12 / 61
竜尾谷へ
しおりを挟む
ガース砦から二日ほど行軍して、俺たちは目的地である山の麓まで辿り着いた。
俺も何度か、ここまでは進軍したことがある。二つの山が連なり、その間に狭い谷があるここは、何度となくガーランド帝国が煮え湯を飲まされた場所だ。
迂回しようと思えば他国を通ることになってしまうため、通るしかない狭い谷――それが竜尾谷であり、それゆえにアリオス王国側は、万全の構えでここに布陣してくるのだ。
もっとも、今回はガース砦を一日で陥落させたから、向こうもまだ準備が不足しているかもしれない。
「では、第一師団は北の山に、第二師団は南の山へ向かえ。私は竜尾谷を通る」
「はっ、将軍!」
デュラン総将軍の指示に対して、敬礼をするのは第一、第二それぞれの師団長だ。
工作班により、両方の山に向かうための通路ができているとは聞いたから、山の上からの攻撃は、それほど激しくないと考えていいだろう。以前に侵攻したときには、先頭になった第一師団がほとんど壊滅してしまい、撤退を余儀なくされてしまったのだ。
今回、そんな竜尾谷の先頭を走るのは第三師団――そして、俺の率いる『切り込み隊』である。
第一師団、第二師団の軍がそれぞれ離れ、左右に分かれる。そして同時に将軍が後退し、後方を守る『戦車隊』隊長――第三師団長と合流する。
つまり、先頭は俺ということだ。
「よっし、お前ら! 盾は持ったな!」
「おう!!」
「いいか、左右の山は別働隊が向かったが、それでも上から矢の雨が降ってくることを覚悟しろ! 全員、盾を掲げて上からの攻撃を防げ!」
「はっ!!」
俺たち『切り込み隊』は、一応最前線で戦う部隊であるため、装備はそれなりに充実している。かなり固い、大きな鉄の盾もその一つだ。
基本的には密集陣形を採用しており、自分、ならびに隣の仲間への攻撃を防ぎながら、槍で突いて戦うのが『切り込み隊』である。そうやって敵の動きを阻み、止め、そこへ後方の『弓矢隊』からの一斉掃射を行うのが常だ。
これが狭い谷でなければ、側面からの攻撃に対して『遊撃隊』や『騎馬隊』が対処してくれるのが、今回はそれを考えなくていい。何せ、横は山をくり抜いたような絶壁である。加えて、最も狭い部分では人が十人も並べないという狭さだ。
ここに配備されている敵兵と、主に戦うのは『切り込み隊』になる。
「今日は、楽な戦になりそうですね。レイン安心しています」
「どういうことだよ。今から戦うってのに」
「狭い谷で、目の前に現れる敵兵だけ倒していく形になります。そうなると、もう隊長の独壇場ですよ」
「おいおい……」
確かに、先頭にいるのは俺だけど。
でも、さすがに俺も敵兵全部を一人で倒せるとか思ってねぇし。少なからず討ち漏らしもあるだろうから、そのあたりを後続の兵に任せる形になるだろう。
ちなみに、そんな風に薄い胸を張るレインは、『切り込み隊』全員が持っている、鉄の盾も長槍も持っていない。
そして、レインの位置は『切り込み隊』でも最後尾――基本的に、全軍を確認して適宜、指示を出す役割である。
「それじゃ、そろそろレインさんは後ろに下がった方がいいんじゃないすか?」
「ああ、そうですね。では隊長、レインは最後尾で見守っておりますので」
「見守らなくていいから指示を飛ばせ」
「今回については、その必要もないかと思いまして」
「必要であれ」
まぁ、軽口であることは分かっているけれど。
敵と衝突してから、適宜伝令の兵を飛ばして前後を入れ替えたり、全軍の位置を調整したり、また伏兵に対する対応なども行うのが参謀であるレインだ。
本来ならば、『切り込み隊』はその名前の通り、敵軍に切り込むだけが仕事である。そこにどれほどの被害が出ようとも、まず敵軍の出鼻を挫くのが『切り込み隊』なのだ。敵の罠があろうと伏兵があろうと、策があろうと関係なく。
だからこそ、『切り込み隊』の兵は死ぬ。
その死を踏み台に、こちらの本隊が敵を叩くために。
そんな『切り込み隊』の在り方を変えたのが、レインである。
「いやしかし、相変わらず肝の据わった嬢ちゃんだのぉ」
「んだな。最初は、『切り込み隊』に女が入ってきたって聞いて驚いたけどよ」
「別に、俺が連れてきたわけじゃねぇからな」
「お? あっしら、隊長が連れてきたって聞いてますぜ」
俺の背後でそう話すのは、『切り込み隊』の中でもベテランの二人――グランドとナッシュだ。
俺が隊長になる前からずっと『切り込み隊』にいる古参の兵であり、既に四十台に至っている中年の男たち。しかしその体は、中年の今でも現役の鍛えられたそれである。そして、それだけの実力を持っているために、今も密集陣形の最前列にいるのだ。
