122 / 173
第4章 (元)魔王と勇者の憩場に
25話5Part Parallel⑤
しおりを挟む
「......ねえ鐘音、本当にこっちで合ってるんでしょうね?」
「......そんなに不安なら、自分で探せばいいじゃん」
森の中にある道を進んでいる中で聖火崎が鐘音にそう訊ねかけ、鐘音がそれを聞いてため息混じりで不機嫌そうに言い返した。
......運良く(?)合流できた一同が、恐らく自分達をこの異空間に閉じ込めた犯人であろう人物を倒すために一致団結してその場所に向かい始めた5分後、それまでは沢山あったたどり着くための手がかりが途端になくなってしまった(かくかくしかじかで)。
絵に書いたように綺麗に立ち往生することになってしまった一同に、ふと鐘音がこう声をかけた。
......僕なら犯人の居場所が分かる、と。
その言葉に一同はぱっと顔を上げて"その場所に行こう!!"と口を揃えて鐘音に伝え、結果的に鐘音の先導で犯人の場所に向かい、戦える人員フル稼働させて敵を倒して即脱出、という諸刃の剣な計画ができあがったのだった。
そして今は、その計画の第1段階である"鐘音の先導で犯人の場所に行く"を進行している真っ最中なのだ。
「いや、だって......」
聖火崎は辺りを怪訝の目で見回した後、そう言って言葉を濁した。
......鐘音曰く"聖火崎が感知してる魔力反応の場所が犯人のいる場所"らしいのだが、明らかに反対方向に向かって進まされているのだ。違和感を感じない方がおかしいというもの。
それに、先程から的李が辺りを警戒し続けている。まあ、変な異空間に閉じ込められていて、しかもトラップが設置してあり敵もいる、となると当たり前の行動なのだが......
辺りには一切の魔力·神気反応がなく、おまけにトラップらしきものも街中にしかないっぽいのだ。それは、事前に行った入念な探索によりしっかりと確認済みなのだが......
......的李が警戒している対象が、どう見ても"確実に来るとわかっているもの"なのだ。来るかわからないのではなく、確実に来る......恐らく、的李なりに色々考えた結果、確実に相手が来る、とでも考えたのだろう。
上記の2つがあって、聖火崎は言葉を濁しながらも鐘音に"本当にこっちで合っているのか"と訊ねかけたのだ。
「はあ......さっきも言ったでしょ、迂回してかないとトラップに引っかかるって」
「でも、わざわざ道を通る必要もないんでしょ?ゲームの世界じゃないんだから、決められた範囲以外も行けるはずよ」
「そうだけど......進むのに危険が伴わない道はこっちだから」
「はあ?多少のリスクぐらいなら払ってかなきゃ帰れないレベルしか時間がないのよ?最悪、即死トラップ以外は突っ切っていかないとってぐらいには」
「帝亜羅と梓もいるんだから、それはダメでしょ。とにかく、こっちの道から迂回して行く」
「なんでそんなに頑ななのよ......」
聖火崎の意見に、鐘音はまるで聞く耳を持たない。頑なに意見を曲げようとしない姿勢に、聖火崎は思わずため息混じりにそう呟いた。
......自分だって、戦う力を持たない帝亜羅と梓の身を案じない訳ではない。ただ、少なくとも即死以外のほぼ全てのトラップを退けられて、且つモニュメント等の通常の敵となら普通に戦える面子なのだから、ある程度の危険を冒してでも時間を無駄にしないようにすべきだ。
それなのに......鐘音の安全ながら回り道なルート選択に、聖火崎はどうしても内心"これ本当に大丈夫なの?"と考えている。でも、自分が変に動けば、周りを危険な目に合わせるかもしれない。そうも考えているので、動きたくても動けずにいるのだ。
「......着いた」
......と、あれこれ考えているうちにどうやら目的地に着いたらしく、鐘音が辺りを見回しながら小さく声を上げた。
「着いた?っていないじゃない!!ってゆーかまだ街の中だし、魔力反応はー......」
それに流石にイラッときた聖火崎が、魔力感知スキルを使って周りを調べてみた。しかし、
「......え、いない......?」
周囲には一切の魔力反応がない。やはり、鐘音は誰もいないところに自分達を案内していた......?
