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ー光ー 第七章 焦る仲間
第九十七話 キノコ
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天光琳の骨折は、二週間で治った。
人間だと二ヶ月ぐらいかかるぐらいだったのだが......。
そのため、リハビリ程度に天桜山で散歩することにした。
今日は天俊熙は忙しいそうで、天麗華と来ている。
もう冬になり、寒くなってきたため、二神は厚着を着ている。
「ひぃ~寒い......修行してると暖かくなるんだけどなぁ......」
「まだダメよ?」
天光琳は修行したくてたまらなかった。
出来ない間はどうしても、早く神の力を使えるようにならないと......と焦り、モヤモヤした気持ちが残る。
「もう怪我しないように気をつけなきゃ......」
「今回も前回も......その前回も、貴方の不注意では無いのよ。今回のはあの護衛神のせいだし、前回は庵くんを守るために。そしてその前回は私たちを庇って怪我をしちゃったでしょう?......本当に貴方は優しい神ね」
天麗華はそう言って天光琳の頭を撫でた。
天光琳は十八歳だと言うのにまた頭を撫でられ口を尖らせたが、心の中では嬉しかった。
「何年ぶりに来たかなぁ」
天麗華は懐かしそうに眺めている。
他の国では木々の葉は落ち、山々は寂しくなっている頃だろう。
しかし桜雲天国では桜が年中咲いているため、他国の神にとっては違和感でしかないだろう。
「あ、老師!」
「え?......あ、草老師......!」
草沐阳の姿が見えた。
何か採っているようだ......。
「あぁ、光琳と......麗華!久しぶりだな!......随分と大きくなって......」
「ふふ、お久しぶりです。何をされているのですか?」
草沐阳は久しぶりに天麗華にあえて嬉しそうだ。
「キノコを採っているのだよ」
「...キノコ...?」
カゴの中には沢山のキノコが入っている。
「え......老師......このキノコ、食べられるんですか?......色が......」
「大丈夫だぞ。見た目はアレだが......とても美味しいんだ」
いつからキノコ採りを始めたのか分からないが、草沐阳は結構キノコに詳しいようだ。
「うわぁ、このキノコ、可愛い!」
「これはセイヨウタマゴタケ。もとは人間界のキノコだな。人間界では珍しいようだが......ここでは沢山採れるから、恐らく昔、どこかの神が神の力を使って沢山採れるようにしたのだろう......」
そういえば神界には様々な能力があるのだが、稀に極めてくだらない能力を得ることがある。
草沐阳が言っていたように、キノコを増やす能力があったり、花かんむりを一瞬で作れる能力があったり。
ちなみに天麗華は花かんむりを一瞬で作れる能力を持っているのだが、使ったことがない。
得た時は苦笑いしていた。
「よし。終わりにするか......」
そう言って草沐阳は立ち上がり、手の土を払い落とした。
そしてキノコが入った籠を持ち、天光琳を見た。
「あ、そういえば、光琳。怪我は治ったか?」
「はい...!もうちゃんと歩けますよ」
草沐阳は安心したように微笑んだ。
草沐阳は家に戻るらしく、二神もついて行った。
向かいながら、天光琳は気になって草沐阳に聞いてみた。
「老師......このキノコ、何に使うのですか?」
「食べるんだ」
二神は不安に思った。
紫色のキノコ、緑色のキノコ、白くて赤い点々があるキノコ......オレンジの変な形のキノコ......大丈夫とは言っていたが、よく食べようと思ったものだ。
「家に今朝作ったキノコのマフィンがあるのだが、良かったら食べていかないか?」
「えっ!?老師、料理できるんですか!?」
天光琳がそう言うと、草沐阳はムスッとした顔をした。
「俺は昔から料理が得意だぞ。酷いなぁ」
「あ......すいません......」
「ふふふ」
天麗華もてっきり料理は苦手だと勘違いしていたため、少し驚いた。
草沐阳の料理とはどんな感じなのだろうか。
二神はキノコのマフィンと聞いて少し不安だが、草沐阳の料理を食べてみたいと好奇心が勝ってしまったため、頂くことにした。
草沐阳の家に着き、三神は家に入った。
「「おじゃまします」」
そういえば草沐阳の家には入ったことがない。城とは違い、こぢんまりとした空間で、なんだか城より落ち着くような感じがする。
