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本編
24(レイス視点)
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「私の元いた世界だと、パンももっとやわらかくて、食べやすいのです。いつかご馳走したいなって思っています」
「またの楽しみにしているよ。手伝える事があったらいつでも言ってね」
少しでも彼女の力になりたいと思った。
「レモンを蜂蜜につけて酵母を作りたいので殺菌とかの魔法を教えて貰えませんか?」
「酵母とはなんだね?」
父上がそう問うとレイが口を開く。
「パンをやわらかくする為の菌でしょうか。紅茶を赤くする為に醗酵させるのですが、私がサロンについたときに飲んでいたお茶が中間発酵と呼ばれる状態です。醗酵しないで炒ると、緑色のお茶になると思います、パンをやわらかく膨らませるために、酵母菌というものが必要なんです…。今のパンも美味しいのですが、それがあるとふわふわなパンになるんです」
「そんなパンが…。想像つかないけど、食べてみたいわね」
母上も気になるみたいだ。
「レイス様は、マヨネーズを作る時も、さり気なく除菌の魔法をかけてくれましたよね。それを自分でも使える様になりたいのです」
気がついていたのか…。
「いつだってレイの為に使うのに。でも自分ですぐに使いたいって時もあるか。喜んで教えるよ」
「…ありがとうございます」
「後日に頑張ろう。今日の所は、必要なものがあるなら僕がやるけど」
僕がやりたいんだと伝える。やりたい事に巻き込んだと思ってしまうみたいだもの。
「瓶を2つほど消毒して欲しいのです…」
「何をしたいの?」
「え? レモンの皮を剥いて蜂蜜につけて酵母菌を作りたいのと…、レモンの皮を捨てるのが惜しいので、砂糖につけてレモンピールにしようかと。お菓子やパンに入れると美味しいのです」
そう言うレイが愛らしくてつい見惚れてしまった。
「飾り気はないのですけど…」
そう言いながら、アイスクリームをアイテムバッグから出す。
「それは何? 見たことないわ?」
「アイスクリームです。食べてみてください。焼きりんごやコーヒーに乗せたり、美味しいのです」
母上にそう応えニコニコと笑うレイ。
「自信作か。楽しみだな…」
父上はそう言い、アイスクリームを口元へと運ぶ。
「冷たいだと!」
「コッテリとした味わいなのにスッっと溶けていくわ…」
「ん! フルーツと合わせても美味しそうだね!」
美味しくてついついスプーンが進む。
「念の為、おかわりも準備してましたが食べますか?」
「用意周到だな」「嬉しいわ」
「少し足りない気分だったから嬉しいよ」
僕らはそう口々に、喜びを伝えた。
アイスクリームまた作ってくれるだろうか。大変そうだったけど頼んだら作ってくれそうだ。そう思うのは、自意識過剰だろうか。
「あの…、お父様…。先程の錬金術ってアレンジきくのでしょうか?」
レイはそういうと、言葉を続ける。
「私のいた世界だと、電気や電池というものがないと、使えない器具なのですが、魔石に魔力チャージするとか魔力を注ぎ込む事が出来れば、アイスクリームとか、シャーベットとか材料を入れて置くだけで、簡単に出来ると思うのですよね…」
料理人に頼んでかき混ぜて貰ってた作業が不要になるなら、もっと頻繁に食べられるかもしれないな。父上に頼み込まなければ。
領地内だけに器具を送って、名産にしたい所だけど。卵やミルクは、永続的に入るものではない。そこをクリアすればあるいは。
「そんな程度だったら、平気だと思うよ? 見知ったものなら材料を用意すれば魔力の続くだけ作れるんだけど、人の想像を読み取るのに集中力使うのか、さっきみたいなのは一日数回しか作れない。だから大した事はないんだよ」
たまに、やってくれるけど、僕らがあまり一般受けする事を考えないせいか、重宝した記憶がない。
「あぁ、生きた物とか精霊とかの召喚しか出来ないから、レイの役に立たない~」
