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第二章 迷宮都市ロベリア
062 アメミットと青い蛍
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オルガの大穴の説明をしてもらった休憩の後、移動を再開した俺たちは暫くの移動の後、細くとても進みづらい通路を進んでいた。
登ったり下ったり、狭い隙間を潜ったり……こんな場所でモンスターに襲われたらひとたまりもないと思うんだけど大丈夫なのだろうか?
いや、これだけ狭いと逆にモンスターも入ってこれないのかもしれない。
先輩探索者の皆さんは全然気にしていないので、きっと大丈夫なのだろう。
壁に打ち込まれたロープ? なんだか今はザイルと呼びたい気分だが……それを掴みながらなんとか進めるような危険な場所を、何か所も乗り越えていく。
進むにつれて壁の灯りがどんどん少なくなって、薄暗くなってきている気がする。
「あの……」
不安になって、先を進むジグガンドさんに声を掛けようとしたとき、丁度PTは移動を終了した。
どうやら目的地に到着したらしい。
「よし、着いたぞ。ここが今日の目的地だ!」
「ここ……ですか?」
ここはさっきまでの細い通路と違い、少し開けた広場になっていた。
端っこの方は天井がかなり低くなっているが、今俺たちがいる中心は上が見えないくらい天井が高い。
「ほら、あの青く光ってるところに行ってみて、足元に気を付けてね」
マイアさんが指さす先は、さっき入ってきた通路の反対側の壁に開いた穴で、先に進めるようになっているのか、ほんのりと青く光って見えている。
あれ? ここは正規のルートから外れているから、来る途中も黄色の灯りしかなかったはずなんだけど……いつの間にか正規のルートに合流していたのだろうか?
それに、穴の両脇には赤い照明が。あれって危険な場所についてる灯りだよな?
「え、いや、あそこなんだか……赤いんですけど」
「そうね、危ないから気を付けてね」
「一応そのリュックはここに置いていけ。シーナ、落ちんじゃねぇぞ!」
え? 落ちるの? 本当に大丈夫なの?
「シーナ君、足を滑らせないようにだけ、気を付けていたら大丈夫だから」
「ああ、はやくいけ」
エレクさんとラウニさんが、ビビってなかなか動かない俺を急かしてくる。
二人が言うんならきっと大丈夫だろう。
そう自分に言い聞かせてから、広場の真ん中に持っていた荷物を置いて、恐るおそるその青く光っている穴に近付いていく。
穴の近くは地面がすこし湿っていて、気を抜くと滑ってしまいそうだったが、俺がいま履いているのはリコットちゃんに借りた下層でおすすめの、滑り止め付きのブーツだ。
足裏にビスを打ち込んであるおかげで、こんなかんじの滑りやすい場所でも全然滑らない。
リコットちゃん、マジ有能!
