41 / 50
天敵
天敵8★
しおりを挟む
私は文鳥姿の雪くんと詩紋ちゃんを思う存分堪能した。遊び疲れた彼らは、今私の手の中で気持ちよさそうに寝ている。
安心してるみたいで、ぺたりとお腹をつけて寝ているのか、手のひらに広がる温もりと、トクトクと穏やかな心音が響いてくる。
そんな風に体を預けてくる子には、触れたことがなかったので、知らなかったけど……。彼らを手の中に握っていると、私も何やら眠くなる……。
催眠成分でも醸し出してるのかな……、そう思うほどに……。
私もつられてウトウトしそうになった頃、「「ただいまー」」と声が響いた。
千鶴さんとロゼくんが、帰ってきたみたいだ。
雪くんも詩紋ちゃんも、眠そうな目をうっすら開けて、ぽや~と寝ぼけてる顔を浮かべていて可愛い。
「もう少し休んでいて?」と机の上に置いていたタオルの上に、彼らを移動しようとすると、すかさず私の手元から絨毯の上に飛び降りて、人の姿に戻る雪くん。
詩紋ちゃんも、よたよたとしたり降りようとするので、慌てておろしてあげる。
★★★
「私寝ちゃってた……。樹里さんの撫で撫で……、気持ちいい……」と頬を染めて言う。
「ふぁ、二人共帰ってきたんですね……。ハンバーグ焼く準備しますか?」
あくびを噛み締め、雪くんにそう聞かれた。「そうしようか」と、千鶴さんとロゼくんの元へと向かう私達。
「詳しい話はあとにしようか…」
そう言ってみんなで、冷蔵庫で寝かせていたハンバーグのたねの形を、整えて焼いていく。
その間に詩紋ちゃんが「スープも温める?」と聞いてきてくれたので、「お願いするね~」と頼んでおく。
しっかり強火で、両面に焼き色をつけて、きれいに焼き色がついたら、お皿に上げていく。
「これは…。まだ中は生じゃないのかい?」
不思議そうな千鶴さん。
「生ですよ。見ててくださいね」
私はそう言うと、ハンバーグの焼いた残りの肉汁の上に、スライスしておいたじゃがいもや人参、付け合せの野菜を乗せていく。
野菜の高さより少し少ない程度に水をはりその上にハンバーグをまた乗せていき、蓋をしめる。
「あ…もしかして蒸すんですか!」
この焼き方は、以前にテレビてみて、覚えていたものだったのだけど、試したらふわふわ肉汁たっぷりで、野菜にもハンバーグの旨味がうつるので、今では好んで作ってる調理方法。
「そうなの。ちょっと全体的に茶色くなっちゃうのは残念だけど、味は美味しいと思うから…」
ゆっくりと、10分程蒸したら完成だ。
そういえば椎茸もあったな~と思い、椎茸の下処理をしてから、小さなフライパンに、オリーブオイルを少したらす。
フライパンが温まったら椎茸をいれ、お塩とレインボーペッパーをミルで削り落とし薄く味付けをする。
ポタージュに生クリームと刻んでおいていたパセリをふりかけスープも完成。
なんか仲良し家族みたいにみんなが手伝ってくれて、ワイワイとご飯を食べるのが嬉しい。
バケットもあったので、斜め切りにしてフライパンで両面炙り、ガーリックバターを塗り込んだ後、とろけるチーズを乗せて、軽くオーブントースターで焼いたら完成。
「みんなが手伝ってくれたから、早く完成したね!」
「それじゃあ食べよう?」
冷蔵庫で味を染みさせていた、カプレーゼもだしてきて、みんなでご飯タイム。
喜んでもらえるかな?
ドキドキしながら、彼らの様子を見ていたけど、私もハンバーグにオーロラソースをかけ、ハンバーグを一口。
コンソメの味わいと、自然なお肉と玉ねぎの甘さに、バジルの爽やかな香りが広がる。
炒めずに生で入れていた分の玉ねぎの、シャクシャクした歯ごたえも残っていて美味しい!
