続きは第一図書室で

蒼キるり

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37.昔の思い出

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 由紀先輩と話し込んでしまって、遅刻するかもと慌てて教室に戻ると、黒板にでかでかと自習と書いてあった。
 そういえば、五時間は自習だって朝のホームルームで言ってたな。
 すっかり忘れてた……。
 ため息を吐いて席に着く。
 後ろの席の奴に話しかけられて、面倒だけど無視する訳にもいかず、返事をする。

「佐武はさ、ここの学校のオープンスクールとか見に来たか?」

「オープンスクール?……ああ、来た来た。佐藤は?」

「俺も来た。……でも佐武は見かけなかった気がするけどな」

「あー、俺は確か三年のオープンスクールは夏風邪で来れなかったんだよ。来たのは一、二年の時」

 あー、それでかと言われる。
 多分、近くの奴とそんな話をしててたまたま俺に話を振っただけだと思うからこのぐらいで良いだろうと前を向く。
 多分、三年のオープンスクールに来てたとして、覚えてはないと思うけどな。
 二年に来てどんな奴に会ったかなんて、同じ中学の奴くらいしか覚えてない。
 ……いや、一人だけ居た。
 ふと思い出して小さく笑う。
 中学二年の夏休みに来たオープンスクールの事を思い出した。

***

 中学とは違い、冷房の効いた教室でこの高校の説明を受けた後、各クラスに分かれて質疑応答の時間に入るらしく、蒸し暑い廊下を歩いていた。
 途中に数人がトイレに向かったり、俺が辺りを見ながら歩いたせいで、気づくと俺が一人で歩いていた。
 去年も来たから大体の場所はなんとなく覚えていて、特に困ったとも思わなかった。
 むしろ、ゆっくり辺りを見れるのが嬉しいくらいだ。
 流石にこの棟から出て見学すると怒られるよな。
 この高校の図書室がどんなものか見てみたかったのだけど、仕方ない。
 クラスの奴はまだ高校をどこにするか決めていない奴も多いらしいけど、俺は十中八九ここにすると決めている。
 家から近い。すこぶる近い。
 それが第一の理由だ。
 他には特に理由もない。確かに学力的にも入れるくらいという理由もなくはないけど、多少の上下があってもここに決めたと思う。
 小学生の妹の事を考えると近ければ近い方が良い。
 その時廊下の端の方を俺と同じでゆっくり歩いている他の中学の奴を見つけた。
 その時、どうして駆け寄ったのかはわからない。
 いつもだったら他の中学の、ましてや見るからに年下の奴に話しかけたりなんて絶対にしないと断言できる。
 なのに、俺はその時何も思わずに駆け寄った。
 俺より随分と背が低くて俺の肩くらいまでしかない。少し見下ろさないと顔もよく見えなかったけど、綺麗な顔をしていて、学ランを着てなかったら女の子みたいだな、と思った。
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