しかしやっぱりこいつらも、俺がレインを連れてきたと思ってたのか。
「ま、最初はナメてましたけどね……隊長が隊長になって、嬢ちゃんが参謀になって、仲間が誰も死んでねぇのは驚きですぜ」
「俺も驚いたんだが、そんなに死んでんのか?」
「そりゃそうっすよ」
グランドの言葉に追随し、俺に対して頷くのはマリオンである。
こいつ、背は低いし線も細いんだけど、割と強いから最前列にいるんだよな。まぁ、マリオンは俺の真後ろだから、そんなに厳しい戦いにはならないんだけど。
下手な奴に俺の真後ろを任せると、戦闘中に興奮して後ろから刺してくる場合もある。特に最前線だと混乱しやすいため、俺も今まで何度か刺されたことがあるのだ。まぁ、鎧の上からだったから、大した被害はなかったんだけど。
だから色々と協議を重ねた結果、俺に全幅の信頼を置いてくれているマリオンを、俺の真後ろに置くことになった。
「オレも『弓矢隊』からの異動っすけど、他の『切り込み隊』の話聞いて、マジで行きたくないって思ったっすよ。それこそ、他の師団じゃ『切り込み隊』なんて肉の壁扱いっすからね」
「マジかよ」
「マジっす。隊長とレインさんいなかったら、オレら全部入れ替わってんじゃないすか?」
「まぁ、ワシらも最初は、反対したがなぁ。戦いもしねぇ小娘が、後ろから勝手に出す指示になんて従ってられっか、ってな」
「うっひっひ。それが今や、嬢ちゃんがいなけりゃ、どう戦っていいか分かんねぇや。隊長は除隊するにしても、嬢ちゃんは残してってくださいよ」
思えば最初、確かにレインの存在は受け入れられなかった。
それをどうにか、俺が説得して脅して時には殴って、受け入れさせたのだ。命令違反に対しても、罰則を厳しくして。
その結果、レインは『切り込み隊』に欠かせない存在になってくれた。
「ナッシュさん、そりゃレインさんの気持ち次第っすよ。レインさん隊長にほの字だし、隊長が除隊したらもっと安全なとこ行くんじゃないすか?」
「そりゃ困るぜぇ? よっしゃ、隊長。除隊してもいいですけど、次の日には復員してくださいよ」
「そりゃいいや! 一日くらいなら除隊してもいいですぜ、隊長!」
「うるせぇ!」
そう、後ろから言われながら。
俺を先頭に、第三師団『切り込み隊』は、竜尾谷――最も危険な戦場へと赴いた。
俺も何度か、ここまでは進軍したことがある。二つの山が連なり、その間に狭い谷があるここは、何度となくガーランド帝国が煮え湯を飲まされた場所だ。
迂回しようと思えば他国を通ることになってしまうため、通るしかない狭い谷――それが竜尾谷であり、それゆえにアリオス王国側は、万全の構えでここに布陣してくるのだ。
もっとも、今回はガース砦を一日で陥落させたから、向こうもまだ準備が不足しているかもしれない。
「では、第一師団は北の山に、第二師団は南の山へ向かえ。私は竜尾谷を通る」
「はっ、将軍!」
デュラン総将軍の指示に対して、敬礼をするのは第一、第二それぞれの師団長だ。
工作班により、両方の山に向かうための通路ができているとは聞いたから、山の上からの攻撃は、それほど激しくないと考えていいだろう。以前に侵攻したときには、先頭になった第一師団がほとんど壊滅してしまい、撤退を余儀なくされてしまったのだ。
今回、そんな竜尾谷の先頭を走るのは第三師団――そして、俺の率いる『切り込み隊』である。
第一師団、第二師団の軍がそれぞれ離れ、左右に分かれる。そして同時に将軍が後退し、後方を守る『戦車隊』隊長――第三師団長と合流する。
つまり、先頭は俺ということだ。
「よっし、お前ら! 盾は持ったな!」
「おう!!」
「いいか、左右の山は別働隊が向かったが、それでも上から矢の雨が降ってくることを覚悟しろ! 全員、盾を掲げて上からの攻撃を防げ!」
「はっ!!」
俺たち『切り込み隊』は、一応最前線で戦う部隊であるため、装備はそれなりに充実している。かなり固い、大きな鉄の盾もその一つだ。
基本的には密集陣形を採用しており、自分、ならびに隣の仲間への攻撃を防ぎながら、槍で突いて戦うのが『切り込み隊』である。そうやって敵の動きを阻み、止め、そこへ後方の『弓矢隊』からの一斉掃射を行うのが常だ。
これが狭い谷でなければ、側面からの攻撃に対して『遊撃隊』や『騎馬隊』が対処してくれるのが、今回はそれを考えなくていい。何せ、横は山をくり抜いたような絶壁である。加えて、最も狭い部分では人が十人も並べないという狭さだ。
ここに配備されている敵兵と、主に戦うのは『切り込み隊』になる。
「今日は、楽な戦になりそうですね。レイン安心しています」
「どういうことだよ。今から戦うってのに」