付け合せのお野菜にも、ソースをつけてぱくりと食べると、お肉特有の旨味が染み込んでいて、食べやすい。
「はわー!詩紋…、初めて食べた味ですが…。美味しいです。樹里さん」
頬を染めつつ、そういい食べてくれる詩紋ちゃん。食べる事にしか意識が向っていない、ロゼくん。
「僕にも作れるようになるでしょうか……?」
なんて言いつつ、味わう雪くん。
「あ、赤ワインもあるけど、千鶴さん飲みます? 一人じゃ空けられないから、料理用に使おうかと思ってたのですが…」
「いただこうかな」
「はい! なんか雪くん達も、飲めるのかもだけど……、どうだろう……? 外見的には罪悪感がすごい…けど…」
気を遣ってくれたのか、お子様見た目のあやかしさん達は「お茶がいい」と言ってくれたので、冷蔵庫で水出ししていた、マンゴーの風味のする烏龍茶を注いで三人にも渡した。
こうして私の夜は、楽しく更けていくのであった。
安心してるみたいで、ぺたりとお腹をつけて寝ているのか、手のひらに広がる温もりと、トクトクと穏やかな心音が響いてくる。
そんな風に体を預けてくる子には、触れたことがなかったので、知らなかったけど……。彼らを手の中に握っていると、私も何やら眠くなる……。
催眠成分でも醸し出してるのかな……、そう思うほどに……。
私もつられてウトウトしそうになった頃、「「ただいまー」」と声が響いた。
千鶴さんとロゼくんが、帰ってきたみたいだ。
雪くんも詩紋ちゃんも、眠そうな目をうっすら開けて、ぽや~と寝ぼけてる顔を浮かべていて可愛い。
「もう少し休んでいて?」と机の上に置いていたタオルの上に、彼らを移動しようとすると、すかさず私の手元から絨毯の上に飛び降りて、人の姿に戻る雪くん。
詩紋ちゃんも、よたよたとしたり降りようとするので、慌てておろしてあげる。
★★★
「私寝ちゃってた……。樹里さんの撫で撫で……、気持ちいい……」と頬を染めて言う。
「ふぁ、二人共帰ってきたんですね……。ハンバーグ焼く準備しますか?」
あくびを噛み締め、雪くんにそう聞かれた。「そうしようか」と、千鶴さんとロゼくんの元へと向かう私達。
「詳しい話はあとにしようか…」
そう言ってみんなで、冷蔵庫で寝かせていたハンバーグのたねの形を、整えて焼いていく。
その間に詩紋ちゃんが「スープも温める?」と聞いてきてくれたので、「お願いするね~」と頼んでおく。
しっかり強火で、両面に焼き色をつけて、きれいに焼き色がついたら、お皿に上げていく。
「これは…。まだ中は生じゃないのかい?」
不思議そうな千鶴さん。
「生ですよ。見ててくださいね」
私はそう言うと、ハンバーグの焼いた残りの肉汁の上に、スライスしておいたじゃがいもや人参、付け合せの野菜を乗せていく。
野菜の高さより少し少ない程度に水をはりその上にハンバーグをまた乗せていき、蓋をしめる。
「あ…もしかして蒸すんですか!」
この焼き方は、以前にテレビてみて、覚えていたものだったのだけど、試したらふわふわ肉汁たっぷりで、野菜にもハンバーグの旨味がうつるので、今では好んで作ってる調理方法。
「そうなの。ちょっと全体的に茶色くなっちゃうのは残念だけど、味は美味しいと思うから…」
ゆっくりと、10分程蒸したら完成だ。
そういえば椎茸もあったな~と思い、椎茸の下処理をしてから、小さなフライパンに、オリーブオイルを少したらす。
フライパンが温まったら椎茸をいれ、お塩とレインボーペッパーをミルで削り落とし薄く味付けをする。
ポタージュに生クリームと刻んでおいていたパセリをふりかけスープも完成。
なんか仲良し家族みたいにみんなが手伝ってくれて、ワイワイとご飯を食べるのが嬉しい。
バケットもあったので、斜め切りにしてフライパンで両面炙り、ガーリックバターを塗り込んだ後、とろけるチーズを乗せて、軽くオーブントースターで焼いたら完成。
「みんなが手伝ってくれたから、早く完成したね!」
「それじゃあ食べよう?」
冷蔵庫で味を染みさせていた、カプレーゼもだしてきて、みんなでご飯タイム。
喜んでもらえるかな?
ドキドキしながら、彼らの様子を見ていたけど、私もハンバーグにオーロラソースをかけ、ハンバーグを一口。
コンソメの味わいと、自然なお肉と玉ねぎの甘さに、バジルの爽やかな香りが広がる。
炒めずに生で入れていた分の玉ねぎの、シャクシャクした歯ごたえも残っていて美味しい!
付け合せのお野菜にも、ソースをつけてぱくりと食べると、お肉特有の旨味が染み込んでいて、食べやすい。
「はわー!詩紋…、初めて食べた味ですが…。美味しいです。樹里さん」
頬を染めつつ、そういい食べてくれる詩紋ちゃん。食べる事にしか意識が向っていない、ロゼくん。
「僕にも作れるようになるでしょうか……?」
なんて言いつつ、味わう雪くん。
「あ、赤ワインもあるけど、千鶴さん飲みます? 一人じゃ空けられないから、料理用に使おうかと思ってたのですが…」
「いただこうかな」
「はい! なんか雪くん達も、飲めるのかもだけど……、どうだろう……? 外見的には罪悪感がすごい…けど…」
気を遣ってくれたのか、お子様見た目のあやかしさん達は「お茶がいい」と言ってくれたので、冷蔵庫で水出ししていた、マンゴーの風味のする烏龍茶を注いで三人にも渡した。
こうして私の夜は、楽しく更けていくのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
27
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる