The best is yet to come.

玄道

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メイワクカケテスマナイ

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「大変だったよね~マナも」

 暫く世話になる友人──加奈かながほろ酔いで言う。

「そうね……あまりい人じゃなかったんだ。もっと目が肥えてれば良かった」
 つくづく夢見る乙女だった己を恥じた。

「現実は少女漫画やハーレクインじゃないの。思い知った?」

 追撃の加奈。酒が入ったから容赦がない。負けじと私も呑む。

「ああ、そうよそうですよ!逆ハーレムだと思った私が悪うございました!!ひぇぇん……ぐずっ」

 泣けてきた。酒を呑んだ私が悪い。
「まあまあ、映画でも見よ?何か配信してないかな~?マナ、リクエスト無い?」
「配信の映画?ならアレ見よ?キアヌの」
「ネオ?」
「ジョナサン」
 愛妻家に飢えていた。まだ夢を見ているのか私は。情けない。

「良いよ、最新作配信してるし」
 シリーズ一作目から全て見通すことにした。ちょうど明日加奈の喫茶店も休みなんで。断っておくが純喫茶だ。

「ほれ」
 ポップコーン?ベタだな。
 続いて台所から大量のつまみが出てくる。アタリメ、酢昆布、アーモンドフィッシュ……マシュマロ?

「ちょっ、こんなに食べきれないって!加奈!」

「何時間耐久やると思ってんの?さあお楽しみはこれからだ!」

 それもそうか。映画も人生も、お楽しみはこれからか。

 部屋の照明を暗くして、カーテンを閉める。
 映画が始まった。
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