それでも、一応滑らないように警戒しながらゆっくりと進んで行くと、狭い通路から一気に開けた場所に出る。
通路の終わりに手すりが付けられていたので、そこに捕まって周りを見渡す。
穴の先には、だだっ広い空間が広がっていた。
いま立っている場所は突き出た崖のような場所で、その下には大量の水がたまっている。
「お、おぉ……これはすごい」
まるで夜空に光る星の様に小さな青い光が、壁や天井の見渡す限りを埋め尽くしていた。
これはすごいな……まるで天然のプラネタリウムだ。
ここは地底湖なのだろう。鍾乳洞みたいに垂れ下がったつららの様な岩が、壁や天井から突き出てテラテラと濡れて光っている。
そして、そこにちりばめられている沢山の青い小さな光は、呼吸をするようにゆっくりと、強く光ったり弱く光ったりしていた。
地底湖は奥の方へとずっと続いている細長い形をしているようで、先の方までずっと続いている地上の星空は、まるで天の川の様だった。
「土蛍?」
随分と昔だが、洞窟の中で光って、寄ってきた虫を捕まえて食べる芋虫をTVで見たことがある。
たしか、こんな感じに青白く光っていたはずだ。
こいつらは、そのグローワームの仲間みたいな生き物なのかもしれない。
それにしても、すごく綺麗だ。
天井や壁の光が水面にも映り込んでいるおかげで、上も下も星の光に包まれている、宇宙空間に漂っているような気分になってくる。
……まぁ、もちろん宇宙空間に漂ったことなんてないんだけど。
「ね、すごいでしょ!」
感動して立ちつくしていた俺に、後ろからマイアさんが声をかけてくる。
「ここは私たちのPTが所属してるクラン"黒鉄の戦斧"で、新人教育の最後にご褒美に連れてくる秘密の場所なのよ」
そう言って、俺の隣に立って肩に軽く手を添えて「ふふっ」と笑う。
「おめでとう、シーナちゃん。これで一人前……とは言えないけど、今日から探索者の仲間入りね」
「おめでとう、シーナ君」
「おめでとう」
振り向くと、エレクさんとラウニさんが俺をみてニコニコしている。
いや、ラウニさんはいつも通りの無表情だった。
そして、その二人の後ろから、なにやら大きな包みを担いだジグガンドさんが、ニヤニヤしながらこちらに歩み寄ってくる。
「おう、そうだぜ! これを見たからにはシーナも探索者の仲間入りだな! そんで、これが最後に教えてやる教訓ってやつだ」
「教訓?」
ジグガンドさんが抱えているのは、恐らくここまで来る途中で倒したオークの肉だろう。
俺が解体して、防水性の布で包んでリュックに入れて置いたのだが、それを取り出してきたようだ。
「よ~く見てろよ、一回しかやらないからな!」
そう言った彼は、包みからオーク肉を取り出して両手でしっかりと掴み……
「どっせい!!」
地底湖の真ん中に放り投げた。
「ちょ、アンタなにやってんですか!!」
俺が苦労して解体したオーク肉に、なんてことしてくれてるんだこの人は!
びっくりして大げさなツッコミを入れてしまった俺に、いつものようにガハハと笑いながらジグガンドさんは肉を投げ込んだ地点を指差した。
「おいシーナ、よく見ておけって言っただろ。あそこだ、肉を投げ込んだところを見てろ!」
「見てろって何をですか? 何もないじゃないですか……」
最近は解体にもやっと慣れてきて、皮や骨から肉をはぎ取るのも綺麗にできるようになってきていた。
最初の頃は値段も付けられないようなクズ肉にしてしまっていたのだが、昨日は素材の査定をしてくれる係の人から丁寧な仕事を褒められたのだ
今日はもっと良いものを持っていこうと、気合を入れて剥ぎ取った肉だったのに。
そんな俺の思いを知らないジグガンドさんは「ホラ、ちゃんと見ろよ!」とか言って水面を指差している。
しょうがないので、ジグガンドさんが指さしているあたりを見てみると、さっき投げ込んだ肉が水面に浮いていた。
どうやら木材の端切れをオーク肉に縛り付けていたようで、それが浮きの代わりになって水面に肉が浮いているようだ。
水面に浮く肉の塊……シュールだ。
なんなのだろうか、釣りでも始めるつもりなのだろうか?
