Rotstufen!!─何もしなくても異世界魔王になれて、勇者に討伐されかけたので日本に帰ってきました─

甘都生てうる@なにまお!!

文字の大きさ
162 / 173
第5章 堕天使は聖教徒教会の

31話3Part 晴耕雨読③

しおりを挟む
「僕のかぁわい~い"弟"に、キスされたんですから」

「っ、」


 頭蓋骨が割れる鈍い音と共に、領主の頭を易々と潰してしまった。

 そして、"弟"という単語に反応してピクリと反応した或斗の方に、血で汚れたままの腕を大っぴらに広げて、満面の笑みで駆け寄ってくるではないか。


「あすたろ~!!」

「わっ、」

「こんな所で再会できるなんて夢のようです......!まあ、ここにいる事は知ってて来たんですけど......まさか、本当に会えるなんて......!」

「......ぁ、ず......、あず......?」


 そのまま勢いよく抱きついて、未だに呆然としている或斗をぎゅうぎゅうと締め付けながら嬉しそうに言葉を羅列していく天使。

 そんな天使に対して、親しみと親愛を込めて呼んでいた愛称をうわ言のように反覆はんぷくする或斗に、


「はいっ!!僕ですっ、あすたろの頼れるお兄ちゃん、アズライールですよ~!!」


 天使......ことアズライールは、いつの間にか取れていたフードを気にする事もなく、ただただ或斗の事を抱き締めてにこにことしている。


「......ぅあ、あずっ、いきなりぎゅうって、ちょっと苦しっ......ぁわ、うっ」

「ふふふ♪やっぱりあすたろ~は可愛い♪」

「あず......」

「すみません♪でも本当に嬉しくって......!」


 あまりにも唐突に抱きつかれてあわあわと戸惑う或斗に頬を擦り付けながら笑みを浮かべるその光景は、かなり遠目から見ている聖火崎にすら感動(というより衝撃)の再会~という雰囲気がありありと伝わってきた。


『......ねぇ、あんた私から見えない所で脅されたりとかしてないわよね?』

『..................あ、すまない。ちょっと............いや、大丈夫だ。多分、大丈夫......』

『あぁ、そう......』


 聖火崎からのどこまでもアズライールの事を信用しきれていないのが分かる問い掛けに、或斗は自身を抱き締める義兄に聞こえぬようテレパシーで返してやった。


「んも~、ずっと探してたんですよ~?魔界にいたとはいえ、時々はラグナロクにも顔出しに来てくださいよ~!!」

「え、その、えっと......」

「ふふ、分かってますって♪魔力排斥の文化や意識が根強く残るウィズオートに、魔力の塊である悪魔のあすたろは入りにくいんですよね?でもそれなら心配しなくても大丈夫ですよ!僕が悪魔のあすたろでも堂々と街を歩けるように、色々と手回ししてあげます。東方でいいですよね?僕の組織事務所があるのは翠彗暁宮すいせいきょうきゅうのすぐ近くなので」

「いや、まだ行くと決まったわけじゃ......」

「あ~楽しみだな~時計台麓の城下町デート!!皇都や西と違って、金回りが良くてご飯も美味しくて人も多いし、街も綺麗ですし......何かあればヴァルハラに駆け込めば大丈夫なので、セキュリティ面も安心安全です♪」

「はぁ......」


 ......2人共血で汚れてなくて、すぐ近くに領主の遺体と潰された頭さえなければ微笑ましい光景だったんだろうな......

 そう、目をキラキラと輝かせながら何かしらを語っているアズライールとそれに気圧される或斗を見ていて、聖火崎はつくづく思ったのだった。

 雰囲気だけは限りなくほのぼのとしている2人の様子を遠目で眺めている時、


「............ん?」


 聖火崎はふと、遠く......方角的に言えば、北、皇都·ラグナロクの方から何かが迫ってくるのを感じ取り、そちらに視線を向けた。

 常時とは明らかに違う様相でざわめく木々と、尋常じゃない量の砂塵が舞う景色。


「......、あれは......!」


 そして、犇めき合う木々の間を難なく通って来たは、聖火崎が視認出来る数だけでも1万は優に超える、南方地方騎士団所属の大量の騎兵達だった。


「いたぞ!!勇者の皮を被った悪魔、ジャンヌだ!!」

「皇帝陛下の盃を受けておきながら背徳するとは......この罰当たりめ!!」

「悪魔は火炙りの刑に処せ!!館ごと丸焼きにしろ......!」


 森を抜けて次々と離屋敷の広い庭に入ってくる騎兵達は、庭にある時計台を模した全長250m程の大きな建築物の上の聖火崎を捉えるなり、"悪魔だ"や"犯罪者め"等の罵倒の言葉を口々に叫んでいる。


「けっ、なぁにが国家転覆を狙う勇者の皮を被った悪魔よ」

(......確かに政府の事は転けさせようとはしてるけど、そもそも潰そうとしてる政府自体が汚職やら独裁政治もどきやらと色々腐りまくってんだからしゃあない......ってか、私がやろうとしてるのは寧ろいい事なんですけど......!)

