残念ハイスペ女子なんて 言うな

あたまんなか

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金曜日のお昼休み

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「おはよー」

いつもの通学路 いつもの時間 いつもの花凜ちゃん

いつものわたしの朝の景色 

「おはよー!」

花凜ちゃんに負けない声を出すのが密かなわたしの企み 今のところ負けたことない…と思ってる

「昨日どうだった? 本条くんとこ行けた?」

「うん ちょっと迷ったけどね 無事いけたよ」

「よかった 本条くんどうだった?」

「本条くん小さい妹さんいて風邪ひいて熱出てたの看病してたんだって もう大丈夫って言ってたから今日来るんじゃないかな」

花凜ちゃんに昨日の説明をする
いつも周りに気を配ってるんよね花凜ちゃん

「そうだったんだ よかったね元気なって 小さい子がしんどいの見ててツライもんね ネオンちゃんもまだ小さい弟いるから気持ちわかるもんね」

「うん ほんとにそう 妹さんもうちのオトヤと似たような年齢だと思うしね 熱とか出て寝込んでるとかわいそうだもん」

花凜ちゃんと話しながらの登校はほぼ毎日
いつもなに話しながら歩いてるのか思い出せないんだけど今日は本条くんの話ししながら学校についた


おはよー!

おはよっ!

おはようございまーす!

朝の教室は賑やかだ シャキッとしてる子もいれば明らかに眠そうで覚醒していない子もいる

わたしはどっちのタイプだろ?なんて思う

「おはよ」

背後からかけられる声 あきらかにわたしに向けられた『おはよ』

「おはよー!」って言いながら振り向くとそこには本条くんが横切ってくタイミングだった

そう、本条くんは学校にきてた
いつものように窓際の自分の机に座って いつものように窓の外見てる 誰ともとくに話そうともせず
少し話しがしたかったけどなんかできなかった
本条くんはこっちを一度も見ない
もしこっちを見たらこの鞄の中の【カラフル】を見せようって思ってたのに
で、うまくいけば【カラフル】の話しがしたかったのに パラパラと少し読み返していろいろ思い出したからもっと話しがしたくなってた
別に本条くんと話しがしたいんじゃなくて【カラフル】について話したかっただけ
なのになんだか鞄から本を取り出すことができなかった わたしは鞄の中の本を触りながら

お昼休み お弁当食べ終わって友だちと談笑
これもいつもの光景 くだらない話しでも盛り上がった くだらない話しこそおもしろかった
お腹抱えて笑った 後で内容は思い出せなかった
ふと本条くんに目をやる なんか読んでる
ここからはタイトル見えないな なに読んでるんだろ
もしかしてわたしも読んだ本かな?

「ねぇネオンはどっちのタイプ??」

考えごとしてて話しが聞こえてなかった

「え!? なになになんだっけ???」

咄嗟に気の利いた言葉が出なかった

「えー聞いてなかったのー? 朝食はパン派? ごはん派?」

ケラケラ笑いながら聞いてくるどうでもいい質問

「なにそれ? わたしは断然パン派なんだけど!!!」

答えながらも頭の中は本条くんが読んでる本のこと

「ちょっと暑くね? 窓の外の空気吸ってくる!」

無理やりな理由をつけて教室の窓際まで行って窓から頭を出す 思い切り息を吸い込んで深呼吸…はしてるんだけど目的は違うんよね

窓から顔を戻して近くの本条くんに話しかける

「なに読んでんの?」

わたしの存在に気づいてるはずなのに無視してんの?
内心そう感じてた わざわざあんたの傍の窓まで来てんのにって 

「あぁ これな」

そう言ってわたしに表紙を見せた
ずいぶん分厚い小説 表紙には【片想い】って書かれてる
わたしはそのタイトルを知っていた

「東野圭吾?」

「そ、さすが知ってるな ガチ勢」

ニヤリと笑って視線を本に戻す

「それわたしも読んだ」

「へぇ こいつはちょっと時間かかりそう」

「読んだら教えてよ」

「おっけ」

本条くんとの背中越しの会話
なんで学校じゃここまで頑《かたく》なに無愛想なんだろ
昨日はあんなにおしゃべりだったのに

「ネオーン どしたのー 早くおいでよー」

友だちが話しの途中だぞって言わんがばかりにわたしのこと呼んでる

「いまいくよー こっち涼しくて」

友だちに取り繕う返事をしながら少し【片想い】について思い出そうとしていた

ふとみんなの方を見てみるとキャッキャわらってる友だちの中で花凜ちゃんだけがすごく優しい微笑みを浮かべてわたしのこと見てた

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