「狭い谷で、目の前に現れる敵兵だけ倒していく形になります。そうなると、もう隊長の独壇場ですよ」
「おいおい……」
確かに、先頭にいるのは俺だけど。
でも、さすがに俺も敵兵全部を一人で倒せるとか思ってねぇし。少なからず討ち漏らしもあるだろうから、そのあたりを後続の兵に任せる形になるだろう。
ちなみに、そんな風に薄い胸を張るレインは、『切り込み隊』全員が持っている、鉄の盾も長槍も持っていない。
そして、レインの位置は『切り込み隊』でも最後尾――基本的に、全軍を確認して適宜、指示を出す役割である。
「それじゃ、そろそろレインさんは後ろに下がった方がいいんじゃないすか?」
「ああ、そうですね。では隊長、レインは最後尾で見守っておりますので」
「見守らなくていいから指示を飛ばせ」
「今回については、その必要もないかと思いまして」
「必要であれ」
まぁ、軽口であることは分かっているけれど。
敵と衝突してから、適宜伝令の兵を飛ばして前後を入れ替えたり、全軍の位置を調整したり、また伏兵に対する対応なども行うのが参謀であるレインだ。
本来ならば、『切り込み隊』はその名前の通り、敵軍に切り込むだけが仕事である。そこにどれほどの被害が出ようとも、まず敵軍の出鼻を挫くのが『切り込み隊』なのだ。敵の罠があろうと伏兵があろうと、策があろうと関係なく。
だからこそ、『切り込み隊』の兵は死ぬ。
その死を踏み台に、こちらの本隊が敵を叩くために。
そんな『切り込み隊』の在り方を変えたのが、レインである。
「いやしかし、相変わらず肝の据わった嬢ちゃんだのぉ」
「んだな。最初は、『切り込み隊』に女が入ってきたって聞いて驚いたけどよ」
「別に、俺が連れてきたわけじゃねぇからな」
「お? あっしら、隊長が連れてきたって聞いてますぜ」
俺の背後でそう話すのは、『切り込み隊』の中でもベテランの二人――グランドとナッシュだ。
俺が隊長になる前からずっと『切り込み隊』にいる古参の兵であり、既に四十台に至っている中年の男たち。しかしその体は、中年の今でも現役の鍛えられたそれである。そして、それだけの実力を持っているために、今も密集陣形の最前列にいるのだ。
しかしやっぱりこいつらも、俺がレインを連れてきたと思ってたのか。
「ま、最初はナメてましたけどね……隊長が隊長になって、嬢ちゃんが参謀になって、仲間が誰も死んでねぇのは驚きですぜ」
「俺も驚いたんだが、そんなに死んでんのか?」
「そりゃそうっすよ」
グランドの言葉に追随し、俺に対して頷くのはマリオンである。
こいつ、背は低いし線も細いんだけど、割と強いから最前列にいるんだよな。まぁ、マリオンは俺の真後ろだから、そんなに厳しい戦いにはならないんだけど。
下手な奴に俺の真後ろを任せると、戦闘中に興奮して後ろから刺してくる場合もある。特に最前線だと混乱しやすいため、俺も今まで何度か刺されたことがあるのだ。まぁ、鎧の上からだったから、大した被害はなかったんだけど。
だから色々と協議を重ねた結果、俺に全幅の信頼を置いてくれているマリオンを、俺の真後ろに置くことになった。
「オレも『弓矢隊』からの異動っすけど、他の『切り込み隊』の話聞いて、マジで行きたくないって思ったっすよ。それこそ、他の師団じゃ『切り込み隊』なんて肉の壁扱いっすからね」
「マジかよ」
「マジっす。隊長とレインさんいなかったら、オレら全部入れ替わってんじゃないすか?」
「まぁ、ワシらも最初は、反対したがなぁ。戦いもしねぇ小娘が、後ろから勝手に出す指示になんて従ってられっか、ってな」
「うっひっひ。それが今や、嬢ちゃんがいなけりゃ、どう戦っていいか分かんねぇや。隊長は除隊するにしても、嬢ちゃんは残してってくださいよ」
思えば最初、確かにレインの存在は受け入れられなかった。
それをどうにか、俺が説得して脅して時には殴って、受け入れさせたのだ。命令違反に対しても、罰則を厳しくして。
その結果、レインは『切り込み隊』に欠かせない存在になってくれた。
「ナッシュさん、そりゃレインさんの気持ち次第っすよ。レインさん隊長にほの字だし、隊長が除隊したらもっと安全なとこ行くんじゃないすか?」
「そりゃ困るぜぇ? よっしゃ、隊長。除隊してもいいですけど、次の日には復員してくださいよ」
「そりゃいいや! 一日くらいなら除隊してもいいですぜ、隊長!」
「うるせぇ!」
そう、後ろから言われながら。
俺を先頭に、第三師団『切り込み隊』は、竜尾谷――最も危険な戦場へと赴いた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる