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新たなる一歩
1 (鳴 視点)
しおりを挟む昨日の夜に、お兄さんとお母さんと笑って過ごせて、私は新たな一歩を踏み出した……、はずだった。
けれど放課後に、担任の先生に人気のなくなった、教室で声をかけられた。
あまりこの先生と1対1で話をする機会はないのだけど……、と訝しがりながら、話を聞いていると…。
「小鳥遊さん。 貴女クラスで浮いていない?」
突然と答えにくい事を聞いて来る。 直球にも程がある。 確かに、浮いているかもしれないけれど、だからって聞いてどうしようと言うんだろうか…。
なんとなく感じ取れたのは、自分の担当しているクラスで、虐めとかあったらまずいのだろうな…ということだった。
「………」
なんとも言い出せなくて…、いうべき言葉が見つからなくて…、私は黙り込んでしまう。
「もし何かあるなら、力になりたいの。 だから、素直に言ってくれないかしら……」
「……」
そんな事を言われても、私はなんと答えればいいのか、よくわからない。
「…苛めにあってるのだとしたら…」
なんて前置きをしながら、先生は言った。
「虐められる小鳥遊さんにも、原因があるんじゃないかしら……」
何が原因かは、私にもわからないけれど…。 だからといって他の人には、確認していないよね…。 先生も…決めつけで話すんだね…。
昨日お兄さんに、頑張る為の元気を貰えた気がした。
けれど、先生と話していたらていたら、なんだか気持ちが萎んでしまった。
家に帰るとお兄さんが、「お帰り…」、とぶっきらぼうを装って、声をかけてくれた。
お兄さんに、先生との事をゆっくり話した。 少し考え混んだ様子のお兄さん。
「一応さ、その先生にも気をつけろ。 なんか話聞いててさ、あんまりいい予感しねぇ…」
お兄さんが何を考えたのか、何に不安を感じたのかは、あんまり分からなかった。
だけど私は「わかった…」と約束した。
「元気になるなら仕方ねぇな…」
そう言ったあと、文鳥姿になりお兄さんは、肩へと乗る。
お兄さんにモフらせてもらうとふわふわな羽が気持ち良い。
相変わらず40度もの、温かい体温のためた癒やされた。
そして翌日の、朝のホームルームの時間のこと。
「うちのクラスで、虐めとかしていない? きちんと話し合えばわかるはずよ。 だって、人間には言葉があるんですもの」
そんな事を、担任は言い出した。 いい人な自分を演じる事に酔っている。 そしてそうありたい自分を演じ、見たくない自身からは目を背けている。
お兄さんが、心配してたのは…、こういう事だったのかもしれない。
『この人は、わかってない……。 そんな事をこの場で言ったら、私が先生に告げ口したと、思われてしまうんじゃないのかな…』
確かにたくさん言葉はある。 でも受け取る側が、どう感じてしまうのか…、その結果どんな事が起きる…かもしれない事。
そんな可能性すら考えてくれない人だったんだな……。
私は失望を感じた。
案の定、苛めをチクったと言われ、苛めは想像した通りに悪化してしまった。
そして、私はというと…。
同い年くらいの男の人が、近くに来るだけで、寒気がする体質になってしまった。
別に年が近い人達に、極力近づかなければいいだけ。
正直な話、困らないからいい。
そうして更に、クラスメイトにも距離を開ける様になった。
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