君においしい料理を作りたい!

蒼キるり

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3.幼馴染の夕ご飯

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 亜子の服の袖についた絵の具を落ちるのだろうかと眺めていた俺は、亜子の期待に溢れたきらきら光る瞳に見つめられ思わずにやりと笑みを零した。


「いつものトマトスープ作るぞ」

「……っ、すき!」


 一瞬息を飲んだ後のいつもより大きな弾んだ声。当然だ。亜子の好みは全て把握している。
 きっと今なら亜子の両親にだって引けを取らないだろう。ふふん、どんなもんだ。


「腹減らして待ってろ」


 そう亜子に宣言しながら俺はキッチンへといそいそと向かう。
 亜子はスキップ混じりで風呂場へと向かって行った。
 俺は椅子に引っ掛けた俺専用のエプロンを腰に巻き、戦にでも赴く心構えで今使わない食材を冷蔵庫に突っ込んだ。

 まずメインのトマトスープを作る前に、副菜の下拵えのため耐熱ボールにもやしを入れてレンジに入れる。
 スープはメインじゃないだろうというツッコミは野暮だ。少なくとも亜子にとってはメインなのだから、誰がなんと言おうとメインなのだ。この家の範囲内にいる限り、異論は認めない。
 小さめの鍋を取り出して、ホールトマト缶の中身と水を入れる。
 沸騰するまでの間にジャガイモを小さく角切りにしてキャベツを刻みベーコンを一口サイズに切っていく。

 亜子は長風呂するたちとはいえ料理はスピードが勝負だ。亜子には温かいご飯を食べてもらいたい。
 鍋の中身が沸騰したのを確認してから味を整える。適度にケチャップを追加することを忘れない。
 切った野菜とベーコン、缶詰めのコーンをぶち込む。これで放置しておけば亜子の好物のトマトスープが完成する。
 缶詰めは偉大だ。ちなみに亜子はこの時期は特に温かい食べ物は何でも好きだと明言しているので、好物は多数に上る。好き嫌いしないので何よりだ。

 とっくに温め終わったもやしを取り出して適当に塩胡椒を振り、缶詰めのツナを和える。もう一度言おう。缶詰めは偉大だ。
 その上からポン酢をかければ完成だ。亜子はまだ風呂から出て来ないのでもう一品作ることにする。
 あまりに遅い場合は寝ていないか確認に行かなければいけないけどまだいいだろう。
 あんまり積極的に確認したくないのは、異性として意識されていないので確認しに行ったら無防備にどこも隠さず出て来られたことがあるからだ。
 全く軽くトラウマである。信用してくれている亜子の両親と目が合わせられない。

 野菜室を覗いて少し考え茄子を手に取り、冷蔵庫から鶏肉を取り出した。
 その二つを一口サイズに切り、トマトスープと一緒に食べることを考えてオリーブオイルで炒める。
 味付けは軽く塩胡椒で十分だろう。
 途端にフライパンから香ばしい香りが漂ってくる。
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