたいし、一番になりたい。でも他に恋人を作るなと言う気はないよ。誰にも負けないよう努力するから」
「グレン……」
「子どもができたら俺の子じゃなくても父親になって可愛がるから安心して」
「!!」
「君のままで愛しているよ。フェアリーのアシュリー」
そういってグレンは優しくアシュリーに口づけた。
次の日の朝、そのままグレンのベッドでしっかりと抱きかかえられたまま目が覚めた。
「おはよう」
先に目が覚めていたらしいグレンにチュッと口づけられると、アシュリーはまた真っ赤になってしまう。
ドドドドド……
一気に鼓動が激しく鳴る。
(ああ~!心臓に悪いよ!止まっちゃう!!人間の体は危険すぎる!!)
「ああ……可愛いな」
そんなアシュリーの胸中を知りもせず、グレンは顔中にチュッチュッとキスを落とし、息の根を止めにきているとしか思えない。
「ダ、ダメ……」
「ん?どうして?」
グレンは不思議そうな顔をしながら、その手はアシュリーの体をまさぐっている。
「あん……」
「今日の午後には出発して、王都に戻らないといけないんだ」
「えっ……」
「だからそれまでアシュリーを堪能したい」
「……! ぁあんっ」
そのまま昼食の時間近くまで、ベッドの中で何度も達するまで可愛がられ、いじめられたアシュリーは、グレンへの落ち着いていて優しいお兄さんという認識を改めることになった。
何度目かの絶頂を味わされた後、ようやく落ち着いたグレンにしっかり胸の中に抱えこまれながら、アシュリーはこれまでのことを話すことができた。
「君が従姉妹だって設定も魔法なのか?」
「うん……でもいつ解けてもおかしくないと思うの……」
「だったら正直に正体を話してしまったほうがいい。両親たちも、エルナンが小さな頃からフェアリーと遊んでいた話をずっと聞いていたんだ。まあ、半分しか信じていないかもしれないがな。でも、理解してくれると思う」
「そう、かな……」
「このイーダの街はフェアリーの伝承の多いところだ。都会の人々と違ってフェアリーを信じている人も多いんだぞ」
「でも……フェアリーと結婚なんて許してもらえるの?」
「ん?両親はなんだかんだ俺に甘いんだ。信頼もしてもらえてるつもりだ。大丈夫さ。それより……」
グレンはイタズラな瞳でアシュリーの目を覗きこんで言う。
「前向きに検討してもらえてるみたいで嬉しいよ」
危うくアシュリーは昼食返上でもう一度喘がされそうになったが、なんとか押しとどめると湯浴みをしてからグレンと一緒に遅めの食事を取ることができた。
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