君には名前で呼んでほしい

双葉なめほ

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第一章

第二話 あなたはひとりじゃない

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 放課後、
 

 「創留ー、かえろーー」


 ゲーム機を大事そうに抱える千秋は家に帰って早くゲームがしたいと言わんばかりにいつも帰宅を催促してくるのだ。だけど、今日は大事な予定がある。

 外せないほどの大事なものが。

 

「千秋、ごめんね!今日は予定があるから先帰ってて!」


 冗談めかしく言った言葉に「おけ」と一言返事を返すとこの場を後にした。

 別に義務では無い。ただ自分が挨拶したいだけ。
大事な、大切な母と。




 毎週金曜日。教室からクラスメイトがいなくなったあと、僕は決まってベランダに出る。金曜日は飼育係の仕事でお花の水やりがあるからだ。


 まぁ、ただのお花ではないのだけれど。


 思いっきり窓を開けたその先にはそよ風に優しく身を任す『千日紅』(センニチコウ)の姿があった。

 千日紅とは花の名前だ。いちごのようにまるく、ピンクと紫の間のような色でなんとも言わず可愛らしい花。別名『ストロベリー・フィールズ』と呼ばれるほどに、それはそれは華やかなもの。

 
僕は金曜日に決まってこの花に会いにいく。だってこの花は最愛なる母と僕を繋ぐバトンだから。



 今は亡き、僕の大好きなお母さん。
 僕は最期まで、自分という名の息子を愛した母を心から尊敬している。ほんとに、こころから。


 僕自身今は辛いことばっかりだけど、この花と母を思い出すとなんでも良くなる。そんな素敵な力を持つ魅力的な花なんだ。会いに行きたくなる気持ちも分かるだろう。魅力的なのは見た目だけじゃない。



 母が教えてくれた、千日紅の花言葉

『あなたはひとりじゃない』

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