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第2章 Alea iacta est!(本編本格始動の章です)
7話2Part 元魔王と堕天使同様、こちらもいつも通りの日常に...と、一筋縄ではいかないようです
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望桜が瑠凪と共にウニクロに行った翌日。
「おはよう鐘音くん!!」
「っはよー!鐘音っちー!!」
「おはよう、帝亜羅、梓」
高校に通い始めてから1ヶ月強。クラスの面子に特に嫌われも好かれもしていない鐘音は、特に仲の良い帝亜羅と梓と共に通学していた。今日は梓の母親がいつもやってくれる送迎が無いため、正門での合流だ。
「にしても、こないだの爆発~、あれも凄かったよねー!!あーしびっくりしちゃった!!」
「確かにすごかったよね~...あ!梓ちゃん!ちょっと鐘音くんにだけ話したいことがあるの!だから先教室いっててくれないかな?」
「...ああ!構わないよ!!先行ってるよ~」
ふと、帝亜羅が梓を先に教室に向かわせた。...話したいこと?
「ありがとー!!!...で、鐘音くんに言いたいことがあるんだけど...」
「何?」
「あのね...この間の、アオンモールの時は、梓ちゃんやほかの人たちを守ってくれて、ありがとう!」
「...え?...ごめん、もう1回言ってくれる?」
「この間は、ありがとうって...あれ?」
...想定外が過ぎるでしょこの子...
帝亜羅がたとえ下界にもごく稀にいる、魔力耐性がある人間ってやつだったとしても、この間の記憶消去魔法をかけた人は勇者である聖火崎だ。
それに一定量の人間にまとめてかけるタイプじゃなくて、1人の人間の記憶を、丁寧に集中して消すタイプの魔法だったはずだ。
...それなのに、記憶が消えていない?どう考えてもおかしい。前代未聞だ。
「あ、この間ね、あの時は結構焦ってて、結界とかも雑だったから、振動とかはいっちゃってたかもだけど...あ、ちょっと電話してきていい?すぐ戻るから」
「あ、うん!まだ言いたいことはあるんだけど、HR後に話すね!」
「うん」
帝亜羅の姿が階段に消えた後、猛ダッシュで屋上を目指す。
うちの學園の屋上は常に解放されていて、朝から登ることが出来る。そして朝は特別人がいない。だから屋上に向かった。
...頼れる師匠に電話するために。
『...はーい、桃塚ですけどー...』
「師匠!!」
『え?あー、鐘音?どしたのこんな朝っぱらから...僕今忙しいんだけど~...』
会話の合間合間に聞こえるスマホゲームの音は無視して、話を続ける。...無自覚だったけどかなり焦ってたらしく、固定電話の方にかけてしまった。僕らしくもない。
「あの、帝亜羅の記憶が、アオンモールと市役所での戦闘の記憶が、消えてなかった」
『帝亜羅ちゃんの?たしかあの腕斬られてた子...もしかしたら...ねえ鐘音』
「何?」
『むか~...っしの地球の兵隊さんが使ってて、現勇者軍の元帥のシメオンや僕や或斗が使う記憶術のやり方、知ってる?』
「えーと...ごめん、知らない」
『自傷行為をして、痛覚と結びつけて記憶する方法なんだけど...』
...確かに、勇者軍の大元帥のシメオンも、師匠や或斗は、腕や足に包帯をまいてることがしばしばあった。それはそういう...
「...自傷行為?痛覚と結び付けて...あ」
『気づいた?帝亜羅ちゃんはあの時、腕を斬られてて、絶対的に多少なり痛みが走ってたはずだろ?だからそれで覚えてるんだと思う』
「でも、それって魔法より強い効果があるのかな?」
『多分、耐性が関わってきてるんだよ。魔力への耐性があるかもってのは、前の、或斗が巻き込まれた爆破事件の時の話で何となくわかるけど、もしかしたら神気への耐性もあるのかも』
「なるほど...ありがとう、師匠」
『ほーい』
そう言われ電話が切れた。なるほど、痛覚と結びついて...確かに、痛い思いをした出来事のことは、忘れたくてもなかなか忘れられないし...