そんなバカなことを考えていると、肉がある水面がなんだか黒くなってきた。
「なんだ? なんだか大きな黒いものが水中に……」
"バシャァーーンッ"
「ほぉわぁーーー!」
地底湖真ん中に巨大な水柱が立ち、巨大な黒い生き物が水面から飛び出した。
あれは……ワニ? カバ? びっくりして変な声が出ちゃったよ。
「シーナ君、大丈夫かい?」
エレクさんが、水しぶきに驚いて体勢を崩した俺の襟首をつかんで、立てるように支えてくれている。
「な、なんですかアレは!?」
「あれは、この地底湖の主、"アメミット"だよ。迷宮の中にはコイツみたいに、どうやっても倒せそうにないモンスターっていうのがいるんだ」
俺を支える手の逆の手で、飛んでくるしぶきから目元を守りながら答えてくれる。
「ちょっと慣れてきた探索者への戒めには、コイツを見せるのが一番良いんだけど……まぁ、シーナ君にはそんなことは必要なかったかな?」
エレクさんは、そう言って笑っている。
「そうなんですか……確かに、アレは倒せそうにないですね」
アメミットか……いくらLvMAXの俺でも、アレとは戦いたくないな。
水中に引きずり込まれたら、ちょっと勝てる気がしない。
もし、やるとしたら、遠距離から攻撃魔法で一方的に仕留めるしかないだろうな。
「ガハハハ、ほぉわぁ~~だってよ! ほぉわぁ~~~!!」
ジグガンドさんは、驚いた俺の声が面白かったのか、こっちを指差して爆笑している。
こいつ……。
「うるさいよ、アンタだって初めて見たときはビビッてチビってたくせに」
「チ……チビってねぇよ! 俺がそんなビビリなわけねぇだろ」
「ハッ、どうだかね」
言い争っているマイアさんとジグガンドさんを無視して、エレクさんが俺の肩に置いていた手に力を入れて引き寄せる。
「ほら、シーナ君」
エレクさんはそう言って地底湖の方を指差した。
まだアメミットの起こした水柱の影響で、水面の波は収まっていなかったが、エレクさんが指さしているのはもっと上の方だった。
「おぉ~~すごい……」
壁に張り付いていた光の粒が、大量に水しぶきから逃れるようにして飛び回って天井へと飛んでいく。
その動きは、青い火の粉が天に昇って行く様で、とても幻想的だった。
どうやらグローワームじゃなくて、青く光る蛍だったようだ。
その光の粒は、グルグルと一つの生き物のように渦巻いて、天井の隙間から消えて行ってしまった。
「これだけは何度見ても飽きないわ。岩蛍、綺麗ね……」
そう言って青い光の群れを見上げたマイアさんの横顔を、ジグガンドさんが顔を赤くしながらチラチラみている。
まぁ、少しは思うところもあるけど……良いモノを見せてもらったし、今日はここに来れて良かったな。
登ったり下ったり、狭い隙間を潜ったり……こんな場所でモンスターに襲われたらひとたまりもないと思うんだけど大丈夫なのだろうか?
いや、これだけ狭いと逆にモンスターも入ってこれないのかもしれない。
先輩探索者の皆さんは全然気にしていないので、きっと大丈夫なのだろう。
壁に打ち込まれたロープ? なんだか今はザイルと呼びたい気分だが……それを掴みながらなんとか進めるような危険な場所を、何か所も乗り越えていく。
進むにつれて壁の灯りがどんどん少なくなって、薄暗くなってきている気がする。
「あの……」
不安になって、先を進むジグガンドさんに声を掛けようとしたとき、丁度PTは移動を終了した。
どうやら目的地に到着したらしい。
「よし、着いたぞ。ここが今日の目的地だ!」
「ここ……ですか?」
ここはさっきまでの細い通路と違い、少し開けた広場になっていた。
端っこの方は天井がかなり低くなっているが、今俺たちがいる中心は上が見えないくらい天井が高い。
「ほら、あの青く光ってるところに行ってみて、足元に気を付けてね」
マイアさんが指さす先は、さっき入ってきた通路の反対側の壁に開いた穴で、先に進めるようになっているのか、ほんのりと青く光って見えている。
あれ? ここは正規のルートから外れているから、来る途中も黄色の灯りしかなかったはずなんだけど……いつの間にか正規のルートに合流していたのだろうか?
それに、穴の両脇には赤い照明が。あれって危険な場所についてる灯りだよな?
「え、いや、あそこなんだか……赤いんですけど」
「そうね、危ないから気を付けてね」
「一応そのリュックはここに置いていけ。シーナ、落ちんじゃねぇぞ!」
え? 落ちるの? 本当に大丈夫なの?
