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ー光ー 第六章 燦爛鳳条国
第八十二話 鳥
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さらに二日が経過した。
いまだに悪神は現れていない。
「お腹すいたなー」
「ですよね......」
京極庵が水を出す能力を持っているため、なんとか飲み物はある。
炎の国なのに、水を出す能力は必要ないと笑われたことがあったようだが、まさかこんなところで役に立つとは。
しかし、問題は食料だ。
もう食料は無くなっている。
「どこかに鳥...いないかなー......うぉ、いた!」
「え?どこだ?」
奇跡的に目の前に.........紫色の鳥が三羽いた。
「え......これ、食べらるのですか?色が......」
天光琳は見たことがない鳥だったので、食べられるのか不安になった。
こんな紫色の鳥なんて見たことがない。
「食べれるよー、コイツ、よく鍋にして食べるんだ。美味しいんだ......よっ!」
そう言って京極伽耶斗は三羽目掛けて......飛び込んだ。
神の力を使って捕らえるのかと思いきや......そのまま突っ込むとは。天光琳は驚いた。
「こうやって捕るんだね......」
「いや......アイツが可笑しいだけだ」
京極伽耶斗は三羽の首を持ち、立ち上がった。
そして二神の方を見て、ニッと微笑んだ。
天光琳は苦笑いしながら拍手した。
京極伽耶斗は持っていたミニナイフで鳥をさばき、炎を出して焼いた。
鳥の丸焼きだ。
紫色で食べれるのか不安だったが、結構美味しそうだ。
「美味しそ~!」
久しぶりにこんなに沢山食べられる。
三神は待ちきれないと、焼けたらすぐにかぶりついた。
「「「うんまぁ~!」」」
三神は幸せそうに頬に手を当て微笑んだ。
何日ぶりにこんなに沢山食べただろうか。
「光琳、美味しいでしょ!」
「はい!見た目で判断してはいけないですね!」
三神はガツガツと食べ、あっという間に無くなってしまった。
満腹......ではないが、満足した。これで三日ぐらいは持つだろう。
「新鮮だなー」
「何が?」
天光琳は鳥の骨を見ながら言った。
「僕は捕って焼いて、丸かじりして......なんて、こんな食べ方初めてしたから、良い経験が出来たなって思ったんです!」
「そうか!光琳は王子様だもんね。こんなことやらせてくれないでしょ」
やらせてくれない...という訳では無いが、やらなくてもご飯は出るし、そもそもそんなことをやろうなんて思いつかなかった。
京極伽耶斗は京極庵とよく家に帰らず森で過ごしたことが何度もあるようで、よく狩って食べていたそうだ。
京極伽耶斗は親が嫌いという訳では無いが、弟が一神で寂しそうだと感じたため、勝手についてきているそうだ。
そして次の日親に怒られるという......。
「帰ったらやってみようかな。天国の山にも、沢山鳥がいるんですよ!」
「そうなんだ!いつか行ってみたいなー」
「是非是非!!」
天光琳は笑顔で誘った。
「じゃあ、焔光山から出たら、絶対に行くよ!ね、庵!」
「あぁ」
京極庵は力強く頷いた。
必ず生きて帰ると...そういう思いも込めて。
「さて、行こうか!」
と三神が立ち上がった次の瞬間。
ベタ...ベタ......と崖から落ちる前のあの何者かが近づいてくる音が聞こえてきた。
三神の心臓は一気に大きな音を鳴らす。
「しっ......」
しかし音はどんどん大きくなっていく。
「やばい、逃げるぞ!!」
正体は見えなかったが、どんどん近づいてきたため、危険を感じ、三神は逃げ出した。
すると足音がどんどん早く聞こえてきた。
それも複数いるようだ。
「あいつら走れるのか!?」
「振り向いたらダメだ!まずは逃げよう!」
「うん!!」
三神は「右に間がろう」「ここから飛び降りよう」などと、事前に言ってはぐれないようにした。
そして十分後。
ようやく足音が聞こえなくなった。
「はぁ...はぁ......」
「はぁ......凄いね......光琳。はぁ...はぁ、全然疲れて......ないじゃん......」
「体力だけはあるので......」
二神は疲れている。
天光琳はまだ体力はあるので、剣を構えて見張っている。
京極伽耶斗は岩に持たれようと、ツタまみれの岩にもたれかかった......が。
「うわぁっ!?」
「どうした!?」
京極伽耶斗の姿が見えなかった。
「伽耶兄!?」「伽耶斗さん!?」
二神は必死に叫んだ。......すると。
「ごめんごめん」
ツタの隙間から京極伽耶斗がひょこっと出てきた。
二神はふぅと息を吐いた。
「びっくりしたじゃん......」
「良かった......」
「ごめんて......ここ、洞窟になってるなんて知らなかったからさ」
洞窟......?と二神は聞き返した。
行ってみると、ツタで入口を隠された洞窟があった。
中から水が垂れる音が聞こえてくる。
ツタで入口を隠されているし、ここならゆっくり休めそうだ。
