【本編完結】貴方のそばにずっと、いられたらのならばいいのに…。

皇ひびき

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本編

38

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「そういえば、牛脂かラードとか呼ばれる脂ってありますか? あと、木炭とかををつけて上澄みを取った灰汁と呼ばれる水を作りたいのだけど、1から草を燃やした方が良いです? もし木炭など余っていれば、頂きたいのですが…」

「今度は何をしたいの?」

「手や顔を洗う石鹸を作りたいのです」

「母上が食いつきそうだね。呼んでおこうか……」

「すみません…。ケースを頂いたので作りたくなって…」

「落ち込んでたのが嘘みたいだね…」

「すみません……」

「という訳なんだけど…、ティーファ……、母上を呼んできてもらっていいかな…」

「畏まりました…」

 恭しく一礼すると、気配を消していたティーファさんが去って行った。

「え…? あ~んとか見られてたんですか!?」

「そりゃあ専属だものいるよね。婚約者になってくれたら、二人きりで過ごせるよ。父上達にお願いしようか…」

 うう…、いたずらっ子みたいな、悪い顔も格好いい……。

 私は顔を真っ赤にして、その時間を過ごした。確かに婚約者って響きには憧れるけど、グイグイと来るレイス様は心臓に優しくないのだ。

 恋愛初心者な私にはハードルが高い……。もう少し手加減してはもらえないものだろうか……。

「駄目。何考えてるかなんとなくしかわからないけど、また逃げようとしてるよね、やっと気持ちに気がついて捕まえたんだもの、逃さないから」

『ノォォ!』

 心で叫び声を上げていると開いていたドアから、呆れたようなお母様が顔を出す。

「もういいわ、ありがとう」

 そう言って、ドアの外に待機していたらしい従者に声をかける。

「で…! また何か作るらしいわね」

 私は手作りの石鹸の話をする。灰汁を漬け込む時間がかかると話したら、お母様が早速水に余っていた木炭を入れ、時間を経過させていく。一晩ほどつけた灰汁の上澄みを取り、石鹸を作っていく。

 少し獣臭いか…な…。じゃがいものスライスを一緒に煮たり、酢や水で臭いを消すらしい。そういった手順を取り、薔薇のエッセンスとラベンダーのエッセンスを数滴落とし固める。

 冷やし固まった石鹸をじっくり2週間ほど寝かせれは完成のはずだ。


「セッケン? 2種類作ったのね。すぐに使えるの?」

 薔薇やラベンダーの香りのする塊に興味津々のお母様。

「少し時間を置いて、なじませる必要はありますが、2週間ほどで出来る筈です」

「セッケンの時間を進めていい? 使ってみたいわ!」

 そういうお母様に甘えてしまい、いくつか出来た石鹸を手渡す。

 時間を進めたのか、満足気にするお母様とレイス様に、紙に包んだ石鹸を2種類の手渡す。

 私用の石鹸を手渡し、お母様とレイス様に使い方を伝える。…と言っても洗うだけなのだけどね…。
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