【改稿】私と君の秘密の箱庭。

皇ひびき

文字の大きさ
12 / 50
出逢い 樹里視点

11★

しおりを挟む
 ★★★

 普段は人前に行かない様にしてるからか、あまりお買い物に出かけたりしないようで、せつくんと詩紋しもんちゃんはお店では、キャッキャッと楽しそうにはしゃいでいた。

 2人とも見かけだけじゃなく、言動も可愛いから、商店街の方たちから「持っていきなさい」なんて、お菓子やお土産をもらってご満悦の様子。

「ありがとうございます!」

 礼儀正しく、頬を染めてお礼言うから、また来てねと複数の人に声をかけられていた。

「またこちらの方に来たらお買い物させていただきますね」と私も声をかけて、その場を離れる事にする。

「みんな優しいね」なんて2人に声かけると、「こんな風に色んな人とたくさんお話したの、初めてだから楽しい!」と詩紋しもんちゃんも笑顔をみせてくれる。

「でも、最初に私達の正体知っても、いっぱい優しくしてくれて、たくさんお話してくれた樹里じゅりさんが一番好きよ!」

 頬を染めながら、詩紋しもんちゃんが言う言葉や姿に、胸がキュンとする。可愛いなぁ。

 ★★★

 そんな事もありつつ買い物を済ませた頃には、だいぶ暗くなってきていたので、2人は疲れて車の中で眠ってしまったらしい。

 心の中で『お疲れ様……』と思いつつ、帰ったら何を作ろうかな?なんて、メニューに意識を持っていかれそうだけど、可愛い2人も乗せてる事だし、安全運転で帰らなきゃね。

 ★★★

 家の近くでまできた時に、大きな影を見かけた気がした。目の錯覚かな?と思いそのまま家路へと向かう。
 夜の木々への恐怖感から感じた錯覚かも、早く慣れなきゃな…。そう思いつつ、車を車庫に止め、荷物を運び出す。

 2人は一見子供にしか見えない。そんな彼らを起こしてまで、手伝ってもらうほど荷物も多くないし。

 ガチャと後部座席の扉が開き、眠そうに目を擦りながら、意識が覚醒したばかりであろうせつくんが、「僕も手伝います!」と寄ってくる。

「寝ててよかったのに…。だけど、すごく嬉しいよ。ありがとね。お言葉に甘えるね」

 そうせつくんに伝え、頭を撫でると彼は荷物を運ぶのを手伝ってくれる。

「後で詩紋しもんちゃんもお部屋に運ばなきゃね」

「あ、大丈夫です。詩紋しもんは…」

 せつくんは「ピーチョピーチョピーヨー」と不思議に高い声で鳴くと、詩紋しもんちゃんの姿が文鳥サイズになる。

 人(?)の変化へんげの手伝いもできるのか……!
 わしっと掴むとポケットにつめられる詩紋しもんちゃん。え?そのままポケットに!?
 潰れちゃったりしないの!?見た目は、可愛いのに、文鳥になった詩紋しもんちゃんの扱い雑じゃないかな?

 ★★★

 室内に入ると食材をしまう。せつくんには、マイホームケージの組み立てをお願いした。

 私はといえば、お肉は何がいいかななんて悩んでた、。

 お昼は鶏肉を食べたし、牛肉でバーベキューとか……、素敵かもしれないわね。

 お祖父ちゃんの家にきた時に、たまにするバーベキューが、子供心にすごく楽しかったように思う。あの子達も、喜んでくれそうに思える。

 そう思い、あやかしの木にバーベキュー用のお肉をお願いする。昼も思ったけど、すごく脂の乗った高級そうな食材がでてきますね……。ありがとうございます…。

「あやかしの木さん、ありがとう。助かるけど無理はしないでね?」

 そう伝えゆるりと幹を撫でると、心做しかあやかしの木が嬉しそうに、葉を揺らした気がした。

 ★★★

 お野菜も切って準備をしていると……。詩紋しもんちゃんも、起きてきて準備を手伝ってくれる。本当に良い子たちだし、可愛いなぁ。

 バーベキューのセッティングも、2人が手伝ってくれたおかげで、思いのほか早く済んだ。

 タレをつけて食べるものと、お肉に味を漬け込んで焼くものなど色々作ったけど、どうだろう。あの子達は喜んでくれるかな?

 ★★★

 にぎやかになりそうな晩御飯に思いを馳せつつ、いそいそと食材を切って裏庭のテーブルにセットするのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

処理中です...