続きは第一図書室で

蒼キるり

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34.正直な気持ち

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「どうするって……」

 そんなのどうしようもないじゃないか。
 俺がうつむいたのに気づいたのか、優しく声をかけられる。

「正直に言ってみて。もし私が浩也の彼女だったら……いや?」

「それは……」

 浩也、と自然に呼んでいるのを聞いて、思わず口から言葉が溢れた。

「いや、です」

「そう」

 俺が正直に話してもいやな顔一つせず、頷いてくれるのを見て、この人には隠さなくて良いんじゃないか、なんて思ってしまう。

「……あいつの、浩也の名前を呼ぶのは俺だけが良いです」

「ふふ、そうなのね」

「……すみません」

 浩也の彼女に言う事ではないというのは分かっているのに、思わず話してしまった事をすぐに後悔する。

「大丈夫よ。私、あの子の彼女じゃないから」

 気を悪くした風でもなく、あっけらかんとそんな事を言う彼女に俺はあっけにとられてしまった。

「びっくりした?でも、私があの子と付き合う事は未来永劫あり得ないから、心配しないでね」

 そういう彼女の顔は、嘘なんか一つも言ってない事がわかる晴れ晴れとした笑顔で、俺は混乱してしまった。
 それと同時に、俺が浩也と呼ぶ事について言ったからあの子って言ってくれてるの気づいて、居た堪れなくなる。
 なにやってるんだろ。
 小さくため息を吐くと、くすくすと笑う声が聞こえる。
 よく笑う人だな。浩也は滅多に笑わないのに。
 浩也の事、思い出さないようにしていたのも馬鹿らしくなった。

「佐武くんて面白い子ね」

「……あんまり言われた事ないんですけど」

 でも、この人はクラスの奴とは違って話しやすいなと思う。
 そういう所は、浩也に似ている。

「そう?佐武くんは面白いわよ。私がいきなり話しかけても、こんな風に話してくれるしね」

「……そうですか。あと、なんで俺の名前知ってるんですか?」

「ええ?……んー、あの子にね聞いたの。あの子、佐武くんの話よくするのよ」

 浩也が俺の話なんかしてたのか。しかもこの人に。
 この人は浩也とどんな関係なんだろうと唐突に思った。
 今までは彼女だと思っていたけど、そうではないと言われた。
 じゃあ、この二人はどんな関係なんだろう。
 でも、それを聞くのは何故か躊躇われて、はあ、そうなんですか、と気の抜けた返事しか出来なかった。

「ねえねえ、佐武くん。その焼きそばパン食べないの?普通、メロンパンてデザートじゃない?」

 ……メロンパンがデザートかどうかはちょっと難しい問題だな。
 うちではよく朝ごはんにもなるしな。
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