 頭の中でそんな思考を巡らせて、さほど罪悪感を感じていない(というか、感じる必要なんて微塵もない)聖火崎は、下に見える騎兵隊の隊長目掛けて唾をぺっ、と吐き出し、


『......或斗、何か南方の地方騎士団の奴らが来たわよ。ざっと1万人くらい』

『ああ、分かってる』

『......』


 ぶすくれた表情のまま或斗に騎兵隊がやってきた事を伝えた。或斗の方も案の定分かっていたようで、特に驚きもされないまま平時と何ら変わらぬトーンで返事が返ってきた。


『あんた......もうちょっと感謝しなさいよね』


 あまりにも淡白な返事だったので聖火崎が小言を零すと、


『礼を述べればいいんだな?......わあ~♪すっごく助かるよありがとう聖火崎ちゃ~ん☆わざわざ声をかけてくれt......『あ゛ーあ゛ーもういいわありがとね!!』


 或斗から巫山戯ふざけてるとしか言いようがない口調とテンションで返されたので、途中で遮ってイラッときたのを抑えながら大人しく意識を騎兵隊の方に向ける。


「庭の中央に遺体......恐らく領主様です!それと、人影が2つ!!」

「くっ、間に合わなかったか......仲間もいるぞ!!気をつけろ!!」

「領主殿の仇を討つのだ!!」


 見れば、騎兵隊の騎士達はは或斗とアズライールにも気づいたらしく、先程と同じように口々に何かしら言いながら庭の方に慎重に、けれども大胆ににじり寄ってきている。

 が、しかし、聖火崎はさほど気にしていない様子で、四方をぐるりと見回した。


「......まあ、ピンチってほどヤバくないわね......」


 ......聖火崎、或斗、アズライールの3人は全方位から囲まれてはいるものの、法術·魔法が使えて空が飛べる3人にとっては、陸の四方をがっちり固められようが決して危惧すべき状況ではないのだ。

 そもそも、いくら鎧で守備を固めていようが相手に魔術師がいた場合、法術や魔術で鋼鉄の鎧程度簡単に溶かすなり貫くなりできるので守備力に加えて機動力も持ち合わせていないと、大抵は魔術師いる方が勝つ。

 それが、この世界の暗黙の了解というか常識と化しつつある事柄なので、今聖火崎らを囲んでいる騎兵隊達にはっきりいって勝ち目はないのである。


『はーあ......或斗、こいつら片付けるのは流石に面倒だからそろそろ帰らない?』


 なので、無駄な殺生をする気はそこまでない聖火崎は或斗にテレパシーでそう伝え、


「っ、ぅ......」


 或斗はそれを受信しつつも上の空で、今自分達を取り囲んでいる騎兵共を殺せ玩具達で遊べたら......そう考えて体が無自覚の内に動きそうになっているのをアズライールによって何とか抑えられている。


「......あすたろ、変に手出ししたら駄目ですよ」

「ぁ、分かってる!!けど、その............うぅ......」


 アズライールに抱えられたまま軽い注意の言葉を受けてむっと眉をしかめるその姿は、さながら親から叱られて拗ねている子供のようだ。


「......くくww」


 しかしまたうずうずし始めるので、アズライールは思わず苦笑を漏らす。


「あず、何笑って......!」

「いや、あすたろはやっぱりあすたろだなって......ふふふwww」

「あず......」

「ふふ♪あすたろ~可愛い~♪」

「......むぅ、」


 ぶすくれる或斗にアズライールは可愛いと感想を述べ、それに或斗がますます頬を膨らませる......そんな光景が盗聴器越しにありありと伝わってくる会話に、


『......魔王軍拷問官として恐れられる堕天使様は、実は"ド"がつく程の甘えたねぇ......』

『......』


 聖火崎はそう、素直に思念にして或斗に飛ばしてやると、何やら居た堪れない沈黙だけが返ってきたのだった。


「......あすたろが普段どこにいるのかは僕には分かりませんが、余程血の気の少ない日々を過ごしてらっしゃるようですね......今のあすたろ、やっとありつけたご飯を目の前にお預けをくらってるわんちゃんみたいです♪」


 そんな事とは露知らずのアズライールは、若干頬を赤く染めて不機嫌そうにしている或斗を抱き込んで頭をよしよしと撫でている。


「し、仕方ないだろう3年は我慢してたんだから!!日本じゃ拷問は犯罪だし......」

「......ふむ、なるほど」


 それに半ば逆上して言い返してきた或斗の言葉に、アズライールは何故か納得したように声を上げた。


「距離200m、目標はやはり3人です!!」

「まだ手は出すなよ!!何をしてくるか分からん!!」


 ......そうこうしているうちに、かなり近い距離まで詰めてきていた騎兵達は、武器を構えて警戒態勢を取ってこちらの様子を伺っている。やはり"騎士は魔術師に弱い"というセオリーを気にしているのか、1部の騎士が不安そうにしているのが聖火崎には見て取れた。


『......ねえ、どんどん距離を詰められてるけど、そんな調子で大丈夫なのよね?』


 或斗に小言を言うも、最早脳内に直接響くテレパシーですら意識の外に、騎兵隊の事をそわそわしながら凝視していた。


「......ふふふ♪」


 そんな中、聖火崎の耳には或斗に着けた盗聴器が拾い上げた、アズライールの不敵な笑いが響いた。


『......大丈夫ですよ、ベル·カルディア·セインハルトさん』

『............え......?』


 そしてその直後に、アズライールからテレパシーで唐突に本名を呼ばれた。

 ......皇国政府の中でも1握り......いや、1摘みの人間しか知らないはずの、"ベル"という名、そして、自分以外誰も知らないはずの、"ベル"の続き......一族全員が死に絶えた事になっている、"カルディア·セインハルト"の姓を。


『ずっと遠くからこちらの様子を伺っていたんですよね?あすたろが着ているパーカーのフードの下に、黒くて小さな機械が貼り付けてありました。遠いと聞こえないので、これは音を聞くための盗聴器なんでしょう?』

『......』

『それと、これはウィズオートで一般的に使われている型式のものです。そこそこ高値なので平民では買えない......これが買えるほどウィズオートの通貨を持っていて、皇国政府に分かりやすく楯突ける度胸があるのって貴方ぐらいなんですよ。......13代目魔王やその側近らと交友関係にあって、ルイーズのように自分が何かやって犠牲になるような物がない、貴方なら可能なんです』

『............え......?』


(私は或斗以外に、望桜や的李達とも友達だってどうやって......)


 困惑する聖火崎に、アズライールからそれ以上何かを言われる事はなかった。


「はぁ、全く......」


 ......その代わりに、盗聴器はアズライールの不機嫌そうなぼやきを聖火崎の耳に届けた。


「......」


 それは、とりあえず沈黙を決め込む事にした聖火崎への、とある警告のようなものであった。



 ─────────────To Be Continued─────────────


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

灼熱の連撃(ラッシュ)と絶対零度の神速剣:転生した双子のチート令嬢は、その異能で世界を救う

夜詩榮
ファンタジー
あらすじ 現代日本。活発な空手家の娘である姉・一条響と、冷静沈着な剣道部員である妹・一条奏は、突然の交通事故に遭う。意識が薄れる中、二人を迎え入れたのは光を纏う美しい女神・アステルギアだった。女神は二人に異世界での新たな生と、前世の武術を応用した規格外のチート能力を授ける。そして二人は、ヴァイスブルク家の双子の姉妹、リーゼロッテとアウローラとして転生を果たす。 登場人物 主人公 名前(異世界) 名前(前世) 特徴・能力 リーゼロッテ・ヴァイスブルク 一条いちじょう 響ひびき 双子の姉。前世は活発な空手家の娘で黒帯。負けず嫌い。転生後は長い赤みがかった金髪を持つ。チート能力は、空手を応用した炎の魔法(灼熱の拳)と風の魔法(超速の体術)。考えるより体が動くタイプ。 アウローラ・ヴァイスブルク 一条いちじょう 奏かなで 双子の妹。前世は冷静沈着な剣道部員。学業優秀。転生後は長い銀色の髪を持つ。チート能力は、剣術を応用した氷/水の魔法(絶対零度の剣)と土の魔法(鉄壁の防御・地形操作)。戦略家で頭脳明晰。

処理中です...