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本編
からあげくんと私たち
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まだ実家にいた頃、可愛らしい手乗りのシナモン文鳥の雛ちゃんをお迎えした。
赤いお目々はクリリとしていて、やっと一人餌になって来たばかり。マロンと名付けた。
マロンはかなり甘えたさんでいつも肩に止まってる…か握られている印象の子だった。
まだ愛らしさの残る雛ちゃんで、まだうっすら残るゴムパッキン(くちばしの端に餌をこぼさないようについているもの…)も愛らしい。
私と相方は、多分外出した時の事。
体力を使い果たした私は「疲れた~、背中マッサージして~」とかなんとかよくわがままを言っていた。
仕方ないなぁ、そんな顔を見せつつも、相方はマッサージをしてくれた。
ある意味、いつもの光景だった。
けれど、その日は違ったのだ。
マッサージをしてくれる相方の腕に、マロンが乗り踏ん張ろうとしているけれど、踏ん張れてはおらず、コロコロと相方の腕の上で転がり続けるマロンさん。
いつもと感じが違うので「なんかあった?」と声をかけてみると、「マロンさんが腕にい続けようとして、どかないでコロコロ転がってる…」と言われた。
両足も宙に浮いているらしい。
どんな状況だと思いつつ、ガサツな私は投げて飛ばせば、なんて思いつつ指に乗せ上へと投げる。
ガンゴン。
いい音をさせつつ、部屋の照明のカバーに頭をぶつけるマロンちゃん。
『そんなに強く投げたつもりなかったけど…すごくいい音がした…』痛かったよね、今度からもっと気をつけよう…と反省しつつも、マッサージを再開してもらう私。
相方の腕で楽しそうにコロコロ転がり、相方に面白半分に投げられるマロンちゃん。
また少しすると心做しかキラキラした目で飛んで来る彼女。遊びの流れになっている?
その少しあとからだろうか、マロンちゃんという本名とは別に「からあげくん」とあだながついてしまったのは。
両足上げてコロコロ転がる姿が、唐揚げ揚げてるみたいだからと、本名を忘れそうな程に、あだなが定着してしまう事になる。
そしてその後は、マッサージをしていると、唐揚げ揚げてるみたいに転がり、毎回投げられるまでをセットの様に楽しむ子になってしまった。投げられたら、また相方に投げて貰うまで楽しむ為に戻ってくる。
そんなドM文鳥に成長してしまった。
普通に育ってると思ってたのに、変な癖が出てしまった残念な文鳥に仕上がった。
でも、手に乗ると可愛いし撫でたりモフったり、普通にも愛でる。ちょっと変わった事を楽しむけれど、可愛い子だった。
ただ、少しずつ高級文鳥は変わった子が多い? そんな感覚をもたらすきっかけの子だった様に思う。
赤いお目々はクリリとしていて、やっと一人餌になって来たばかり。マロンと名付けた。
マロンはかなり甘えたさんでいつも肩に止まってる…か握られている印象の子だった。
まだ愛らしさの残る雛ちゃんで、まだうっすら残るゴムパッキン(くちばしの端に餌をこぼさないようについているもの…)も愛らしい。
私と相方は、多分外出した時の事。
体力を使い果たした私は「疲れた~、背中マッサージして~」とかなんとかよくわがままを言っていた。
仕方ないなぁ、そんな顔を見せつつも、相方はマッサージをしてくれた。
ある意味、いつもの光景だった。
けれど、その日は違ったのだ。
マッサージをしてくれる相方の腕に、マロンが乗り踏ん張ろうとしているけれど、踏ん張れてはおらず、コロコロと相方の腕の上で転がり続けるマロンさん。
いつもと感じが違うので「なんかあった?」と声をかけてみると、「マロンさんが腕にい続けようとして、どかないでコロコロ転がってる…」と言われた。
両足も宙に浮いているらしい。
どんな状況だと思いつつ、ガサツな私は投げて飛ばせば、なんて思いつつ指に乗せ上へと投げる。
ガンゴン。
いい音をさせつつ、部屋の照明のカバーに頭をぶつけるマロンちゃん。
『そんなに強く投げたつもりなかったけど…すごくいい音がした…』痛かったよね、今度からもっと気をつけよう…と反省しつつも、マッサージを再開してもらう私。
相方の腕で楽しそうにコロコロ転がり、相方に面白半分に投げられるマロンちゃん。
また少しすると心做しかキラキラした目で飛んで来る彼女。遊びの流れになっている?
その少しあとからだろうか、マロンちゃんという本名とは別に「からあげくん」とあだながついてしまったのは。
両足上げてコロコロ転がる姿が、唐揚げ揚げてるみたいだからと、本名を忘れそうな程に、あだなが定着してしまう事になる。
そしてその後は、マッサージをしていると、唐揚げ揚げてるみたいに転がり、毎回投げられるまでをセットの様に楽しむ子になってしまった。投げられたら、また相方に投げて貰うまで楽しむ為に戻ってくる。
そんなドM文鳥に成長してしまった。
普通に育ってると思ってたのに、変な癖が出てしまった残念な文鳥に仕上がった。
でも、手に乗ると可愛いし撫でたりモフったり、普通にも愛でる。ちょっと変わった事を楽しむけれど、可愛い子だった。
ただ、少しずつ高級文鳥は変わった子が多い? そんな感覚をもたらすきっかけの子だった様に思う。
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