2 / 3
メイワクカケテスマナイ
しおりを挟む
「大変だったよね~マナも」
暫く世話になる友人──加奈がほろ酔いで言う。
「そうね……あまり好い人じゃなかったんだ。もっと目が肥えてれば良かった」
つくづく夢見る乙女だった己を恥じた。
「現実は少女漫画やハーレクインじゃないの。思い知った?」
追撃の加奈。酒が入ったから容赦がない。負けじと私も呑む。
「ああ、そうよそうですよ!逆ハーレムだと思った私が悪うございました!!ひぇぇん……ぐずっ」
泣けてきた。酒を呑んだ私が悪い。
「まあまあ、映画でも見よ?何か配信してないかな~?マナ、リクエスト無い?」
「配信の映画?ならアレ見よ?キアヌの」
「ネオ?」
「ジョナサン」
愛妻家に飢えていた。まだ夢を見ているのか私は。情けない。
「良いよ、最新作配信してるし」
シリーズ一作目から全て見通すことにした。ちょうど明日加奈の喫茶店も休みなんで。断っておくが純喫茶だ。
「ほれ」
ポップコーン?ベタだな。
続いて台所から大量のつまみが出てくる。アタリメ、酢昆布、アーモンドフィッシュ……マシュマロ?
「ちょっ、こんなに食べきれないって!加奈!」
「何時間耐久やると思ってんの?さあお楽しみはこれからだ!」
それもそうか。映画も人生も、お楽しみはこれからか。
部屋の照明を暗くして、カーテンを閉める。
映画が始まった。
暫く世話になる友人──加奈がほろ酔いで言う。
「そうね……あまり好い人じゃなかったんだ。もっと目が肥えてれば良かった」
つくづく夢見る乙女だった己を恥じた。
「現実は少女漫画やハーレクインじゃないの。思い知った?」
追撃の加奈。酒が入ったから容赦がない。負けじと私も呑む。
「ああ、そうよそうですよ!逆ハーレムだと思った私が悪うございました!!ひぇぇん……ぐずっ」
泣けてきた。酒を呑んだ私が悪い。
「まあまあ、映画でも見よ?何か配信してないかな~?マナ、リクエスト無い?」
「配信の映画?ならアレ見よ?キアヌの」
「ネオ?」
「ジョナサン」
愛妻家に飢えていた。まだ夢を見ているのか私は。情けない。
「良いよ、最新作配信してるし」
シリーズ一作目から全て見通すことにした。ちょうど明日加奈の喫茶店も休みなんで。断っておくが純喫茶だ。
「ほれ」
ポップコーン?ベタだな。
続いて台所から大量のつまみが出てくる。アタリメ、酢昆布、アーモンドフィッシュ……マシュマロ?
「ちょっ、こんなに食べきれないって!加奈!」
「何時間耐久やると思ってんの?さあお楽しみはこれからだ!」
それもそうか。映画も人生も、お楽しみはこれからか。
部屋の照明を暗くして、カーテンを閉める。
映画が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる