バズれミステリーサークル 〜ミステリーサークルシリーズ〜

あたまんなか

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白い影

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「いいのか そんなところで? 真っ先に中の様子撮れないぞ」

オレのこと気づかってるフリしてホントは峯岸先輩も怖いんじゃねぇの? でもここは、

「いや、全体像の絵面《えづら》が欲しいんでここでいいっす!
お気になさらずにどーぞどーぞ!!」

正面から峯岸先輩の驚く顔が撮れないのは痛いが 現状そうは言ってらんないからな…怖いし…
どうせマスクもしてるんだし、驚いて振り返ったところでも十分絵《え》になるだろ!!
それよりも問題は白い影だしな…

「じゃ 開けるぞ」

そんなこと知らない峯岸先輩がドアノブに手をかける
オレだけが緊張しているように感じる…
なぜならあの部屋の中にいたソレを見たのはオレだけだったから… いや、視聴者もだったな…
ゴクリ・・・自然と出てくる生唾を飲み込んでいた

ーー カチャリ

瞬《まばた》きすらしないぞと目を見開いてその瞬間を待っていたオレは またも拍子抜けをくらった…
峯岸先輩が開いた扉の先には ただ荒れた部屋の光景が広がっていただけだった

「なにもないぞ? でもさっきまでの部屋とは雰囲気がちがうな?」

・・・はいはい、なにもないですか、
そんな気がしてた… これってもしかしてオレだけが見たり感じたりしてるってことなんかな?

オレってもしかして霊感持ってたりして!?

それよか、まさかオレだけ呪われてるとか!?!?

後者だったらマズいだろ… 自分でした想像に恐怖してる自分がいた

「おい、どうした? 中の様子撮らないのか?」

後ろで固まってたオレに峯岸先輩がやさしく?声をかけてくれた
自分の考えに動揺していたオレは行動が出遅れがちになってた
今更ながらにさっきまでのアクシデントがオレにだけ降りかかってたことが怖くなってきた

「どしたー? 急にテンション下がってなーい? 生贄の儀式の場所がないからって落ち込みたいのはこっちだよー!!」

誰がそんなことで落ち込むかってのっ!!!
こっちは呪われてるかも知れないってのに!!!
佐倉さんってホントに生贄や儀式やそんなことにしか興味ないんだな… 確かにそういう意味でもミステリーサークルの部長には相応しい人だよ!!
彼氏はできないだろうけど!

【早く入れ!!】【白い影確認しにいけ!】【部屋の中見せろ!!】【女子映せ!!】

はいはい!わかりましたよ!入ればいいんでしょ!!
オレの不安をよそに流れる身勝手なコメントにオレは腹を立てていた 自分が始めた配信だと言うことなど棚に上げて…

オレは三人の間を抜けて部屋の中へ入って行った
中をぐるりと見回しソレがいないことを確認した、だけど見間違いなんかじゃないことはわかってる…
ただ、今はその姿は確認できない

あらためて部屋を見てみると、なるほどこれまでの部屋と違って広くて大きくて休憩所や待ち合い所って感じの部屋だった
どっちかって言うと今までの部屋は寝室って感じだったからな
一段高くなってて靴を脱いで上がって寝転がれる畳の敷かれたスペースがあったりして まんま休憩所って感じがする

内心なんもなくてホッとした
特級呪物とかあったらそれこそ目も当てられなかっただろう
これで終われるんだって気持ちが強かった
もう変なもんは見たくもない!怖い思いもしたくない!
とっととこんな建物出るにこしたこたぁない
とりあえず視聴者数も過去最高を大きく更新したし、当面の目的は果たせたはずだ!
後はどう締めるかくらいだ…適当にこの場を繕ってなんかいい感じに終わらせてやんないと…

「なんもないですね… やっぱり噂は噂でしかなかったってことですかね… もしかしたらここに人を寄せ付けないようにわざとそう言う噂を流布したのかも…しれま、せん、ね・・・」

この配信を締めくくろうとそれっぽい発言を先輩たちへフリながら後ろを振り向いたオレは、自分の目を疑った…
と、同時に声を失った…

あわわわわわわわ・・・・・・

せ、先輩たちの後方に…例の白い影が見えていた…
三人の女子の後ろに突出して大きな白い影が見える
そんなことに気づいてない先輩たちはキョトンとした表情でオレのことを見ていた

「う、う、う、」

知らせたいのに声が出ない!
恐怖で情けないことにその場にへたり込んでしまった
逃げ出したいけど奥は行き止まりだし、入ってきた扉の方には先輩たちと白い影が邪魔して出れない!!

「どうしたの? 大丈夫? 顔色悪いぞー?」

オレがへたりこんだのを心配して近づいてこようとしてくれてるようだが、先輩たちが近づいてくると同じように白い影も近づいてくる!

「こ、こ、こ、な…いで…く、く、るな…」

必死で両手を振りながらが『こっちに来るな』を伝えようとするけど声が出ない
そんなことまったく気にもとめない三人はズンズンこっちへ近づいてくる… やはり同じように白い影も近づいてくる!!!

その間も、配信され続けてる映像はただオレが恐怖に慄いてるだけの表情だけだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんか一気に灰田くんのテンションが下がってる
きっと衆《しゅう》の作戦が功を奏してるんだろうけど、そもそも灰田くんて怖がりなんじゃ?
自分に向いてないとわかってても恐怖の現場系《きもだめし》の配信をしようと思うあたりやっぱ無謀だわ… まぁ配信者ってそういう人多いような気もするけど

それにしてもこの驚き様って、もしかして…
わたしは後ろを振り返った

ー うわあぁっ!!!

やべ、思わず声が出た
こんな近くにいたのかよ…いつの間にだ…
深鈴《みすゞ》も美夜《みや》ちゃんも気づいてたんなら目配せでもなんでもして教えてくれりゃいいじゃん!?
わたしの声に気づいた灰田くんが指で後ろをさしてる
深鈴が白い目でわたしを見てた
なんなら美夜ちゃんは呆れた顔をしてる…
ぐっ、ここは気づいてないフリをして灰田くんに近づくしかない

「せ、先輩!! うしろっ!!!」

ようやく絞り出したかの様な声が出た灰田くん
腰でも抜けてんのか動けない灰田くんはわたしたちに衆の存在を気づかせようとしていた
仕方ない、ちょっと早いけど仕上げにかかるか

灰田くんの声に後ろを振り返ったわたしは衆に気づいたフリをすると同時に悲鳴をあげた!!
それと同時に深鈴に合図をおくる!
ちょっと早いと思いながらもわたしの合図に素早く反応した深鈴は後ろを振り返りながら衆に向かって綺麗な回し蹴りをキメる!!!

「 きゃあぁぁぁぁッ!! 」

「フンッッッ!」  バシッッッ!!!!









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