傷口や傷口があった所を見るだけでも虫唾が走るし、頭の中ではその時の記憶がフラッシュバックして、また思い出す。嫌な悪循環。
そう頭の中で記憶の整理をしながら、階段を降りて教室に駆け込む。HR1分前、ギリギリ。
「鐘音~、ギリギリだぞ~」
「すみません、先生」
こちらもまた、いつも通りの日常の幕が上がっていた。いろいろ想定外はあったけど、きっと大丈夫だ。
なぜなら帝亜羅なら大丈夫という気が、鐘音の中でなぜか湧いていたから。
───────────────Now Loading───────────────
いつも通りバイトして帰ってきたところ、家の中から元気な声が聞こえてきた。
「ただいま「うー!おかえりなのだ!!」
「...お?」
「こら晴瑠陽、うるさいのだよ」
「おかえり望桜」
「おかえりなのだ!!」
「おー!!目ぇ覚めたのか!晴瑠陽!!」
「うー!!そのとおりなのだ!げんきいっぱいだー!!」
「おおおww」
...晴瑠陽が目を覚ました。まる2日、もしかして魔力の使いすぎで脳死(謎理論)とかになったんじゃ?(深刻)とか思っちゃってたりもしたが...
元気で良かった。あの紫の瞳の時のも可愛いけど、こう元気いっぱい系の子も可愛いよなー...ぐふふ
「ところで...お前らパソコン使って何してたんだ?」
そう、俺が帰ってきた時、みんな3日前に買ったばかりのノートパソコンの前にたむろしていた。...ほら、俺って一応みんなの上司だから、気になるんだよな、あーいうの。
「ゆーちゅーぶだぞ!!」
「YouTube?」
「これを見給え」
「どれどれ...」
『街の美男·美女さんに声をかけてみた~!!⑤ !今回は兵庫県神戸市にて取材してみた!ということで、今日は取材OKしてくれた5人の美男·美女さんを紹介していくよー!!』
「...ほえー...なんでこれ見てたんだ?お前ら興味無さそうだが...」
的李と鐘音はあまり他人に興味がないからこーいうの見なさそそうだし、晴瑠陽はそもそも日本語は話せるが読める訳では無い。...単純に気になる、なんでだ?
「あー...まあ見てればわかるから」
「そーだぞー!!なんかいでもみてられるきがするぞ!!」
「へえー...そんなに...」
『...さて、お次はこの方です!こんにちは!』
『...あ、俺ですか?こんにちは』
...あ、或斗だ。この薄紫色の髪に黄色の目、間違いない...
『お兄さんかっこいいですね!』
『そうですか?あまり自覚はないのですが...』
『ほほう...ところで、今は何をされてたんですか?その手の鞄には...?』
『あー、これは夕食の買い出しで、使うので買った物が色々入ってます。今は...そうですね、連れを待ってます』
『なるほど!お連れの方を待ってると!そのお方にも取材させていただいてもいいですか?』
『ええ、構いませんよ。ただ、ちょっと素直に写ってくれはしないかもですが...』
『そうなんですね!』
連れ...瑠凪か太鳳か。でも多分太鳳ではないだろう。買い出しの付き添いなんていかにも荷物持ち等させられそうな方に、彼女が自らついて行くとは思えない。
或斗は1人で荷物持てるし、彼女が視界に入るのも嫌...みたいなこと言ってたしな。
知ってると思うが、太鳳...サルガタナスは或斗ことアスタロトの配下だ。視界に入るのも嫌な相手なら、今更ながら、どうして部下にしたんだろう。
『...あ、戻ってきたみたいです』
『お、おおー!!!綺麗な方ですね!!彼女ですか?』
『いえ、同居人です』
