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ー光ー 第六章 燦爛鳳条国
第八十三話 犠牲者
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「俺達も行くか」
しかしらななぜか天光琳は入ろうとはしなかった。
「まって......伽耶斗さん......そこ......大丈夫なんですか......?」
「え?どうして?」
なぜ天光琳が怖がっているのか二神は分からなかった。
ツタで入口が隠れているし、水もある。中は涼しく過ごしやすそうなのになぜ。
「それ......本当に水の音なんですか......?」
「水以外なくな.........ひっ!?」
「どうした!?」
京極伽耶斗の聞いた事のない叫び声が聞こえ、京極庵は洞窟の中へ入っていった。
天光琳も後ろからついて行く。
「庵たちは来るな!!!......がはっ...」
「伽耶兄!?」
「伽耶斗さん.........っ!?」
なんと京極伽耶斗は......ドロドロの体が溶けているような角の生えた生物二体に両腕を掴まれていた。
後ろにもまだ沢山いるようだ。
こんな生物見たことがない。京極伽耶斗たちも初めて見るようだ。
その生物は天光琳達を見て、京極伽耶斗を捕まえたまま向かってきた。
その時、ベタ...ベタ...と足音がした。追いかけてきた正体は恐らくコイツらだろう。
「逃げ...て......」
両腕を引っ張られ、苦しそうにしている京極伽耶斗の姿を見て、逃げることはできない。
洞窟の外まで下がり、ドロドロの生物の姿もよく見えてきた。
「逃げて......僕のことはいい...からっ......はやく!!」
「嫌だ!伽耶兄置いて逃げれるかよ!」
「今助けます!!」
天光琳は剣を抜き、素早くドロドロの生物に向かって剣を振り下ろした。
剣はドロドロの生物を貫通し、天光琳は剣を抜く。
抜くと、ドロドロの生物はなんと、何事も無かったかのように原型に戻ってしまった。
「うそ......」
天光琳はもう一度斬りかかったが、同じように戻ってしまう。
京極庵も扇子を持ち、炎を出して、くるくると回りながらドロドロの生物に当てていく。
しかし、その生物の体に当たると、ぱっと、水の上に落ちたかのように消えていった。
「はっ!?」
何度試しても変わらない。
これでは京極伽耶斗を助けられない。
「まだ...後ろに沢山いるんだ.........僕の...ことはいいっ!......二神は逃げて!......」
しかし二神は逃げようとはしなかった。
「光琳!!......君は未来の王なんだろう!?僕たちはもともと......君を守るために派遣されたんだ!!頼むから......逃げてくれ!!」
「未来の王が犠牲者を出して逃げて助かるなんて、許されることではないの!!」
天光琳は必死に斬り掛かる。何度やっても結果は変わらないのに。
「逃げたくない......助けたい......!!僕を守るために派遣されたなら、一緒に生きて帰ろうよ......!犠牲者を出して僕が生き残るなんて...そんなの......生きづらいよっ!」
「そうだよ伽耶兄!!生きて帰るんだろ!?帰って一緒に天国へ行くって、言ったじゃないか!!うそつくなよ!!」
二神は泣きながら必死に戦っている。
その様子を見て、京極伽耶斗の目から大量の涙が流れてきた。
「君たちも死にたいのか!!僕はもう無理なんだ!!君たちには生きていて欲しい...だから逃げろっ!!!」
京極伽耶斗はカスカスの声で叫んだ。
すると、京極伽耶斗は全身が炎で包まれた。
そしてその炎は天光琳と京極庵に移り、二神を優しく包み込んだ。
天光琳は炎に包まれたが全く熱くなかった。
「何をするつもりなんだ!!」
すると、炎は光のように眩しく輝き始めた。
これは......
