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更に探索
しおりを挟むとりあえず扉を開けて中の様子を伺う深鈴《みすゞ》
いかにも調べてる風を装ってる
なんでも卒なく熟《こな》すんだから、深鈴は…
記録用のスマートフォンは美夜ちゃんに預けてるようだけど、さっきの絶好の機会は撮り逃してないかしら?
「中は思ったより荒れてないみたいだ どうする? みんなで入ってみるか?」
深鈴が懐中電灯で部屋の中を照らしている灯りが見える
中の状況を説明をしてくれていた深鈴にわたしはその必要はないと告げる
「目的は儀式がおこなわれてそうな部屋だから、なんもないならもういいよ!」
わたしの声が聞こえたのか深鈴が部屋の中から出てきた
「寝室みたいだな、二段ベッドがあったから仮眠用かなんかの部屋だったのかもな」
「ありがと!」
さて、次は向かいの部屋だ
灰田くんがこっちの部屋を調べれなかったんで活躍の場を譲ってあげなきゃね
「そっちは灰田くんが調べてみる?」
わたしは呆然と配信しているだけの灰田くんに声をかけた
深鈴にはなんの衝撃もなかった事が よっぽど納得がいかない様子だった
「えっ!? あ、いや、オレは配信に集中しようかな… 実況で盛り上げながら!!」
「へぇー、それで視聴者さんたちは納得してんの?」
そう言いながら灰田くんに近寄りライブ配信中の画面を覗き込む
【それでも男か!?】【根性なし!!】【先輩女子のが度胸あるじゃん!】
辛辣な、だけど的確なコメントたちが流れてた
わたしがチラリと映った時の【女神降臨!】のコメントもしっかりチェックしたけどね
「視聴者さんたち期待してるよー?」
わたしの煽り気味の言葉にキョロキョロと周りを見回し動揺する様子を見せる灰田くん
「わかりましたよぉ~! 行けばいいんでしょ! いけば!!!」
引くに引けない覚悟を決めて灰田くんはもう一つの部屋のドアノブに手を伸ばした…
ー ピカピカ!! ピッカーーー!! ー
「 うっわあああぁぁぁぁあああっーー!!! 」
甲高い美夜ちゃんの大きな声に灰田くんは驚く速さでドアノブに伸ばした手をひっこめながら悲鳴にも似た大声を出して飛び上がった!! またしてもスマートフォンを落下させながら… あ、ちなみに灰田くんのスマートフォンは配信用にガッチリとガードカバーがついてるので落としても水に浸けても壊れることはないみたい
ー プッ
その様子を見た深鈴は我慢できずに吹いてた
わたしも絶対ニヤけてた…マスクしててよかった
灰田くんを見ながら笑う深鈴のそれは まさに嘲笑とよぶに相応しかった
「な、なんだよっ!! なにがどうしたんだよっ!? えぇっ、おいっ!!!」
キョロキョロしながらも声の主である美夜ちゃんをロックオンしながら大声を出す灰田くん
「てか、ええっと…、おまえっ!! なんだよ!!いきなり大声だしやがって!!」
わたし?とわざとらしく自分に指をさす美夜ちゃん
「そうそう、おまえ!おまえ!!」
「発声練習です! 今度のカラオケ大会のための!」
・・・・・
美夜ちゃんの返事に辺りが しーーーん となる
さすがにその言い訳はないだろ、美夜ちゃん
ー プッ…
あ、深鈴のやつまた笑ってる
灰田くんのリアクションと美夜ちゃんの意味不明な理由… どちらも失笑しかでてこなかった
「ふざけんなっ!! どういうつもりで…」
みっともない姿、つまり醜態を晒したことに対する怒りなのだろうか、灰田くんの表情に焦りが見えた
「灰田くん! ほら視聴者さんの反応は!?」
わたしはすかさず今の状況に反応する視聴者さんに灰田くんの意識を向けさせる
咄嗟に落ちてるスマートフォンを拾いあげ画面を見る灰田くん
どれどれ…とわたしもその画面を覗き込む、と…
【やっば女子おもしろすぎ】【おまえびびりすぎ】
【奇声の理由わろた】【癒しだ~】などなど、今の状況をおもしろがる反応に溢れてた
しかもいつの間にか視聴者数は3桁になってる
「ほら、視聴者数伸びてる!!」
「ほんとだ!! これバズるんじゃねぇすか!?」
さっきまでの怒りや焦りはライブ配信の反応にかき消された
ニコニコしながら、今のリアクション良かったろ?とか、まだまだ楽しませるぜ、なんて調子のいいこと言ってる灰田くんを見てわたしは微笑む…
『視聴者数が増えるってことは、そんだけあんたの恥を晒してるようなもんなんだよ…フフ…』
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