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婚姻届を出さない夫婦
24話
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想像していた通り、長々と話してしまったけれど、藤崎さんはずっと丁寧に聞いてくれていた。
一気に話してしまったから一旦落ち着くことにして、冷めてしまったコーヒーを口にした。
ほっと一息ついてから、昔を思い出しながらゆっくりと口を開く。
「婚姻届を提出せずに夫婦になるのはどうかって、宮くんが言ってくれたんです。それでも間違いなく夫婦なのだからって」
それは私の頭の中で全くない選択肢だったから、ひどく驚いたのだ。
考えもしていなかった。確かにそうすれば、二人とも苗字を変えなくてもいい。
そうやって夫婦生活を送っている人がいるということも知識として知っていた。
なのに考えもしなかった。
「きっと、どこかで他人事みたいに思ってたんです。事実婚って言葉は知っていても、自分には関係ないことみたいに」
不思議と思っていることがすらすらと言えた。
宮くんにもここまでは言ったことがないから客観的に見るとひどく不思議なのだけど、藤崎さん相手だと不思議だとも思わなくなってくるのだ。
「なんで婚姻届を出して結婚しないんだろうとか、そんな風に思ってたのかも」
自分に関係ないと、無意識のうちに切り捨てていたのだろうか。
人から、世間から、外れずにありきたりな人生を歩んできた私にとって、それは自分が選ぶ道ではないと思っていたのかもしれない。
全く馬鹿馬鹿しい。私はいま、とても幸せなのに。
「最初は迷ったんですけど、でもすぐにそれしかないんじゃないかって思うようになりました。私もそうしたいって」
自分から言わなければ、誰かに問われて答えなければ、周りからはきっと世間一般にたくさんいる夫婦と全く同じに見えているに違いない。
でもそうではないことを今の私は知っている。
きっと私たち以外にもそうと見えているだけで、人と違う道を歩んでいる人たちはたくさんいるのだろう。
それは私の前で私の話を聞いてくれている藤崎さんもそうなのだろう。
それに引け目を感じる必要は欠片もない。
ただ昔の私と今の私の違うところは、見えないだけでみんなたくさんのものを背負っていることを知っているというそれだけのことだ。
「そうして良かったですか?」
藤崎さんの問いかけに、私は笑顔で大きく頷く。
後悔なんて少しもしていない。だから私は今ここで話しているのだから。
「だって私は、宮くんと夫婦になれてすごく幸せだから」
今も昔も変わらず、私と宮くんの間には笑いで溢れている。
それは幸せだと胸を張るには十分過ぎることだろう。
一気に話してしまったから一旦落ち着くことにして、冷めてしまったコーヒーを口にした。
ほっと一息ついてから、昔を思い出しながらゆっくりと口を開く。
「婚姻届を提出せずに夫婦になるのはどうかって、宮くんが言ってくれたんです。それでも間違いなく夫婦なのだからって」
それは私の頭の中で全くない選択肢だったから、ひどく驚いたのだ。
考えもしていなかった。確かにそうすれば、二人とも苗字を変えなくてもいい。
そうやって夫婦生活を送っている人がいるということも知識として知っていた。
なのに考えもしなかった。
「きっと、どこかで他人事みたいに思ってたんです。事実婚って言葉は知っていても、自分には関係ないことみたいに」
不思議と思っていることがすらすらと言えた。
宮くんにもここまでは言ったことがないから客観的に見るとひどく不思議なのだけど、藤崎さん相手だと不思議だとも思わなくなってくるのだ。
「なんで婚姻届を出して結婚しないんだろうとか、そんな風に思ってたのかも」
自分に関係ないと、無意識のうちに切り捨てていたのだろうか。
人から、世間から、外れずにありきたりな人生を歩んできた私にとって、それは自分が選ぶ道ではないと思っていたのかもしれない。
全く馬鹿馬鹿しい。私はいま、とても幸せなのに。
「最初は迷ったんですけど、でもすぐにそれしかないんじゃないかって思うようになりました。私もそうしたいって」
自分から言わなければ、誰かに問われて答えなければ、周りからはきっと世間一般にたくさんいる夫婦と全く同じに見えているに違いない。
でもそうではないことを今の私は知っている。
きっと私たち以外にもそうと見えているだけで、人と違う道を歩んでいる人たちはたくさんいるのだろう。
それは私の前で私の話を聞いてくれている藤崎さんもそうなのだろう。
それに引け目を感じる必要は欠片もない。
ただ昔の私と今の私の違うところは、見えないだけでみんなたくさんのものを背負っていることを知っているというそれだけのことだ。
「そうして良かったですか?」
藤崎さんの問いかけに、私は笑顔で大きく頷く。
後悔なんて少しもしていない。だから私は今ここで話しているのだから。
「だって私は、宮くんと夫婦になれてすごく幸せだから」
今も昔も変わらず、私と宮くんの間には笑いで溢れている。
それは幸せだと胸を張るには十分過ぎることだろう。
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