家に入っ観葉植物が沢山置いてあり、草沐阳にしては意外だ。
また、大切そうな武器も何個か置いてある。
部屋の中心部分に、木で作られた大きなテーブルとイスがあった。
草沐阳にここに座って待ってて、と言われたため、二神は座って部屋の中を眺めた。
「いいな......僕もこんなところに住みたい...」
「分かるわ......なんだか落ち着くわね」
陽の光が窓から入り込み、とても暖かい。
また家具はほとんど木で作られており、木材の香りがとても良かった。
いい匂いだな......と天光琳が思っていると、ふわりと甘い匂いがした。
すると、草沐阳がお盆にマフィン、フォーク、お手吹き、お茶を載せて持ってきた。
「口に合うか分からんが、合わなかったら遠慮なく残しても大丈夫だからな」
そう言いながら草沐阳は二神の前に一つづつ置いた。
ふっくらとした拳二つ分のマフィンに、小さく刻まれた紫色のキノコが混ざっている。
そしてケッチャップに玉ねぎに短冊切りのベーコン、チーズにパセリがかかっていて、スイーツと言うよりご飯だ。
とても美味しそうなのだが......やはりこの紫色のキノコに目がいってしまう。
しかし見た目はとてもオシャレで、本当に草沐阳が作ったのかと疑ってしまうぐらいだ。
二神は手を吹き、フォークを手に持ち、一口サイズに切って口に入れた。
「んんっ!!」
口の中に入れるとふわりとキノコの風味が口の中に広かった。思ったより重いがふわふわしていて美味しい。
「おいひぃ~」
キノコは見た目は危険そうだが、しめじのような味がして、案外普通の味だった。
「美味しいです、草老師凄いですね」
「老師は強いし、かっこいいし、優しいし、料理もできるんですね~」
「そう言われると照れるなぁ」
草沐阳は褒められて照れ笑いした。
「キノコはな、見た目がすごいものでも、毒はなく、普通に食べられるものもあるんだ。見た目だけでは判断してはいけないぞ?」
天光琳はそれを聞いてはっと思った。
自分は神の力を使えず、サボってきたのではないかとバカにされたことがある。
しかし天光琳は毎日のように修行と舞の稽古を続け努力している。その努力を見られず、悔しく、悲しい思いをしたことが何度もあるのだ。
表だけで判断しないでほしい。頑張りを見てほしい。
キノコのように見た目だけで判断して、笑ってからかって、離れていかないで欲しい。
「僕はキノコみたいだ」
「「ん??」」
「......あっ、いや、なんでもない!!」
天光琳は思わず変なことをつぶやき、二神が聞き返した。何変なこと言ってんだと天光琳は恥ずかしくなった。
「まぁでも、キノコに詳しくないのに、ほいほい食べてはいけないぞ?見た目だけで判断するな......とは言ったが、だからと言って知らないのに食べて確かめるのは良くない。美味しそうなキノコでも、このように変な色のキノコでも猛毒があるものがあり、触れただけでかぶれるキノコもある。......毒キノコを食べると一日中厠から出られなくなることも、幻覚が見えることも......最悪の場合死に至るからなぁ」
「老師は...食べたことあるのですか?」
天光琳がそう言うと、草沐阳は目を逸らし微妙な顔をした。
これはあるな。
二神は察した。
「まぁ失敗して分かるものだ。......神の場合、人間が食べて死ぬキノコでも、死ななかったり、国峰老師に助けて貰ったりできるからな。......いやぁー、お世話になったものだ」
そう言われると、このキノコは大丈夫なのか不安に思ってきて、二神はマフィンに目を向けた。
「あぁ、それは毎日のように食べているから大丈夫だ。安心しろ」
不安ではあるが、このマフィンはとても美味しいため、残すのは勿体ない。
二神はキノコマフィンを美味しく頂いた。
「ごちそーさまでした!」「ご馳走様でした」
二神が完食したのを見ると、草沐阳は嬉しそうに微笑んだ。
「老師、美味しかったです!」
「キノコの色は気になるけれど......見た目もオシャレで素敵ですね」
「おー、良かった良かった!このキノコが一番合うんだ。キノコの風味が程よく染みるんだよ」
なるほど...と二神は頷いた。
通りで他にも美味しそうなキノコがあるのに、わざわざこんな見た目のキノコを選んだのか。
二神はしばらく草沐阳の家で休憩し、城に戻ってきた。
明日から修行や舞をしても問題ないそうだ。