「シーナ君、足を滑らせないようにだけ、気を付けていたら大丈夫だから」
「ああ、はやくいけ」
エレクさんとラウニさんが、ビビってなかなか動かない俺を急かしてくる。
二人が言うんならきっと大丈夫だろう。
そう自分に言い聞かせてから、広場の真ん中に持っていた荷物を置いて、恐るおそるその青く光っている穴に近付いていく。
穴の近くは地面がすこし湿っていて、気を抜くと滑ってしまいそうだったが、俺がいま履いているのはリコットちゃんに借りた下層でおすすめの、滑り止め付きのブーツだ。
足裏にビスを打ち込んであるおかげで、こんなかんじの滑りやすい場所でも全然滑らない。
リコットちゃん、マジ有能!
それでも、一応滑らないように警戒しながらゆっくりと進んで行くと、狭い通路から一気に開けた場所に出る。
通路の終わりに手すりが付けられていたので、そこに捕まって周りを見渡す。
穴の先には、だだっ広い空間が広がっていた。
いま立っている場所は突き出た崖のような場所で、その下には大量の水がたまっている。
「お、おぉ……これはすごい」
まるで夜空に光る星の様に小さな青い光が、壁や天井の見渡す限りを埋め尽くしていた。
これはすごいな……まるで天然のプラネタリウムだ。
ここは地底湖なのだろう。鍾乳洞みたいに垂れ下がったつららの様な岩が、壁や天井から突き出てテラテラと濡れて光っている。
そして、そこにちりばめられている沢山の青い小さな光は、呼吸をするようにゆっくりと、強く光ったり弱く光ったりしていた。
地底湖は奥の方へとずっと続いている細長い形をしているようで、先の方までずっと続いている地上の星空は、まるで天の川の様だった。
「土蛍?」
随分と昔だが、洞窟の中で光って、寄ってきた虫を捕まえて食べる芋虫をTVで見たことがある。
たしか、こんな感じに青白く光っていたはずだ。
こいつらは、そのグローワームの仲間みたいな生き物なのかもしれない。
それにしても、すごく綺麗だ。
天井や壁の光が水面にも映り込んでいるおかげで、上も下も星の光に包まれている、宇宙空間に漂っているような気分になってくる。
……まぁ、もちろん宇宙空間に漂ったことなんてないんだけど。
「ね、すごいでしょ!」
感動して立ちつくしていた俺に、後ろからマイアさんが声をかけてくる。
「ここは私たちのPTが所属してるクラン"黒鉄の戦斧"で、新人教育の最後にご褒美に連れてくる秘密の場所なのよ」
そう言って、俺の隣に立って肩に軽く手を添えて「ふふっ」と笑う。
「おめでとう、シーナちゃん。これで一人前……とは言えないけど、今日から探索者の仲間入りね」
「おめでとう、シーナ君」
「おめでとう」
振り向くと、エレクさんとラウニさんが俺をみてニコニコしている。
いや、ラウニさんはいつも通りの無表情だった。
そして、その二人の後ろから、なにやら大きな包みを担いだジグガンドさんが、ニヤニヤしながらこちらに歩み寄ってくる。
「おう、そうだぜ! これを見たからにはシーナも探索者の仲間入りだな! そんで、これが最後に教えてやる教訓ってやつだ」
「教訓?」
ジグガンドさんが抱えているのは、恐らくここまで来る途中で倒したオークの肉だろう。
俺が解体して、防水性の布で包んでリュックに入れて置いたのだが、それを取り出してきたようだ。
「よ~く見てろよ、一回しかやらないからな!」
そう言った彼は、包みからオーク肉を取り出して両手でしっかりと掴み……
「どっせい!!」
地底湖の真ん中に放り投げた。
「ちょ、アンタなにやってんですか!!」
俺が苦労して解体したオーク肉に、なんてことしてくれてるんだこの人は!
