続きは第一図書室で

蒼キるり

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22.妹と浩也

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 一人で歩くのは難しいらしく肩に手を置かれる。
 どうやって連れて帰ろうと考えていると浩也が自転車に乗せれば良いからと言ってきた。
 俺が狼狽えている時にも考えていてくれたのだと驚く。
 高校から北中までの距離的には自転車に乗る程ではないから、どうしてだろうと思っていたらそういう事だったらしい。
 美奈に座席に座らせて自転車を押して帰る事にした。
 最初は浩也が押すつもりだったらしいのだけど、自転車まで貸してもらってそこまでしてもらったらダメだと俺が猛反対した。
 だから今は俺が自転車を押している訳だが……だから手が空いてる浩也は美奈に質問攻めにあっている。
 これは俺も浩也も想像になかった。

「浩也さん、お兄ちゃんがお世話になってます。迷惑かけてませんか?」

 に始まり、

「浩也さんはいつもお兄ちゃんとどんな話してるんですか?」

「浩也さんもお兄ちゃんと同じで帰宅部ですか?」

 この辺りはまだ可愛いものだった。

「浩也さんってかっこいいですよね。モテますか?モテますか?」

「浩也さんのタイプってどんな人ですか?」

 みたいな質問になってくると俺も時折ツッコミを入れざるを得なかった。
 いや、さっき会ったばかりの奴に何言ってんだよ、と。
 まあへらへら笑ってばっかりだったけど。
 こちとら、さっきからお前を乗せたを自転車押してるんだが。

「浩也さんってお兄ちゃんに本貸してますよね!私もあーいうの好きです」

 散々隠してたはずの趣味まで暴露し始めた。

「浩也さんは男の子を可愛いと思いますか!」

 そんなぶっ飛んだ事まで言い出して、流石に二人揃って吹き出した。
 てかそもそも、その前の辺りから浩也の様子は今まで見た事のない風にはなってた。

 「いや、まあ……それは」とか「場合による、と思う」なんて応えてるの見た事ないぞ。
 こんなに顔を輝かせる美奈も珍しいが。

「お前……ちょっと一旦、黙れ」

 質問し過ぎて疲れたのか美奈も顔を赤くしつつ頷く。
 美奈の横辺りを歩いていた浩也が俺の横に並ぶ。

「……なんか悪い」

「……いや、別に大丈夫。まあ、びっくりはしたけど」

 まあ、俺が一番びっくりしてる。
 初対面の人とすぐ仲良くなれる程コミニュケーション能力高くなかったと思うんだけどな。

「……あんまり似てない?」 

「んー、見た目以外は似てないってよく言われる」

「あー、顔は似てる、かも」

 ふと気づくといつも通りに話せていた。
ま あさっきまでも俺が一人で気まずかっただけなんだけど。
 浩也も話を蒸し返さないし、今日の所は昨日の話はしないでおこう。
 なんでかは分からないけど問い詰めてしまいそうだし。わざわざ来てくれたのにそれはない。
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