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第4章 見えなかった心 Part20
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車の助手席のドアを開けると、彼の父が一気に嬉しそうに笑った。
「おはようさん、よぉ来たな~、お疲れさん」
「おはよう、ありがとう」
「無事に着いてよかったわ」
「ほとんど寝てたよ」
「まぁええわ。昨日、和のヤツ、電話のあとソワソワしどうしやったぞ」
「えぇ~、そうなん!?」
「あいつ、美央くるの楽しみにしてたからなぁ。まだ起きてないけど、後で起きてきたら話したらええわ」
「うん」
彼の父の内輪話に、ドキドキしっぱなしだった。
まさかそこまで和臣が楽しみにしているなんて思わなくて……。
彼の父は、私たちの気持ちを知っているからか、どこか楽しそうだった。
ギッ。
彼の家の駐車場に着いて、車のブレーキの音が私の心臓を揺らす。
もう目の前に彼の家があって、私は行くだけ。
彼の父が車から降りるのを見て、慌てて助手席から降りた。
慌ただしく心臓の音がする。
深呼吸して、彼の父が私の荷物を持ったまま社宅の階段を上がる背中を追いかけるようについていく。
古いドアの開く音に、息が止まりそうだった。
胸の奥がぎゅっと縮んで、足の裏がふわっと浮くような感覚になる。
この扉の向こうに、三年ぶりの和臣がいる。
その事実だけで、鼓動が耳の奥で鳴り響いていた。
「おはようさん、よぉ来たな~、お疲れさん」
「おはよう、ありがとう」
「無事に着いてよかったわ」
「ほとんど寝てたよ」
「まぁええわ。昨日、和のヤツ、電話のあとソワソワしどうしやったぞ」
「えぇ~、そうなん!?」
「あいつ、美央くるの楽しみにしてたからなぁ。まだ起きてないけど、後で起きてきたら話したらええわ」
「うん」
彼の父の内輪話に、ドキドキしっぱなしだった。
まさかそこまで和臣が楽しみにしているなんて思わなくて……。
彼の父は、私たちの気持ちを知っているからか、どこか楽しそうだった。
ギッ。
彼の家の駐車場に着いて、車のブレーキの音が私の心臓を揺らす。
もう目の前に彼の家があって、私は行くだけ。
彼の父が車から降りるのを見て、慌てて助手席から降りた。
慌ただしく心臓の音がする。
深呼吸して、彼の父が私の荷物を持ったまま社宅の階段を上がる背中を追いかけるようについていく。
古いドアの開く音に、息が止まりそうだった。
胸の奥がぎゅっと縮んで、足の裏がふわっと浮くような感覚になる。
この扉の向こうに、三年ぶりの和臣がいる。
その事実だけで、鼓動が耳の奥で鳴り響いていた。
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