移動させる能力だ。
まさか二神だけを遠くに移動させるつもりなのだろうか。
これは大量に神の力を消費するため、あまり使えない。一度使ってしまうと、一週間ほど神の力が使えなくなる。
「やめてくれ伽耶兄!!」
炎から抜け出そうとしても、決壊が貼ってあり抜け出せない。
「嫌だ...嫌だ......!!伽耶兄!!」
「伽耶斗さん!!」
「二神は生きて......。光琳くんは...立派な王に......なるんだぞ.........庵は...失敗ばかりと自分を責めすぎないで.........庵は強い神様なんだから.........そして、最後に......帰って麗華に伝えて欲しい」
京極伽耶斗は一度話すのをやめた。そして......気持ちを切り替えた。
「君は今まであったどの女神より美しいと.........」
「伽耶兄ーーー!!!」
京極庵が叫んだ瞬間、辺りは眩しくなり、二神は目を閉じてしまった。
目を閉じた時、少し生暖かいものが手についたような気がするが......それはなんだろう。
「ありがとう」
しかしらななぜか天光琳は入ろうとはしなかった。
「まって......伽耶斗さん......そこ......大丈夫なんですか......?」
「え?どうして?」
なぜ天光琳が怖がっているのか二神は分からなかった。
ツタで入口が隠れているし、水もある。中は涼しく過ごしやすそうなのになぜ。
「それ......本当に水の音なんですか......?」
「水以外なくな.........ひっ!?」
「どうした!?」
京極伽耶斗の聞いた事のない叫び声が聞こえ、京極庵は洞窟の中へ入っていった。
天光琳も後ろからついて行く。
「庵たちは来るな!!!......がはっ...」
「伽耶兄!?」
「伽耶斗さん.........っ!?」
なんと京極伽耶斗は......ドロドロの体が溶けているような角の生えた生物二体に両腕を掴まれていた。
後ろにもまだ沢山いるようだ。
こんな生物見たことがない。京極伽耶斗たちも初めて見るようだ。
その生物は天光琳達を見て、京極伽耶斗を捕まえたまま向かってきた。
その時、ベタ...ベタ...と足音がした。追いかけてきた正体は恐らくコイツらだろう。
「逃げ...て......」
両腕を引っ張られ、苦しそうにしている京極伽耶斗の姿を見て、逃げることはできない。
洞窟の外まで下がり、ドロドロの生物の姿もよく見えてきた。
「逃げて......僕のことはいい...からっ......はやく!!」
「嫌だ!伽耶兄置いて逃げれるかよ!」
「今助けます!!」
天光琳は剣を抜き、素早くドロドロの生物に向かって剣を振り下ろした。
剣はドロドロの生物を貫通し、天光琳は剣を抜く。
抜くと、ドロドロの生物はなんと、何事も無かったかのように原型に戻ってしまった。
「うそ......」
天光琳はもう一度斬りかかったが、同じように戻ってしまう。
京極庵も扇子を持ち、炎を出して、くるくると回りながらドロドロの生物に当てていく。
しかし、その生物の体に当たると、ぱっと、水の上に落ちたかのように消えていった。
「はっ!?」
何度試しても変わらない。
これでは京極伽耶斗を助けられない。
「まだ...後ろに沢山いるんだ.........僕の...ことはいいっ!......二神は逃げて!......」
しかし二神は逃げようとはしなかった。
「光琳!!......君は未来の王なんだろう!?僕たちはもともと......君を守るために派遣されたんだ!!頼むから......逃げてくれ!!」
「未来の王が犠牲者を出して逃げて助かるなんて、許されることではないの!!」
天光琳は必死に斬り掛かる。何度やっても結果は変わらないのに。
「逃げたくない......助けたい......!!僕を守るために派遣されたなら、一緒に生きて帰ろうよ......!犠牲者を出して僕が生き残るなんて...そんなの......生きづらいよっ!」
「そうだよ伽耶兄!!生きて帰るんだろ!?帰って一緒に天国へ行くって、言ったじゃないか!!うそつくなよ!!」
二神は泣きながら必死に戦っている。
その様子を見て、京極伽耶斗の目から大量の涙が流れてきた。
「君たちも死にたいのか!!僕はもう無理なんだ!!君たちには生きていて欲しい...だから逃げろっ!!!」
京極伽耶斗はカスカスの声で叫んだ。
すると、京極伽耶斗は全身が炎で包まれた。
そしてその炎は天光琳と京極庵に移り、二神を優しく包み込んだ。
天光琳は炎に包まれたが全く熱くなかった。
「何をするつもりなんだ!!」
すると、炎は光のように眩しく輝き始めた。
これは......
移動させる能力だ。
まさか二神だけを遠くに移動させるつもりなのだろうか。
これは大量に神の力を消費するため、あまり使えない。一度使ってしまうと、一週間ほど神の力が使えなくなる。
「やめてくれ伽耶兄!!」
炎から抜け出そうとしても、決壊が貼ってあり抜け出せない。
「嫌だ...嫌だ......!!伽耶兄!!」
「伽耶斗さん!!」
「二神は生きて......。光琳くんは...立派な王に......なるんだぞ.........庵は...失敗ばかりと自分を責めすぎないで.........庵は強い神様なんだから.........そして、最後に......帰って麗華に伝えて欲しい」
京極伽耶斗は一度話すのをやめた。そして......気持ちを切り替えた。
「君は今まであったどの女神より美しいと.........」
「伽耶兄ーーー!!!」
京極庵が叫んだ瞬間、辺りは眩しくなり、二神は目を閉じてしまった。
目を閉じた時、少し生暖かいものが手についたような気がするが......それはなんだろう。
「ありがとう」
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