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出逢い 雪視点

雪視点6★

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「そうだ小鳥さんたちに、ご飯あげようと思ってたんだった!粟とかの入れ物探してくるね!粟以外を食べる子も来ちゃったね。どうしよう。入れ物探してるうちに鳥さんたちに食べたいもの聞いておいてくれるかな??」

 樹里じゅりさんは、僕達にそう言うと、玄関の方へと向かっていった。
 今日届くと言っていた荷物が、そちらにあるのだろうけど。

 ★★★

 僕も荷物持ちに、ついて行けば良かったかな……。そんなことが頭をよぎったけど今更遅いよね。
  樹里じゅりさんに頼まれた、希望のものでも来てくれた知り合い鳥達に聞くかな…。
 お米やらコーンやら食べれれば何でもと、みんなの希望は多種多様で面白い。

 通常、雀も餌をもらえるのを察して、次のグループが木の上で待ってる。彼らはだいたい10羽くらいのグループで動く。リーダーが安全を確認したら、合図を送り他の仲間が食べに来る。それを繰り返して、彼等は危険と隣り合わせの中生きてる。

 だから安全だとわかっても、グループで行動するのは彼らにはやめられない。だって一網打尽に襲われたら困るからね。その点、鳩は気楽だよね。油断しきってる気がするもの。わしっと鳩を捕まえてみたりしながら、樹里じゅりさんの帰りを大人しく待つ。

 ★★★

 裏庭にいろいろなものを持って、樹里じゅりさんが戻ってきた。

樹里じゅりさん、ありがとうございます。あれ?そのパウダーもかけるのですか?」

それはたまに口にする機会があった。美味しいパウダー!僕も詩紋しもんも、つい味を思い出し瞳が輝く。

「いや、だってそれかなりのご馳走だよね??それかかってるなら、とうもろこしのパウダーとかたくさん入ってて、食べあきた粟も美味しくたくさん食べれるよ??」

 そう言って頬を染める詩紋しもん。うん、その気持ち、僕にもわかる。あれにはちみつ入れて溶かしたのとか、本当に美味しいんだ…。今度少し分けて欲しいな。
 うっかり思考があらぬ方へと飛びかけた。

 少し考えるような、仕草を見せる樹里じゅりさん。

「2人にはご飯作ろうと思ってたけど、粟食べたい??」

「悩ましいけど、樹里じゅりさんのご飯がいいです!昨日作ってくれたご飯も、すごく美味しかったですし」

 思わず大好きな僕だけのあるじに、擦りつきたいけど我慢する。

 僕たちは粟をセットして、僕が教えた餌をあやかしの木から生み出して食べやすくして器に入れる。
 何やら嬉しそうで満足そうな、彼女を見てると僕まで誇らしい気持ちになる。

 ★★★

「じゃあ、私達もご飯作って食べようか?」

 樹里じゅりさんが家に入ろうという仕草をした後、ふと気配を感じた。あやかしの木を見ると、立派なモモ肉がなっていた…。それはもう大量に…。僕らが大量に食べる事を想定したのかな…、あやかしの木は……。それにしても多くない?

 調理してもらう側としては、たらりと冷や汗が流れそうだけど、その分僕も手伝おう。

「ありがたいけど……、木にお肉がなってるのは少しシュールね……。知人に聞いたイノシシの血抜きとかが浮かぶわね……。私は見たことないけど」

 そう言いながら、樹里じゅりさんは、庭の水道で念入りに手を洗い、詩紋しもんと僕もそれにならった。
 そして樹里じゅりさんは、あやかしの木になった、お肉を手に取りキッチンへ向かい、僕らもそれを追いかける。

 ★★★
 
 どんどん材料を調理していく樹里じゅりさんは魔法使いみたいだなって思った。

「二人は何食べたいかな?」

「僕らはサラダ大好きですよ!ツナとかも!」
僕はニコニコしながら答え、コクコク頷く詩紋しもん

「確か水菜ときゅうりはあったから……」

 ちょっとした工程にこだわりがあるのか、確認しつつ、的確に料理を生み出していく樹里じゅりさんに僕も詩紋しもんも見惚れてしまう。

「どうかな?」

 そう言うと僕たちに、出来たてのドレッシングをかけたサラダを差し出して、味見をさせてくれる。なんだかごまの香りが美味しそう…。ツナとマヨネーズは食べたことがあったけど、こんな味は初めてで、すごく幸せな気分になった。

「マヨネーズやツナを、こんな風に使ったのね…。こってりしてるのかと思うと、さっぱりしててすごい!こんなの初めて食べたけどすごく好き~」

 詩紋しもんも頬を染め、咀嚼を続けている。

樹里じゅりさん!美味しいです!」

 美味しくて嬉しいのは僕らなのに、樹里じゅりさんの方が幸せそうに、僕らを見て笑うから詩紋しもんと視線を合わせたあと、つられて僕らも笑ってしまった。
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