...やっぱ瑠凪だった。可愛い、今日も嫁(望桜の素晴らしき妄想)が可愛い。尊い。
或斗の元にとことこと駆け寄ってくるその様はもうとても可愛くて、それでいてその通りのことを本人に伝えたら怒るから、そこもまた可愛い。
...もしこの動画を100人に見せて、もしこの子と結婚するなら嫁と旦那どっちにしますかって聞いたら、100人中100人が嫁にするって答えるだろう。そのくらい可愛い。
『或斗~...あれ?誰?』
そして或斗の元に辿り着くやいなや、カメラに気づいてすぐに自身の部下の後ろに隠れる瑠凪。可愛い。...俺今までに何回可愛いって言った?だって可愛いんだもん、仕方ないよな。
『あ、すみません!!ちょっと今、街の美男·美女に声をかけてみよう!って企画で、お連れの方に取材させてもらってたんですよ~...取材、OKですか?』
『...テレビ?』
『YouTubeだそうですよ、主様』
『ふーん...まあ、別に構わない...よ?』
『ありがとうございます!!早速ですが、お顔を見せてもらっていいですかね...?』
『え、い、いい...けど...』
『けど...?』
部下の背からゆっっっくり顔を出しつつ、頬をほんのり紅潮させながら...一言、
『ちょっと、恥ずかしい...』
『え、か、可愛い...!!』「可愛い...」
雌黄色の瞳が、藍色の前髪の間でちらちらと様子を伺っている。
「記者と同時に呻くとこ気持ち悪い」
「左におなじ」
「お前ら...でも可愛いから仕方ねえだろ!!」
「まあ、否定はしないけど...でもキモイ」
『...あ、そうなんですね!!へえー!!あ、では今日はありがとうございました!!』
「終わった、可愛かった~...」
「ルシファーはもともとかわいいからな!いったらおこるけど!」
「全力で同意するぜ!あ、ところで晴瑠陽...とあと他の2人はパソコンとか使えるのか?」
「うー!!おれたちはぱそこんつかえないぞー!!」
「ほえー...」
「君達ね...ご飯の用意は出来てるのだから、さっさと食べてくれないと困るのだよ...望桜、弁当は買ってきたんだろうね?」
「もっちのろん!買ってきてるぜ!」
「わー!!べんとうってなんだ?」
「食べるやつだよ晴瑠陽」
「おおー!!」
こうして元魔王と側近悪魔、暴食悪魔に、新たに加わった大悪魔のせいで、就寝時に誰が寝台を使って寝るのか大モメになったのだった。
───────────────to be continued──────────────
「おはよう鐘音くん!!」
「っはよー!鐘音っちー!!」
「おはよう、帝亜羅、梓」
高校に通い始めてから1ヶ月強。クラスの面子に特に嫌われも好かれもしていない鐘音は、特に仲の良い帝亜羅と梓と共に通学していた。今日は梓の母親がいつもやってくれる送迎が無いため、正門での合流だ。
「にしても、こないだの爆発~、あれも凄かったよねー!!あーしびっくりしちゃった!!」
「確かにすごかったよね~...あ!梓ちゃん!ちょっと鐘音くんにだけ話したいことがあるの!だから先教室いっててくれないかな?」
「...ああ!構わないよ!!先行ってるよ~」
ふと、帝亜羅が梓を先に教室に向かわせた。...話したいこと?
「ありがとー!!!...で、鐘音くんに言いたいことがあるんだけど...」
「何?」
「あのね...この間の、アオンモールの時は、梓ちゃんやほかの人たちを守ってくれて、ありがとう!」
「...え?...ごめん、もう1回言ってくれる?」
「この間は、ありがとうって...あれ?」
...想定外が過ぎるでしょこの子...
