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婚姻届を出さない夫婦
20話
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私と宮くんの出会いは至って普通でありきたりだ。
むしろ普通過ぎて、明確には思い出せないくらいだ。私は宮くんと初めて会った時のことを残念ながら覚えていない。
同じ高校に通っていて、二年生の時に同じクラスになった。それまでにも見かけたことはあったけど、特に親しいということもない。
初めて話した時のこともお互いに覚えていないし、そもそも同じクラスになるまでに挨拶程度はしていたかどうかも怪しいところだ。
ただの同級生。それが私たちの関係だった。
それは同じクラスになってからも特に変わりはない。お互い人見知りをする性格でもなかったし、世間話程度はよくした。
でも、それだけと言えばそれだけだった。お互いに苗字呼びだったし、ましてや恋とかそんなの考えもしないくらいの距離だった。
それは卒業するまで変わらず、変わるとも思っていなかった。そんなこと考えたこともなかった。
「あれ、松永?」
変わるきっかけも私達らしく普通でありきたりなものだった。
それは社会人になって程なくしてのことだった。仕事帰りにばったりと再会したのだ。
全くありきたりで笑ってしまう。だからこそ後から二人の笑い話にもなるのだけれど。
「宮川?えー、なんか久しぶりだね」
もちろん覚えてはいたけれど、きっとあと何年かすれば思い出すのにもう少しかかっていたに違いない。
それくらいの付き合いしかなかった。
それでも久しぶりに会った同級生はひどく懐かしくて、ちょっと話でもしないかと誘われたから頷くしかなかった。
「いま、なにしてるの?」
「仕事は順調?忙しい?」
そんな社会人同士として当たり前な会話。よくある質問。きっと誰と話しても同じだろうに、とても楽しかった。
こんなに楽しかったけ。こんなことならもっと高校生の頃に話しておくんだった。そんなことを思うくらいに楽しくて仕方なかった。
驚くほど話題は尽きなくて、相手も驚いてるみたいだった。始終笑っていたと思う。
なんだかふわふわして、その一つ一つがひどく楽しかったことはよく覚えている。
お酒はそんなに飲んでいなかったのに、妙にふわふわと覚束なくて心配されてしまったくらいだ。
「なんか、全然話し足りない」
向こうがそう言うから、私の方から「また会おうよ」と誘ったのだ。
そして交換した連絡先はすぐに使われることになる。
それからお互いに定期的に誘い合うようになった。楽しかったのは最初だけではなく、ずっと続いたから止め時が見つからなかったし、見つける必要もなかった。
私たちはそんな風に始まった。
むしろ普通過ぎて、明確には思い出せないくらいだ。私は宮くんと初めて会った時のことを残念ながら覚えていない。
同じ高校に通っていて、二年生の時に同じクラスになった。それまでにも見かけたことはあったけど、特に親しいということもない。
初めて話した時のこともお互いに覚えていないし、そもそも同じクラスになるまでに挨拶程度はしていたかどうかも怪しいところだ。
ただの同級生。それが私たちの関係だった。
それは同じクラスになってからも特に変わりはない。お互い人見知りをする性格でもなかったし、世間話程度はよくした。
でも、それだけと言えばそれだけだった。お互いに苗字呼びだったし、ましてや恋とかそんなの考えもしないくらいの距離だった。
それは卒業するまで変わらず、変わるとも思っていなかった。そんなこと考えたこともなかった。
「あれ、松永?」
変わるきっかけも私達らしく普通でありきたりなものだった。
それは社会人になって程なくしてのことだった。仕事帰りにばったりと再会したのだ。
全くありきたりで笑ってしまう。だからこそ後から二人の笑い話にもなるのだけれど。
「宮川?えー、なんか久しぶりだね」
もちろん覚えてはいたけれど、きっとあと何年かすれば思い出すのにもう少しかかっていたに違いない。
それくらいの付き合いしかなかった。
それでも久しぶりに会った同級生はひどく懐かしくて、ちょっと話でもしないかと誘われたから頷くしかなかった。
「いま、なにしてるの?」
「仕事は順調?忙しい?」
そんな社会人同士として当たり前な会話。よくある質問。きっと誰と話しても同じだろうに、とても楽しかった。
こんなに楽しかったけ。こんなことならもっと高校生の頃に話しておくんだった。そんなことを思うくらいに楽しくて仕方なかった。
驚くほど話題は尽きなくて、相手も驚いてるみたいだった。始終笑っていたと思う。
なんだかふわふわして、その一つ一つがひどく楽しかったことはよく覚えている。
お酒はそんなに飲んでいなかったのに、妙にふわふわと覚束なくて心配されてしまったくらいだ。
「なんか、全然話し足りない」
向こうがそう言うから、私の方から「また会おうよ」と誘ったのだ。
そして交換した連絡先はすぐに使われることになる。
それからお互いに定期的に誘い合うようになった。楽しかったのは最初だけではなく、ずっと続いたから止め時が見つからなかったし、見つける必要もなかった。
私たちはそんな風に始まった。
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