聖火崎の中で、鐘音への不信感が最高潮に達しようとしていたその時だった。
『ピピーィィン、ポォーォォン、パァァーァァン、ポーォーオオンン』
「「っ!?」」
再び変な放送が入ったようで、サイレンからかなり音割れしたチャイムが流れた。その瞬間、的李と或斗がそれぞれ小さく呻き声を上げて頭を抱え始めた。
「っが、ぁっ......」
「、っ、......」
「ちょっと2人ともどうしたのよ!!」
「大丈夫か的李!!或斗!!」
頭を両手で押さえて苦しみ出した2人を見て、一同は焦ることしかできない。
「......」
......ただ1人を除いて。
「ちょっと鐘音っ、あなたなんとも思わなっ......」
ガウンッ......
「っぐ、ぅ............けふっ......」
「............ぇ?」
目の前の惨状とも呼べる有様に、聖火崎の驚きの声は驚きを体現する間もなく銃声が木々の間を木霊する音によって掻き消された。
......鐘音が腰に提げていたガンホルダーからマグナムを取り出して、あろう事か目の前で頭を抱えて蹲っていた或斗の腹を撃ち抜いたのだ。
飛び散った常人の物よりも黒みがかった朱と呆気なく口から血を吐いた或斗の姿、そしてただ呆然と立ち尽くす事しか出来ていない望桜と帝亜羅の姿が余計にその場の沈黙を際立たせていた。
「ちょっとあんた何やってっ............はぁ......?」
その行為を目前に聖火崎がようやっと鐘音の手からマグナムを奪い取るべく動きだそうとしたが、体はぴくりとも動かなかった。
......カシャコン、ガウンッ......
聖火崎が自身の身体がぴくりとも動かない事に一瞬だが動揺している内に、再びマグナムが火を吹いた。勢いよく飛び出た鉛弾は、今度は的李の右脚の付け根を貫く。
「っ、......、」
無音の呻き声を上げた的李は、撃ち抜かれた部分を両手で押えて苦しげに顔を歪ませながら鐘音の事を睨みつけている。
「っ!!ちょっと、あんた!!マジで何やっ、か、ぁっ......」
その光景をも目前にしていた聖火崎が目線だけを鐘音の方に向けて、唯一動く口を動かして鐘音に一言言おうとした瞬間に、聖火崎もまた割れるような頭の痛みを感じて地面に伏せざるを得なくなったのだ。
不可抗力だ。体全体の力が一気に抜けてしまうぐらい頭が痛み、まるで頭蓋骨内で鐘付きでもされているのかと錯覚してしまう程に、脳がガンガンと揺さぶられている。否、それもまた錯覚なのだろうが......
もう、どれが現実でどれが錯覚なのかの判別が付けられないほどに狼狽させられてしまった。聖火崎もまた、的李と或斗の膝を屈した何かからの攻撃を受けたのだ。
軽く朦朧としてきた意識の中、聖火崎は直感でそう感じた。
「......敵の戦闘の主戦力を潰した。次に......」
......、......