帝亜羅がたとえ下界にもごく稀にいる、魔力耐性がある人間ってやつだったとしても、この間の記憶消去魔法をかけた人は勇者である聖火崎だ。
それに一定量の人間にまとめてかけるタイプじゃなくて、1人の人間の記憶を、丁寧に集中して消すタイプの魔法だったはずだ。
...それなのに、記憶が消えていない?どう考えてもおかしい。前代未聞だ。
「あ、この間ね、あの時は結構焦ってて、結界とかも雑だったから、振動とかはいっちゃってたかもだけど...あ、ちょっと電話してきていい?すぐ戻るから」
「あ、うん!まだ言いたいことはあるんだけど、HR後に話すね!」
「うん」
帝亜羅の姿が階段に消えた後、猛ダッシュで屋上を目指す。
うちの學園の屋上は常に解放されていて、朝から登ることが出来る。そして朝は特別人がいない。だから屋上に向かった。
...頼れる師匠に電話するために。
『...はーい、桃塚ですけどー...』
「師匠!!」
『え?あー、鐘音?どしたのこんな朝っぱらから...僕今忙しいんだけど~...』
会話の合間合間に聞こえるスマホゲームの音は無視して、話を続ける。...無自覚だったけどかなり焦ってたらしく、固定電話の方にかけてしまった。僕らしくもない。
「あの、帝亜羅の記憶が、アオンモールと市役所での戦闘の記憶が、消えてなかった」
『帝亜羅ちゃんの?たしかあの腕斬られてた子...もしかしたら...ねえ鐘音』
「何?」
『むか~...っしの地球の兵隊さんが使ってて、現勇者軍の元帥のシメオンや僕や或斗が使う記憶術のやり方、知ってる?』
「えーと...ごめん、知らない」
『自傷行為をして、痛覚と結びつけて記憶する方法なんだけど...』
...確かに、勇者軍の大元帥のシメオンも、師匠や或斗は、腕や足に包帯をまいてることがしばしばあった。それはそういう...
「...自傷行為?痛覚と結び付けて...あ」
『気づいた?帝亜羅ちゃんはあの時、腕を斬られてて、絶対的に多少なり痛みが走ってたはずだろ?だからそれで覚えてるんだと思う』
「でも、それって魔法より強い効果があるのかな?」
『多分、耐性が関わってきてるんだよ。魔力への耐性があるかもってのは、前の、或斗が巻き込まれた爆破事件の時の話で何となくわかるけど、もしかしたら神気への耐性もあるのかも』
「なるほど...ありがとう、師匠」
『ほーい』
そう言われ電話が切れた。なるほど、痛覚と結びついて...確かに、痛い思いをした出来事のことは、忘れたくてもなかなか忘れられないし...
傷口や傷口があった所を見るだけでも虫唾が走るし、頭の中ではその時の記憶がフラッシュバックして、また思い出す。嫌な悪循環。
そう頭の中で記憶の整理をしながら、階段を降りて教室に駆け込む。HR1分前、ギリギリ。
「鐘音~、ギリギリだぞ~」
「すみません、先生」
こちらもまた、いつも通りの日常の幕が上がっていた。いろいろ想定外はあったけど、きっと大丈夫だ。
なぜなら帝亜羅なら大丈夫という気が、鐘音の中でなぜか湧いていたから。
───────────────Now Loading───────────────
いつも通りバイトして帰ってきたところ、家の中から元気な声が聞こえてきた。
「ただいま「うー!おかえりなのだ!!」
「...お?」
「こら晴瑠陽、うるさいのだよ」
「おかえり望桜」
「おかえりなのだ!!」
「おー!!目ぇ覚めたのか!晴瑠陽!!」
「うー!!そのとおりなのだ!げんきいっぱいだー!!」
「おおおww」
...晴瑠陽が目を覚ました。まる2日、もしかして魔力の使いすぎで脳死(謎理論)とかになったんじゃ?(深刻)とか思っちゃってたりもしたが...
元気で良かった。あの紫の瞳の時のも可愛いけど、こう元気いっぱい系の子も可愛いよなー...ぐふふ
「ところで...お前らパソコン使って何してたんだ?」
そう、俺が帰ってきた時、みんな3日前に買ったばかりのノートパソコンの前にたむろしていた。...ほら、俺って一応みんなの上司だから、気になるんだよな、あーいうの。
「ゆーちゅーぶだぞ!!」
「YouTube?」
「これを見給え」
「どれどれ...」
『街の美男·美女さんに声をかけてみた~!!⑤ !今回は兵庫県神戸市にて取材してみた!ということで、今日は取材OKしてくれた5人の美男·美女さんを紹介していくよー!!』
「...ほえー...なんでこれ見てたんだ?お前ら興味無さそうだが...」
的李と鐘音はあまり他人に興味がないからこーいうの見なさそそうだし、晴瑠陽はそもそも日本語は話せるが読める訳では無い。...単純に気になる、なんでだ?