びっくりして大げさなツッコミを入れてしまった俺に、いつものようにガハハと笑いながらジグガンドさんは肉を投げ込んだ地点を指差した。
「おいシーナ、よく見ておけって言っただろ。あそこだ、肉を投げ込んだところを見てろ!」
「見てろって何をですか? 何もないじゃないですか……」
最近は解体にもやっと慣れてきて、皮や骨から肉をはぎ取るのも綺麗にできるようになってきていた。
最初の頃は値段も付けられないようなクズ肉にしてしまっていたのだが、昨日は素材の査定をしてくれる係の人から丁寧な仕事を褒められたのだ
今日はもっと良いものを持っていこうと、気合を入れて剥ぎ取った肉だったのに。
そんな俺の思いを知らないジグガンドさんは「ホラ、ちゃんと見ろよ!」とか言って水面を指差している。
しょうがないので、ジグガンドさんが指さしているあたりを見てみると、さっき投げ込んだ肉が水面に浮いていた。
どうやら木材の端切れをオーク肉に縛り付けていたようで、それが浮きの代わりになって水面に肉が浮いているようだ。
水面に浮く肉の塊……シュールだ。
なんなのだろうか、釣りでも始めるつもりなのだろうか?
そんなバカなことを考えていると、肉がある水面がなんだか黒くなってきた。
「なんだ? なんだか大きな黒いものが水中に……」
"バシャァーーンッ"
「ほぉわぁーーー!」
地底湖真ん中に巨大な水柱が立ち、巨大な黒い生き物が水面から飛び出した。
あれは……ワニ? カバ? びっくりして変な声が出ちゃったよ。
「シーナ君、大丈夫かい?」
エレクさんが、水しぶきに驚いて体勢を崩した俺の襟首をつかんで、立てるように支えてくれている。
「な、なんですかアレは!?」
「あれは、この地底湖の主、"アメミット"だよ。迷宮の中にはコイツみたいに、どうやっても倒せそうにないモンスターっていうのがいるんだ」
俺を支える手の逆の手で、飛んでくるしぶきから目元を守りながら答えてくれる。
「ちょっと慣れてきた探索者への戒めには、コイツを見せるのが一番良いんだけど……まぁ、シーナ君にはそんなことは必要なかったかな?」
エレクさんは、そう言って笑っている。
「そうなんですか……確かに、アレは倒せそうにないですね」
アメミットか……いくらLvMAXの俺でも、アレとは戦いたくないな。
水中に引きずり込まれたら、ちょっと勝てる気がしない。
もし、やるとしたら、遠距離から攻撃魔法で一方的に仕留めるしかないだろうな。
「ガハハハ、ほぉわぁ~~だってよ! ほぉわぁ~~~!!」
ジグガンドさんは、驚いた俺の声が面白かったのか、こっちを指差して爆笑している。
こいつ……。
「うるさいよ、アンタだって初めて見たときはビビッてチビってたくせに」
「チ……チビってねぇよ! 俺がそんなビビリなわけねぇだろ」
「ハッ、どうだかね」
言い争っているマイアさんとジグガンドさんを無視して、エレクさんが俺の肩に置いていた手に力を入れて引き寄せる。
「ほら、シーナ君」
エレクさんはそう言って地底湖の方を指差した。
まだアメミットの起こした水柱の影響で、水面の波は収まっていなかったが、エレクさんが指さしているのはもっと上の方だった。
「おぉ~~すごい……」
壁に張り付いていた光の粒が、大量に水しぶきから逃れるようにして飛び回って天井へと飛んでいく。
その動きは、青い火の粉が天に昇って行く様で、とても幻想的だった。
どうやらグローワームじゃなくて、青く光る蛍だったようだ。
その光の粒は、グルグルと一つの生き物のように渦巻いて、天井の隙間から消えて行ってしまった。
「これだけは何度見ても飽きないわ。岩蛍、綺麗ね……」
そう言って青い光の群れを見上げたマイアさんの横顔を、ジグガンドさんが顔を赤くしながらチラチラみている。
まぁ、少しは思うところもあるけど……良いモノを見せてもらったし、今日はここに来れて良かったな。
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