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本編

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 お父様とお母様が白米を口にし、想像より美味しかったのか、「これを処分しそうになっていたのか…」と茫然自失していた。

 白米の美味しさわかってもらえたなら、もう少し食べやすくなるかもしれないな。そんな事を考えつつ、ロールパンにナイフを入れ、サラダからレタス、パンチェッタと半熟の目玉焼き。それにタルタルソースをかけて、簡易的なサンドイッチにすると、羨ましそうにレイス様が見てるので、「一口食べます?」というと、「ありがとう。嫉妬深いかもしれないのだけど……、父上や母上ならともかく。無意識でも…、こういう事を、他人にはして欲しくないんだ。だから、僕にも作って欲しいかな」

そういうとレイス様は、お皿とパンをこちらに寄せてくる。確かに言われなければ、味見と称して普通に強制的にあ~んするようなものか……。今は立場の強い公爵家の令嬢らしいし……。

「私もいつかここを出て、学園とか行かないといけないなら、直さないといけませんね……」

 この世界の常識に明るくない自覚はある。行かなくて済むものならここから出たくない。

「その事なんだが…、レイが学園に行きたいなら申し訳ないのだが……、家庭教師で我慢してもらえないだろうか…?」

 ここにいてもいい? だとしたら、ここで色々学びたい…。

「あの…、私この世界の常識とかマナーとか、詳しくないので自信がないのです。ここを出ないで済むなら、今はまだ出たくないです…」

 心做しか空気が重くなった気がした。

「恐らく、稲の件もパンを柔らかくする方法も、アロマオイルも画期的な事なんだが、そういう考えをく色々生み出すのがレイ、とわかれば狙われてしまう危険がある。ましてや王家など、ここ公爵家の力を我が物にしようと虎視眈々と狙っているんだよ」

「レイちゃんの意志関係なく、無理矢理婚姻を推し進める危険もあるの……。だから、レイスと婚姻を結んでから、外に出したいのよ……」

 皆の顔は真剣で、私を本気で心配してくれることが伝わってくる。

「わかりました! 私も外に出る自信がまだないので、むしろ良かったです」

 私がそう言うと、安心したようにみんな笑ってくれた。

 食事の最中、詳しく話を聞いてみると、一応忠誠を誓ってはいるけど、領土のことに干渉してくるのに、お金を奪っていくしかしない様な王家らしい。

 ラスター家が独立したら、国が成り立たない程、この公爵家に支えているらしい。

 独立出来るだけの能力があるのがすごい。王子が惚れっぽくて、レイシアを見染められても困るというと事で、公爵家から出さなかったらしい。

 ティーファさんに以前聞いた。レイシアさんはレイス様を愛していたと。

 年の近い男性がレイス様しかいなかったなら、余計にスペックの高い彼に彼女が恋した気持ちがわかる気がした。
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