僕も参戦してみる。なんでんで伝説上の生き物を召喚したいなんて役に立たない事をやりたがったんだろう。
「またの楽しみにしているよ。手伝える事があったらいつでも言ってね」
少しでも彼女の力になりたいと思った。
「レモンを蜂蜜につけて酵母を作りたいので殺菌とかの魔法を教えて貰えませんか?」
「酵母とはなんだね?」
父上がそう問うとレイが口を開く。
「パンをやわらかくする為の菌でしょうか。紅茶を赤くする為に醗酵させるのですが、私がサロンについたときに飲んでいたお茶が中間発酵と呼ばれる状態です。醗酵しないで炒ると、緑色のお茶になると思います、パンをやわらかく膨らませるために、酵母菌というものが必要なんです…。今のパンも美味しいのですが、それがあるとふわふわなパンになるんです」
「そんなパンが…。想像つかないけど、食べてみたいわね」
母上も気になるみたいだ。
「レイス様は、マヨネーズを作る時も、さり気なく除菌の魔法をかけてくれましたよね。それを自分でも使える様になりたいのです」
気がついていたのか…。
「いつだってレイの為に使うのに。でも自分ですぐに使いたいって時もあるか。喜んで教えるよ」
「…ありがとうございます」
「後日に頑張ろう。今日の所は、必要なものがあるなら僕がやるけど」
僕がやりたいんだと伝える。やりたい事に巻き込んだと思ってしまうみたいだもの。
「瓶を2つほど消毒して欲しいのです…」
「何をしたいの?」
「え? レモンの皮を剥いて蜂蜜につけて酵母菌を作りたいのと…、レモンの皮を捨てるのが惜しいので、砂糖につけてレモンピールにしようかと。お菓子やパンに入れると美味しいのです」
そう言うレイが愛らしくてつい見惚れてしまった。
「飾り気はないのですけど…」
そう言いながら、アイスクリームをアイテムバッグから出す。
「それは何? 見たことないわ?」
「アイスクリームです。食べてみてください。焼きりんごやコーヒーに乗せたり、美味しいのです」
母上にそう応えニコニコと笑うレイ。
「自信作か。楽しみだな…」
父上はそう言い、アイスクリームを口元へと運ぶ。
「冷たいだと!」
「コッテリとした味わいなのにスッっと溶けていくわ…」
「ん! フルーツと合わせても美味しそうだね!」
美味しくてついついスプーンが進む。
「念の為、おかわりも準備してましたが食べますか?」
「用意周到だな」「嬉しいわ」
「少し足りない気分だったから嬉しいよ」
僕らはそう口々に、喜びを伝えた。
アイスクリームまた作ってくれるだろうか。大変そうだったけど頼んだら作ってくれそうだ。そう思うのは、自意識過剰だろうか。
「あの…、お父様…。先程の錬金術ってアレンジきくのでしょうか?」
レイはそういうと、言葉を続ける。
「私のいた世界だと、電気や電池というものがないと、使えない器具なのですが、魔石に魔力チャージするとか魔力を注ぎ込む事が出来れば、アイスクリームとか、シャーベットとか材料を入れて置くだけで、簡単に出来ると思うのですよね…」
料理人に頼んでかき混ぜて貰ってた作業が不要になるなら、もっと頻繁に食べられるかもしれないな。父上に頼み込まなければ。
領地内だけに器具を送って、名産にしたい所だけど。卵やミルクは、永続的に入るものではない。そこをクリアすればあるいは。
「そんな程度だったら、平気だと思うよ? 見知ったものなら材料を用意すれば魔力の続くだけ作れるんだけど、人の想像を読み取るのに集中力使うのか、さっきみたいなのは一日数回しか作れない。だから大した事はないんだよ」
たまに、やってくれるけど、僕らがあまり一般受けする事を考えないせいか、重宝した記憶がない。
「あぁ、生きた物とか精霊とかの召喚しか出来ないから、レイの役に立たない~」
僕も参戦してみる。なんでんで伝説上の生き物を召喚したいなんて役に立たない事をやりたがったんだろう。
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