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新たなる一歩
3 (碧 視点)
しおりを挟む俺はなんだか落ち着かなくて、鳴の高校までの行き道を千聖さんに地図の見方を習い、覚えた。
「迎えにでも行ってくれるの? あの子喜ぶわ! あ、準備してた服は寒いわよね。 あげた服を無理して着かわなくていいわよ。 これを着て行って。 それも頂きものだから、気をつわかなくていいからね?」
千里さんはそういうと、黒のライダースジャケットを渡してきた。
まだGW前の春先なせいか、ハワイで暮らしてたせいか、薄着だとまだ肌寒い。
ダウンのジャケットのように
、厚くもなくこの季節には、ちょうどいい感じだ。
「ありがとうございます」
「うちの子の事で、迷惑かけてそうだし気にしないでね。 ありがとうね!」
「千聖さんは、普通はごめんと謝りそうな所で、ありがとうというんですね…」
まぁ千聖さんに謝られたとして、俺は俺が取りたい行動をとってしまうと思う。
だからなのか、ごめんと言われるより、ありがとうと言われた方が、多分…嬉しいし、気楽だと楽だと思う。
「もしかして……、鳴の事……、元気がない理由とか、何か知ってるんじゃ……」
なんとなく、そう感じたままに口に出してしまった。 もし知らなかったら、全力で誤魔化すしかないかな……。
「……いや、最近あいつ元気ねぇ時あるから……」
苦し紛れに、それだけ口にした。
誤魔化すように言い繕う俺に
、千聖さんが困った様に、苦笑を浮かべつつ口を開く。
「あの子…、変なところで素直じゃないというか……。 私も本人から助けてくれと言うのを、待ってるのだけど…。 自分でなんとかしようと、頑張ってるみたいだから…。 私は…、もう少し本人から言ってくるのを、待ってみるわ…。 それまで、あの子の事を宜しくお願ね。 あと私が、気がついてる事内緒にしてね。 碧くん」
「もしかして、俺を飼うことにしたのも……?」
「そうね…。 久しぶりに何か動物と触れ合うことも悪くないと思った事も嘘じゃないけど。 鳴を癒やしてくれる存在が必要だった……。 それが一番の理由かしら…ね、まぁうちに来た子は、特別で色んな意味でレアでラッキーよね♪」
そう言うと、ふふふと千聖さんは笑った
「なんか……、千聖さんには本当に敵う気がしないな……」
そう言うと碧は、前髪を軽く後ろへと流した。 黒のジャケットをはおり、よく来ていた青色のシャツに黒みがかったジーンズ姿になった。
「これの格好で、人からみたらおかしな所ねぇですか?」
「うん! 大丈夫。 いつも通り、イケメンよ!」
「うーむ……。 イケメン……??? わかんないから今度教えて下さい。 とりあえず行ってきます」
そう言って碧は、徒歩圏にある高校目指して出かけていくのだった。
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