それを聞いて天光琳は笑顔で廊下を走って部屋の前まで到着した。
そして、天俊熙がびっくりしないようにそっと扉を開けた。
人間だと二ヶ月ぐらいかかるぐらいだったのだが......。
そのため、リハビリ程度に天桜山で散歩することにした。
今日は天俊熙は忙しいそうで、天麗華と来ている。
もう冬になり、寒くなってきたため、二神は厚着を着ている。
「ひぃ~寒い......修行してると暖かくなるんだけどなぁ......」
「まだダメよ?」
天光琳は修行したくてたまらなかった。
出来ない間はどうしても、早く神の力を使えるようにならないと......と焦り、モヤモヤした気持ちが残る。
「もう怪我しないように気をつけなきゃ......」
「今回も前回も......その前回も、貴方の不注意では無いのよ。今回のはあの護衛神のせいだし、前回は庵くんを守るために。そしてその前回は私たちを庇って怪我をしちゃったでしょう?......本当に貴方は優しい神ね」
天麗華はそう言って天光琳の頭を撫でた。
天光琳は十八歳だと言うのにまた頭を撫でられ口を尖らせたが、心の中では嬉しかった。
「何年ぶりに来たかなぁ」
天麗華は懐かしそうに眺めている。
他の国では木々の葉は落ち、山々は寂しくなっている頃だろう。
しかし桜雲天国では桜が年中咲いているため、他国の神にとっては違和感でしかないだろう。
「あ、老師!」
「え?......あ、草老師......!」
草沐阳の姿が見えた。
何か採っているようだ......。
「あぁ、光琳と......麗華!久しぶりだな!......随分と大きくなって......」
「ふふ、お久しぶりです。何をされているのですか?」
草沐阳は久しぶりに天麗華にあえて嬉しそうだ。
「キノコを採っているのだよ」
「...キノコ...?」
カゴの中には沢山のキノコが入っている。
「え......老師......このキノコ、食べられるんですか?......色が......」
「大丈夫だぞ。見た目はアレだが......とても美味しいんだ」
いつからキノコ採りを始めたのか分からないが、草沐阳は結構キノコに詳しいようだ。
「うわぁ、このキノコ、可愛い!」
「これはセイヨウタマゴタケ。もとは人間界のキノコだな。人間界では珍しいようだが......ここでは沢山採れるから、恐らく昔、どこかの神が神の力を使って沢山採れるようにしたのだろう......」
そういえば神界には様々な能力があるのだが、稀に極めてくだらない能力を得ることがある。
草沐阳が言っていたように、キノコを増やす能力があったり、花かんむりを一瞬で作れる能力があったり。
ちなみに天麗華は花かんむりを一瞬で作れる能力を持っているのだが、使ったことがない。
得た時は苦笑いしていた。
「よし。終わりにするか......」
そう言って草沐阳は立ち上がり、手の土を払い落とした。
そしてキノコが入った籠を持ち、天光琳を見た。
「あ、そういえば、光琳。怪我は治ったか?」
「はい...!もうちゃんと歩けますよ」
草沐阳は安心したように微笑んだ。
草沐阳は家に戻るらしく、二神もついて行った。
向かいながら、天光琳は気になって草沐阳に聞いてみた。
「老師......このキノコ、何に使うのですか?」
「食べるんだ」
二神は不安に思った。
紫色のキノコ、緑色のキノコ、白くて赤い点々があるキノコ......オレンジの変な形のキノコ......大丈夫とは言っていたが、よく食べようと思ったものだ。
「家に今朝作ったキノコのマフィンがあるのだが、良かったら食べていかないか?」
「えっ!?老師、料理できるんですか!?」
天光琳がそう言うと、草沐阳はムスッとした顔をした。
「俺は昔から料理が得意だぞ。酷いなぁ」
「あ......すいません......」
「ふふふ」
天麗華もてっきり料理は苦手だと勘違いしていたため、少し驚いた。
草沐阳の料理とはどんな感じなのだろうか。
二神はキノコのマフィンと聞いて少し不安だが、草沐阳の料理を食べてみたいと好奇心が勝ってしまったため、頂くことにした。
草沐阳の家に着き、三神は家に入った。
「「おじゃまします」」
そういえば草沐阳の家には入ったことがない。城とは違い、こぢんまりとした空間で、なんだか城より落ち着くような感じがする。
家に入っ観葉植物が沢山置いてあり、草沐阳にしては意外だ。
また、大切そうな武器も何個か置いてある。
部屋の中心部分に、木で作られた大きなテーブルとイスがあった。
