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本編
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お父様とお母様にはティーファさんが説明をしてくれた。ティーファさんが、レイス様に緊急ボタンを押して知らせてくれたらしい。だから、レイス様はすぐに着てくれたんだ。
「あの……、アホ王子…。人のパンを奪っただけでは飽き足らず、各事業やレシピを寄こせだと?」
あぁ、お父様の不機嫌な訳はやはりこれか……。
とてもバターロールを気に入ってくれて、大量にもっていかれたからなぁ…。
それを全部取られたなら余計に腹も立つよね……。
「レイちゃん怖かったわね……。あいつがやらかしてくれたから、レイスが今ゲートからの出入りを禁止してくれてるはずだから、もう屋敷に突然と現れることはないわ…」
ポンポンと宥めるように背中を撫でられ、少し落ち着きを取り戻せそうな気がする。
「僕のレイを、オレの女だから、身分は足りてないけど傍に置いてやるんだってさ…、ムカツク…」
そう言いながら、レイス様はサロンに帰ってきた。
「なんですって?」
「家の娘を泣かせる王家に、もう義理立てする必要はないな。領地のメインで運営している者達や、分家の者達に、通達を出して、王家という寄生虫は切り捨ててしまおう…」
「ゲートで送ってすぐに、使用禁止にしたから、もう来れないよ。王家全員、今後の事を考えて拒否っといたよ~」
レイス様、軽く言ってるけど、目が笑ってない……。
「すみません……。私がドレスを着ていたら、違ったかもしれないのに……。不快ないばかりに、好き勝手に言わせてしまって……」
ポロポロと流れ出す涙を止められず、言い募りながらも涙を拭う。
「ティーファさんも、私を護ろうと前に出てくれて、ありがとう…。怪我がなくて本当に良かった……」
ティーファさんの手を握り感謝を告げる。
「家の娘に何してくれてんのかしらねぇ~」
お母様も、少し言葉が崩れている? ニコニコ笑ってる様に見えてかなりお怒りのようだ。
「潰れるだけの小虫程度、レイは気にしなくて良いんだよ」
あ……、レイス様だけでなく、お母様も、お父様までもマジギレですか…。
「でも、ここの領地が独立したら、レイの事を隠す必要はなくなるよね。そしたら、色んな所に遊びに行こうね」
「あ、私もレイちゃんとお洋服を見に行きたいわ!」
「レイのおかげで息を吹き返した街も見せたいしな…」
「楽しみです屋敷の敷地内から出たことがないので」
「色々と、行けばいいさ」
「ありがとうございます。王子に会わなければ、フランスパンとか作ったのでお茶にしませんか?」
私が涙を拭って、そう言うと、喜んでジャム付きとミルククリーム付きのフランスパンを食べてくれた。
いつでも使える様に、ジャムとミルククリームが、常備されたのは言うまでもない。
フランスパンもそれなりの頻度で焼かれる様になるのはまた別のお話。
「あの……、アホ王子…。人のパンを奪っただけでは飽き足らず、各事業やレシピを寄こせだと?」
あぁ、お父様の不機嫌な訳はやはりこれか……。
とてもバターロールを気に入ってくれて、大量にもっていかれたからなぁ…。
それを全部取られたなら余計に腹も立つよね……。
「レイちゃん怖かったわね……。あいつがやらかしてくれたから、レイスが今ゲートからの出入りを禁止してくれてるはずだから、もう屋敷に突然と現れることはないわ…」
ポンポンと宥めるように背中を撫でられ、少し落ち着きを取り戻せそうな気がする。
「僕のレイを、オレの女だから、身分は足りてないけど傍に置いてやるんだってさ…、ムカツク…」
そう言いながら、レイス様はサロンに帰ってきた。
「なんですって?」
「家の娘を泣かせる王家に、もう義理立てする必要はないな。領地のメインで運営している者達や、分家の者達に、通達を出して、王家という寄生虫は切り捨ててしまおう…」
「ゲートで送ってすぐに、使用禁止にしたから、もう来れないよ。王家全員、今後の事を考えて拒否っといたよ~」
レイス様、軽く言ってるけど、目が笑ってない……。
「すみません……。私がドレスを着ていたら、違ったかもしれないのに……。不快ないばかりに、好き勝手に言わせてしまって……」
ポロポロと流れ出す涙を止められず、言い募りながらも涙を拭う。
「ティーファさんも、私を護ろうと前に出てくれて、ありがとう…。怪我がなくて本当に良かった……」
ティーファさんの手を握り感謝を告げる。
「家の娘に何してくれてんのかしらねぇ~」
お母様も、少し言葉が崩れている? ニコニコ笑ってる様に見えてかなりお怒りのようだ。
「潰れるだけの小虫程度、レイは気にしなくて良いんだよ」
あ……、レイス様だけでなく、お母様も、お父様までもマジギレですか…。
「でも、ここの領地が独立したら、レイの事を隠す必要はなくなるよね。そしたら、色んな所に遊びに行こうね」
「あ、私もレイちゃんとお洋服を見に行きたいわ!」
「レイのおかげで息を吹き返した街も見せたいしな…」
「楽しみです屋敷の敷地内から出たことがないので」
「色々と、行けばいいさ」
「ありがとうございます。王子に会わなければ、フランスパンとか作ったのでお茶にしませんか?」
私が涙を拭って、そう言うと、喜んでジャム付きとミルククリーム付きのフランスパンを食べてくれた。
いつでも使える様に、ジャムとミルククリームが、常備されたのは言うまでもない。
フランスパンもそれなりの頻度で焼かれる様になるのはまた別のお話。
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