【本編完結】貴方のそばにずっと、いられたらのならばいいのに…。

皇ひびき

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本編

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 冷えたフランスパンを貰い、3センチ幅位に切っていき、油を引かずにパンの両面を炙る。

 焼色がついた時点で、ミルククリームを塗ったものと苺ジャムを塗ったものを見栄えのいいものをお皿に乗せ、アイテムバッグに入れていく。残りを大皿に載せ、味見と称して試食会。
ずっと見守ってくれていたティーファの分も用意してある。

 私はざっくりと作っているけれど、元の味を知って作る事、アレンジすることは大事だと思うから作る人が味を知らないのは何か違うと思う。

 そういう考え方のせいもあって、メインで食事を作ってくれるメンバーが作ったものの味を知ること、それは大事な事だと思うから。そういう考えを汲んでくれる家族は、私のやる事に文句は言わない。その分、私が考えつかない様なアレンジを、皆がしてくれる事を知っているから。

 その代わりに、私が後で持っていかないと拗ねる。大人なのに可愛いと思ってしまうけど申し訳なくもあり、夕食時かおやつの時間に持参する様になった。

 今日もティーファの分もアイテムバッグに入れて、サロンに向けて歩き出した。もう少しサロンには距離がある程度歩いた頃。

 不躾に後ろから、肩に手をかけられ強制的に後ろを向かされた。

「!?」

 そんな不躾な行動をここに来てからされた事がなかった事もあり、言葉も出ない。

「君、可愛いね……。こんな娘を隠してるなんてずるいな、公爵は…」

 ねっとりとした欲を孕んだ声音で言われ、鳥肌が立つ。

「どなたか知りませんが、おやめください」

 やっとの思いで口にするけれど、「メイド風情がオレに逆らうの? 再教育が必要なんじゃない?」

 再教育が必要なのはあなたの方よ! そう思いながらも、話が通じない気配に後ずさる。何やらしていたらしいティーファも私の前に立ちふさがり庇ってくれる。

「メイドのクセに生意気だなぁ、オレを誰だと思ってるのさ! この国の王子だよ! クロスフォード様だ!」

 うわー、自分で言っちゃうんだ…。気持ち悪いし、この人無理………。

 泣きそうになっていると、「僕の大事な人に、何やってんの?」

 レイス様が現れ、庇ってくれる。

「実際に起こって欲しくなかったけど、ティーファに緊急連絡の機器渡しておいて良かったよ」

「たかがメイドごときに目くじらを立てるなんてらしくないんじゃないか? レイス・ディ・ラスター……」

「今はこんな格好してるけど、ぼくの婚約者になる女性だ。目くじらも立てるってもんだよね……、大切な人が侮辱されてるんだもの…」

 キッと睨むレイス様も素敵……。思考が脱線しながらもその場の成り行きを見守る私だった。
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