草沐阳にここに座って待ってて、と言われたため、二神は座って部屋の中を眺めた。
「いいな......僕もこんなところに住みたい...」
「分かるわ......なんだか落ち着くわね」
陽の光が窓から入り込み、とても暖かい。
また家具はほとんど木で作られており、木材の香りがとても良かった。
いい匂いだな......と天光琳が思っていると、ふわりと甘い匂いがした。
すると、草沐阳がお盆にマフィン、フォーク、お手吹き、お茶を載せて持ってきた。
「口に合うか分からんが、合わなかったら遠慮なく残しても大丈夫だからな」
そう言いながら草沐阳は二神の前に一つづつ置いた。
ふっくらとした拳二つ分のマフィンに、小さく刻まれた紫色のキノコが混ざっている。
そしてケッチャップに玉ねぎに短冊切りのベーコン、チーズにパセリがかかっていて、スイーツと言うよりご飯だ。
とても美味しそうなのだが......やはりこの紫色のキノコに目がいってしまう。
しかし見た目はとてもオシャレで、本当に草沐阳が作ったのかと疑ってしまうぐらいだ。
二神は手を吹き、フォークを手に持ち、一口サイズに切って口に入れた。
「んんっ!!」
口の中に入れるとふわりとキノコの風味が口の中に広かった。思ったより重いがふわふわしていて美味しい。
「おいひぃ~」
キノコは見た目は危険そうだが、しめじのような味がして、案外普通の味だった。
「美味しいです、草老師凄いですね」
「老師は強いし、かっこいいし、優しいし、料理もできるんですね~」
「そう言われると照れるなぁ」
草沐阳は褒められて照れ笑いした。
「キノコはな、見た目がすごいものでも、毒はなく、普通に食べられるものもあるんだ。見た目だけでは判断してはいけないぞ?」
天光琳はそれを聞いてはっと思った。
自分は神の力を使えず、サボってきたのではないかとバカにされたことがある。
しかし天光琳は毎日のように修行と舞の稽古を続け努力している。その努力を見られず、悔しく、悲しい思いをしたことが何度もあるのだ。
表だけで判断しないでほしい。頑張りを見てほしい。
キノコのように見た目だけで判断して、笑ってからかって、離れていかないで欲しい。
「僕はキノコみたいだ」
「「ん??」」
「......あっ、いや、なんでもない!!」
天光琳は思わず変なことをつぶやき、二神が聞き返した。何変なこと言ってんだと天光琳は恥ずかしくなった。
「まぁでも、キノコに詳しくないのに、ほいほい食べてはいけないぞ?見た目だけで判断するな......とは言ったが、だからと言って知らないのに食べて確かめるのは良くない。美味しそうなキノコでも、このように変な色のキノコでも猛毒があるものがあり、触れただけでかぶれるキノコもある。......毒キノコを食べると一日中厠から出られなくなることも、幻覚が見えることも......最悪の場合死に至るからなぁ」
「老師は...食べたことあるのですか?」
天光琳がそう言うと、草沐阳は目を逸らし微妙な顔をした。
これはあるな。
二神は察した。
「まぁ失敗して分かるものだ。......神の場合、人間が食べて死ぬキノコでも、死ななかったり、国峰老師に助けて貰ったりできるからな。......いやぁー、お世話になったものだ」
そう言われると、このキノコは大丈夫なのか不安に思ってきて、二神はマフィンに目を向けた。
「あぁ、それは毎日のように食べているから大丈夫だ。安心しろ」
不安ではあるが、このマフィンはとても美味しいため、残すのは勿体ない。
二神はキノコマフィンを美味しく頂いた。
「ごちそーさまでした!」「ご馳走様でした」
二神が完食したのを見ると、草沐阳は嬉しそうに微笑んだ。
「老師、美味しかったです!」
「キノコの色は気になるけれど......見た目もオシャレで素敵ですね」
「おー、良かった良かった!このキノコが一番合うんだ。キノコの風味が程よく染みるんだよ」
なるほど...と二神は頷いた。
通りで他にも美味しそうなキノコがあるのに、わざわざこんな見た目のキノコを選んだのか。
二神はしばらく草沐阳の家で休憩し、城に戻ってきた。
明日から修行や舞をしても問題ないそうだ。
それを聞いて天光琳は笑顔で廊下を走って部屋の前まで到着した。
そして、天俊熙がびっくりしないようにそっと扉を開けた。
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