聖火崎の霞む視界と耳鳴りに6割型支配された聴覚の中で、鐘音がそう呟いて銃口を静かにこちらに向けた事だけがしっかりと認識できた。
「......サブ戦力を潰す」
「っ......、......く、そがっ............ぁ、い、ぎっ......」
ただただ這いつくばって、悪態と血を吐くことしかできない。後方では、聖火崎と同じように動けない望桜と帝亜羅が小さく息を呑んだのが分かった。
─────────────To Be Continued──────────────
「......そんなに不安なら、自分で探せばいいじゃん」
森の中にある道を進んでいる中で聖火崎が鐘音にそう訊ねかけ、鐘音がそれを聞いてため息混じりで不機嫌そうに言い返した。
......運良く(?)合流できた一同が、恐らく自分達をこの異空間に閉じ込めた犯人であろう人物を倒すために一致団結してその場所に向かい始めた5分後、それまでは沢山あったたどり着くための手がかりが途端になくなってしまった(かくかくしかじかで)。
絵に書いたように綺麗に立ち往生することになってしまった一同に、ふと鐘音がこう声をかけた。
......僕なら犯人の居場所が分かる、と。
その言葉に一同はぱっと顔を上げて"その場所に行こう!!"と口を揃えて鐘音に伝え、結果的に鐘音の先導で犯人の場所に向かい、戦える人員フル稼働させて敵を倒して即脱出、という諸刃の剣な計画ができあがったのだった。
そして今は、その計画の第1段階である"鐘音の先導で犯人の場所に行く"を進行している真っ最中なのだ。
「いや、だって......」
聖火崎は辺りを怪訝の目で見回した後、そう言って言葉を濁した。
......鐘音曰く"聖火崎が感知してる魔力反応の場所が犯人のいる場所"らしいのだが、明らかに反対方向に向かって進まされているのだ。違和感を感じない方がおかしいというもの。
それに、先程から的李が辺りを警戒し続けている。まあ、変な異空間に閉じ込められていて、しかもトラップが設置してあり敵もいる、となると当たり前の行動なのだが......
辺りには一切の魔力·神気反応がなく、おまけにトラップらしきものも街中にしかないっぽいのだ。それは、事前に行った入念な探索によりしっかりと確認済みなのだが......
......的李が警戒している対象が、どう見ても"確実に来るとわかっているもの"なのだ。来るかわからないのではなく、確実に来る......恐らく、的李なりに色々考えた結果、確実に相手が来る、とでも考えたのだろう。
上記の2つがあって、聖火崎は言葉を濁しながらも鐘音に"本当にこっちで合っているのか"と訊ねかけたのだ。
「はあ......さっきも言ったでしょ、迂回してかないとトラップに引っかかるって」
「でも、わざわざ道を通る必要もないんでしょ?ゲームの世界じゃないんだから、決められた範囲以外も行けるはずよ」
「そうだけど......進むのに危険が伴わない道はこっちだから」
「はあ?多少のリスクぐらいなら払ってかなきゃ帰れないレベルしか時間がないのよ?最悪、即死トラップ以外は突っ切っていかないとってぐらいには」
「帝亜羅と梓もいるんだから、それはダメでしょ。とにかく、こっちの道から迂回して行く」
「なんでそんなに頑ななのよ......」
聖火崎の意見に、鐘音はまるで聞く耳を持たない。頑なに意見を曲げようとしない姿勢に、聖火崎は思わずため息混じりにそう呟いた。
......自分だって、戦う力を持たない帝亜羅と梓の身を案じない訳ではない。ただ、少なくとも即死以外のほぼ全てのトラップを退けられて、且つモニュメント等の通常の敵となら普通に戦える面子なのだから、ある程度の危険を冒してでも時間を無駄にしないようにすべきだ。
それなのに......鐘音の安全ながら回り道なルート選択に、聖火崎はどうしても内心"これ本当に大丈夫なの?"と考えている。でも、自分が変に動けば、周りを危険な目に合わせるかもしれない。そうも考えているので、動きたくても動けずにいるのだ。
「......着いた」
......と、あれこれ考えているうちにどうやら目的地に着いたらしく、鐘音が辺りを見回しながら小さく声を上げた。
「着いた?っていないじゃない!!ってゆーかまだ街の中だし、魔力反応はー......」
それに流石にイラッときた聖火崎が、魔力感知スキルを使って周りを調べてみた。しかし、
「......え、いない......?」
周囲には一切の魔力反応がない。やはり、鐘音は誰もいないところに自分達を案内していた......?
