続きは第一図書室で

蒼キるり

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12.また明日

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「……じゃあ、俺は帰るから」

「うん。ああ、それとこれ」

「……いつも悪いな」

 浩也が俺から離れて本棚から本を取り出して渡してくる。
 それは浩也に最初に渡された物とはまた違うが、ジャンルは同じものだった。
 いや、すごく面白いと思って読むわけではないけど……
 良いなと思うのもある。露骨な部分はこう……軽く目をそらしてしまうけど。
 あと、浩也が見繕って渡してくるのが高校生同士の物がほとんどで、共感出来るところもあった。
 にしても、これを浩也が読んで面白いと思った物を見繕って俺に渡してくるというのは少し笑ってしまうものがある。

「……なに?」

「いや、悪い。なんでもない」

 黙っているのを不自然に思ったのか浩也が尋ねてくる。前は話しかけても返事は少ないのに黙ってると聞いてくるなと思っていたが、どうやら違うらしいという事が最近わかった。俺は考えている時少し笑っているらしく、自分の言葉に返答もせず考え事をしているのが分かるらしい。だから少し不機嫌そうになに?と尋ねてくるのだ。
 今も少し眉を寄せている。それに俺はごめんと返して本を受け取る。

「……なあ、これいつも思ってたんだけど、学校の本だよな?なんでこういうの置いてるわけ?」

「……さあ?新しく入れる本は司書も決めるらしいけど、図書委員も多少は意見が通るから、希望した人がいるんじゃないの?」

「あーなるほど」

 まあ、好きな人がいてもおかしい話じゃないよな。気づかないうちにうちにも一人居たわけだし。

「普通に生徒が欲しいって言った本も入れてもらえるから」

 へえ、と感心する。中学の時も暇な時は本はよく読んでいたけど、図書室で希望しても取り寄せてくれるのが精々だった覚えがある。

「じゃあ、俺が希望したらここに入って来る?」

「新刊は基本的に第二図書室だから」

 そうだった、と笑って返しじゃあなと言って踵を返す。

「また明日」

 そう浩也に言われて俺も同じように応える。
 廊下に出てからそういえば浩也は、毎日また明日って言うなと考えるともなしに考えた。
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