「入ってみるか?」
「いいねー!」
京極伽耶斗はそう言って、洞窟の中へ入っていった。
いまだに悪神は現れていない。
「お腹すいたなー」
「ですよね......」
京極庵が水を出す能力を持っているため、なんとか飲み物はある。
炎の国なのに、水を出す能力は必要ないと笑われたことがあったようだが、まさかこんなところで役に立つとは。
しかし、問題は食料だ。
もう食料は無くなっている。
「どこかに鳥...いないかなー......うぉ、いた!」
「え?どこだ?」
奇跡的に目の前に.........紫色の鳥が三羽いた。
「え......これ、食べらるのですか?色が......」
天光琳は見たことがない鳥だったので、食べられるのか不安になった。
こんな紫色の鳥なんて見たことがない。
「食べれるよー、コイツ、よく鍋にして食べるんだ。美味しいんだ......よっ!」
そう言って京極伽耶斗は三羽目掛けて......飛び込んだ。
神の力を使って捕らえるのかと思いきや......そのまま突っ込むとは。天光琳は驚いた。
「こうやって捕るんだね......」
「いや......アイツが可笑しいだけだ」
京極伽耶斗は三羽の首を持ち、立ち上がった。
そして二神の方を見て、ニッと微笑んだ。
天光琳は苦笑いしながら拍手した。
京極伽耶斗は持っていたミニナイフで鳥をさばき、炎を出して焼いた。
鳥の丸焼きだ。
紫色で食べれるのか不安だったが、結構美味しそうだ。
「美味しそ~!」
久しぶりにこんなに沢山食べられる。
三神は待ちきれないと、焼けたらすぐにかぶりついた。
「「「うんまぁ~!」」」
三神は幸せそうに頬に手を当て微笑んだ。
何日ぶりにこんなに沢山食べただろうか。
「光琳、美味しいでしょ!」
「はい!見た目で判断してはいけないですね!」
三神はガツガツと食べ、あっという間に無くなってしまった。
満腹......ではないが、満足した。これで三日ぐらいは持つだろう。
「新鮮だなー」
「何が?」
天光琳は鳥の骨を見ながら言った。
「僕は捕って焼いて、丸かじりして......なんて、こんな食べ方初めてしたから、良い経験が出来たなって思ったんです!」
「そうか!光琳は王子様だもんね。こんなことやらせてくれないでしょ」
やらせてくれない...という訳では無いが、やらなくてもご飯は出るし、そもそもそんなことをやろうなんて思いつかなかった。
京極伽耶斗は京極庵とよく家に帰らず森で過ごしたことが何度もあるようで、よく狩って食べていたそうだ。
京極伽耶斗は親が嫌いという訳では無いが、弟が一神で寂しそうだと感じたため、勝手についてきているそうだ。
そして次の日親に怒られるという......。
「帰ったらやってみようかな。天国の山にも、沢山鳥がいるんですよ!」
「そうなんだ!いつか行ってみたいなー」
「是非是非!!」
天光琳は笑顔で誘った。
「じゃあ、焔光山から出たら、絶対に行くよ!ね、庵!」
「あぁ」
京極庵は力強く頷いた。
必ず生きて帰ると...そういう思いも込めて。
「さて、行こうか!」
と三神が立ち上がった次の瞬間。
ベタ...ベタ......と崖から落ちる前のあの何者かが近づいてくる音が聞こえてきた。
三神の心臓は一気に大きな音を鳴らす。
「しっ......」
しかし音はどんどん大きくなっていく。
「やばい、逃げるぞ!!」
正体は見えなかったが、どんどん近づいてきたため、危険を感じ、三神は逃げ出した。
すると足音がどんどん早く聞こえてきた。
それも複数いるようだ。
「あいつら走れるのか!?」
「振り向いたらダメだ!まずは逃げよう!」
「うん!!」
三神は「右に間がろう」「ここから飛び降りよう」などと、事前に言ってはぐれないようにした。
そして十分後。
ようやく足音が聞こえなくなった。
「はぁ...はぁ......」
「はぁ......凄いね......光琳。はぁ...はぁ、全然疲れて......ないじゃん......」
「体力だけはあるので......」
二神は疲れている。
天光琳はまだ体力はあるので、剣を構えて見張っている。
京極伽耶斗は岩に持たれようと、ツタまみれの岩にもたれかかった......が。
「うわぁっ!?」
「どうした!?」
京極伽耶斗の姿が見えなかった。
「伽耶兄!?」「伽耶斗さん!?」
二神は必死に叫んだ。......すると。
「ごめんごめん」
ツタの隙間から京極伽耶斗がひょこっと出てきた。
二神はふぅと息を吐いた。
「びっくりしたじゃん......」
「良かった......」
「ごめんて......ここ、洞窟になってるなんて知らなかったからさ」
洞窟......?と二神は聞き返した。
行ってみると、ツタで入口を隠された洞窟があった。
中から水が垂れる音が聞こえてくる。
ツタで入口を隠されているし、ここならゆっくり休めそうだ。
「入ってみるか?」
「いいねー!」
京極伽耶斗はそう言って、洞窟の中へ入っていった。
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