聖火崎の中で、鐘音への不信感が最高潮に達しようとしていたその時だった。
『ピピーィィン、ポォーォォン、パァァーァァン、ポーォーオオンン』
「「っ!?」」
再び変な放送が入ったようで、サイレンからかなり音割れしたチャイムが流れた。その瞬間、的李と或斗がそれぞれ小さく呻き声を上げて頭を抱え始めた。
「っが、ぁっ......」
「、っ、......」
「ちょっと2人ともどうしたのよ!!」
「大丈夫か的李!!或斗!!」
頭を両手で押さえて苦しみ出した2人を見て、一同は焦ることしかできない。
「......」
......ただ1人を除いて。
「ちょっと鐘音っ、あなたなんとも思わなっ......」
ガウンッ......
「っぐ、ぅ............けふっ......」
「............ぇ?」
目の前の惨状とも呼べる有様に、聖火崎の驚きの声は驚きを体現する間もなく銃声が木々の間を木霊する音によって掻き消された。
......鐘音が腰に提げていたガンホルダーからマグナムを取り出して、あろう事か目の前で頭を抱えて蹲っていた或斗の腹を撃ち抜いたのだ。
飛び散った常人の物よりも黒みがかった朱と呆気なく口から血を吐いた或斗の姿、そしてただ呆然と立ち尽くす事しか出来ていない望桜と帝亜羅の姿が余計にその場の沈黙を際立たせていた。
「ちょっとあんた何やってっ............はぁ......?」
その行為を目前に聖火崎がようやっと鐘音の手からマグナムを奪い取るべく動きだそうとしたが、体はぴくりとも動かなかった。
......カシャコン、ガウンッ......
聖火崎が自身の身体がぴくりとも動かない事に一瞬だが動揺している内に、再びマグナムが火を吹いた。勢いよく飛び出た鉛弾は、今度は的李の右脚の付け根を貫く。
「っ、......、」
無音の呻き声を上げた的李は、撃ち抜かれた部分を両手で押えて苦しげに顔を歪ませながら鐘音の事を睨みつけている。
「っ!!ちょっと、あんた!!マジで何やっ、か、ぁっ......」
その光景をも目前にしていた聖火崎が目線だけを鐘音の方に向けて、唯一動く口を動かして鐘音に一言言おうとした瞬間に、聖火崎もまた割れるような頭の痛みを感じて地面に伏せざるを得なくなったのだ。
不可抗力だ。体全体の力が一気に抜けてしまうぐらい頭が痛み、まるで頭蓋骨内で鐘付きでもされているのかと錯覚してしまう程に、脳がガンガンと揺さぶられている。否、それもまた錯覚なのだろうが......
もう、どれが現実でどれが錯覚なのかの判別が付けられないほどに狼狽させられてしまった。聖火崎もまた、的李と或斗の膝を屈した何かからの攻撃を受けたのだ。
軽く朦朧としてきた意識の中、聖火崎は直感でそう感じた。
「......敵の戦闘の主戦力を潰した。次に......」
......、......
聖火崎の霞む視界と耳鳴りに6割型支配された聴覚の中で、鐘音がそう呟いて銃口を静かにこちらに向けた事だけがしっかりと認識できた。
「......サブ戦力を潰す」
「っ......、......く、そがっ............ぁ、い、ぎっ......」
ただただ這いつくばって、悪態と血を吐くことしかできない。後方では、聖火崎と同じように動けない望桜と帝亜羅が小さく息を呑んだのが分かった。
─────────────To Be Continued──────────────
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~
こじまき
ファンタジー
【読んでいただいて♡いただいて、ありがとうございます。王城編準備中のため、12月12日からしばらく更新お休みします。考えてた構成が「やっぱなんか違う」ってなり、慌てております…汗】
「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる