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仕上げ
しおりを挟むなんか一気に灰田くんのテンションが下がってる
きっと衆《しゅう》の作戦が功を奏してるんだろうけど、そもそも灰田くんて怖がりなんじゃ?
自分に向いてないとわかってても恐怖の現場系《きもだめし》の配信をしようと思うあたりやっぱ無謀だわ… まぁ配信者ってそういう人多いような気もするけど
それにしてもこの驚き様って、もしかして…
わたしは後ろを振り返った
ー うわあぁっ!!!
やべ、思わず声が出た
こんな近くにいたのかよ…いつの間にだ…
深鈴《みすゞ》も美夜《みや》ちゃんも気づいてたんなら目配せでもなんでもして教えてくれりゃいいじゃん!?
わたしの声に気づいた灰田くんが指で後ろをさしてる
深鈴が白い目でわたしを見てた
なんなら美夜ちゃんは呆れた顔をしてる…
ぐっ、ここは気づいてないフリをして灰田くんに近づくしかない
「せ、先輩!! うしろっ!!!」
ようやく絞り出したかの様な声が出た灰田くん
腰でも抜けてんのか動けない灰田くんはわたしたちに衆の存在を気づかせようとしていた
仕方ない、ちょっと早いけど仕上げにかかるか
灰田くんの声に後ろを振り返ったわたしは衆に気づいたフリをすると同時に悲鳴をあげた!!
「 きゃあぁぁぁぁッ!! 」
それと同時に深鈴に合図をおくる!
ちょっと早いと思いながらもわたしの合図に素早く反応した深鈴は後ろを振り返りながら衆に向かって綺麗な回し蹴りをキメる!!!
「フンッッッ!」 バシッッッ!!!!
小さく衆の『うっ!』って声が聞こえたような気がしないでもないけど 深鈴の綺麗な回し蹴りが衆のお腹ら辺にヒットしてた
衆は大袈裟に後ろに下がっていき、そのまま扉から外に出た
ー バタンッ!!!
その際 入り口の扉を閉めて出ていった
一連の出来事に目をまん丸にして口をポカンとした表情の灰田くん
あまりの一瞬の出来事に事態が飲み込めてないようだ
「えっ… 先輩…」
放心状態の灰田くんに近づく
「大丈夫? 今のなに?」
「え、いや、それ聞きたいのはオレの方ですけど…」
うん、まあそうだよね…
「恐怖に思わず身体が動いた それだけだ」
説明になってない説明をする深鈴
ただ深鈴が言うと説得力があった
ここまでくるともうどこで灰田くんが気づいてもよかった こっちこそ当初の目的は果たしていたから
だけど灰田くんは…
「さすが先輩! どこか頼りになるところがあると感じていたんですよね~」
疑うどころか深鈴に対する絶対の信用を持ってしまったみたいだ
怖さで冷静な判断力を欠いてるようだ…
これには美夜ちゃんも苦笑いしか出てなかった
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