「あー...まあ見てればわかるから」
「そーだぞー!!なんかいでもみてられるきがするぞ!!」
「へえー...そんなに...」
『...さて、お次はこの方です!こんにちは!』
『...あ、俺ですか?こんにちは』
...あ、或斗だ。この薄紫色の髪に黄色の目、間違いない...
『お兄さんかっこいいですね!』
『そうですか?あまり自覚はないのですが...』
『ほほう...ところで、今は何をされてたんですか?その手の鞄には...?』
『あー、これは夕食の買い出しで、使うので買った物が色々入ってます。今は...そうですね、連れを待ってます』
『なるほど!お連れの方を待ってると!そのお方にも取材させていただいてもいいですか?』
『ええ、構いませんよ。ただ、ちょっと素直に写ってくれはしないかもですが...』
『そうなんですね!』
連れ...瑠凪か太鳳か。でも多分太鳳ではないだろう。買い出しの付き添いなんていかにも荷物持ち等させられそうな方に、彼女が自らついて行くとは思えない。
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知ってると思うが、太鳳...サルガタナスは或斗ことアスタロトの配下だ。視界に入るのも嫌な相手なら、今更ながら、どうして部下にしたんだろう。
『...あ、戻ってきたみたいです』
『お、おおー!!!綺麗な方ですね!!彼女ですか?』
『いえ、同居人です』
...やっぱ瑠凪だった。可愛い、今日も嫁(望桜の素晴らしき妄想)が可愛い。尊い。
或斗の元にとことこと駆け寄ってくるその様はもうとても可愛くて、それでいてその通りのことを本人に伝えたら怒るから、そこもまた可愛い。
...もしこの動画を100人に見せて、もしこの子と結婚するなら嫁と旦那どっちにしますかって聞いたら、100人中100人が嫁にするって答えるだろう。そのくらい可愛い。
『或斗~...あれ?誰?』
そして或斗の元に辿り着くやいなや、カメラに気づいてすぐに自身の部下の後ろに隠れる瑠凪。可愛い。...俺今までに何回可愛いって言った?だって可愛いんだもん、仕方ないよな。
『あ、すみません!!ちょっと今、街の美男·美女に声をかけてみよう!って企画で、お連れの方に取材させてもらってたんですよ~...取材、OKですか?』
『...テレビ?』
『YouTubeだそうですよ、主様』
『ふーん...まあ、別に構わない...よ?』
『ありがとうございます!!早速ですが、お顔を見せてもらっていいですかね...?』
『え、い、いい...けど...』
『けど...?』
部下の背からゆっっっくり顔を出しつつ、頬をほんのり紅潮させながら...一言、
『ちょっと、恥ずかしい...』
『え、か、可愛い...!!』「可愛い...」
雌黄色の瞳が、藍色の前髪の間でちらちらと様子を伺っている。
「記者と同時に呻くとこ気持ち悪い」
「左におなじ」
「お前ら...でも可愛いから仕方ねえだろ!!」
「まあ、否定はしないけど...でもキモイ」
『...あ、そうなんですね!!へえー!!あ、では今日はありがとうございました!!』
「終わった、可愛かった~...」
「ルシファーはもともとかわいいからな!いったらおこるけど!」
「全力で同意するぜ!あ、ところで晴瑠陽...とあと他の2人はパソコンとか使えるのか?」
「うー!!おれたちはぱそこんつかえないぞー!!」
「ほえー...」
「君達ね...ご飯の用意は出来てるのだから、さっさと食べてくれないと困るのだよ...望桜、弁当は買ってきたんだろうね?」
「もっちのろん!買ってきてるぜ!」
「わー!!べんとうってなんだ?」
「食べるやつだよ晴瑠陽」
「おおー!!」
こうして元魔王と側近悪魔、暴食悪魔に、新たに加わった大悪魔のせいで、就寝時に誰が寝台を使って寝るのか大モメになったのだった。
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