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第7話
理性よりも、刻印が先に疼く
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王城の夜は、驚くほど静かだった。
厚い石壁に囲まれた私室。
外の気配は完全に遮断され、灯りを落とせば、世界には2人きりしか残らない。
「……眠れそうですか?」
寝台の端に腰掛けたまま、レオは小さく尋ねた。
「無理に眠る必要はない。」
そう答えたカイルは、すでに上着を脱いでいる。
鍛えられた身体の線が、薄闇の中でもはっきりと分かった。
視線を逸らそうとして、失敗した。
「……見ているな?」
「見てません。」
即答すると、低い笑いが落ちる。
「嘘だ。」
1歩、距離が縮まる。
それだけで、空気が変わった。
「刻印が、落ち着いていない。」
カイルの指先が、レオの胸元に触れる。
布越しでも分かるほど、蒼い熱が脈打っていた。
「……昼より、熱いです…」
「欲に反応している。」
さらりと言われ、息が詰まる。
「刻印は正直だ。お前が誰を求めているか、隠せない。」
「それ……」
否定しようとして、言葉が出なかった。
代わりに、喉が鳴る。
「……離れてください…」
そう言ったのに、距離は縮まる。
「無理だ。」
即答。
「今、離れたら――」
声が低く沈む。
「理性が、持たない…」
腰を引き寄せられ、膝が触れ合う。
抱きしめるほど近いのに、まだ触れない。
その“我慢”が、余計に煽る。
「……騎士なのに…」
「騎士だからだ。」
蒼い瞳が、逃がさない。
「欲を抑える訓練は受けてきた。だが…お前は例外だ。」
指先が、顎にかかる。
上を向かされ、視線が絡む。
「刻印を理由にしているが……」
ほんの一瞬、迷いが滲んだ。
「本当は、刻印がなくても欲しかった。」
心臓が、限界まで跳ねる。
「……それ、反則です。」
「知っている…」
それでも、止まらない。
額が触れ、呼吸が混ざる。
唇が触れそうで、触れない距離。
「今夜は、ここまでだ。」
苦しげにそう言って、カイルは額をレオの肩に預けた。
「これ以上は……」
言葉が続かない。
レオは、そっと手を伸ばした。
震える指先が、騎士の背に触れる。
「……逃げません。」
小さな声。
「だから……離れなくていい。」
一瞬、身体が強張る。
次の瞬間、深く、強く抱きしめられた。
「……っ」
耳元で、低く囁かれる。
「それ以上言うな。理性が…本当に壊れる。」
それは警告であり、懇願だった。
しばらくして、腕が緩む。
だが、手は離れない。
「寝ろ。」
「……はい。」
同じ寝台。
触れ合わないまま、熱だけを共有する夜。
レオは確信していた。
次にこの距離が縮まった時。
もう――戻れない。
厚い石壁に囲まれた私室。
外の気配は完全に遮断され、灯りを落とせば、世界には2人きりしか残らない。
「……眠れそうですか?」
寝台の端に腰掛けたまま、レオは小さく尋ねた。
「無理に眠る必要はない。」
そう答えたカイルは、すでに上着を脱いでいる。
鍛えられた身体の線が、薄闇の中でもはっきりと分かった。
視線を逸らそうとして、失敗した。
「……見ているな?」
「見てません。」
即答すると、低い笑いが落ちる。
「嘘だ。」
1歩、距離が縮まる。
それだけで、空気が変わった。
「刻印が、落ち着いていない。」
カイルの指先が、レオの胸元に触れる。
布越しでも分かるほど、蒼い熱が脈打っていた。
「……昼より、熱いです…」
「欲に反応している。」
さらりと言われ、息が詰まる。
「刻印は正直だ。お前が誰を求めているか、隠せない。」
「それ……」
否定しようとして、言葉が出なかった。
代わりに、喉が鳴る。
「……離れてください…」
そう言ったのに、距離は縮まる。
「無理だ。」
即答。
「今、離れたら――」
声が低く沈む。
「理性が、持たない…」
腰を引き寄せられ、膝が触れ合う。
抱きしめるほど近いのに、まだ触れない。
その“我慢”が、余計に煽る。
「……騎士なのに…」
「騎士だからだ。」
蒼い瞳が、逃がさない。
「欲を抑える訓練は受けてきた。だが…お前は例外だ。」
指先が、顎にかかる。
上を向かされ、視線が絡む。
「刻印を理由にしているが……」
ほんの一瞬、迷いが滲んだ。
「本当は、刻印がなくても欲しかった。」
心臓が、限界まで跳ねる。
「……それ、反則です。」
「知っている…」
それでも、止まらない。
額が触れ、呼吸が混ざる。
唇が触れそうで、触れない距離。
「今夜は、ここまでだ。」
苦しげにそう言って、カイルは額をレオの肩に預けた。
「これ以上は……」
言葉が続かない。
レオは、そっと手を伸ばした。
震える指先が、騎士の背に触れる。
「……逃げません。」
小さな声。
「だから……離れなくていい。」
一瞬、身体が強張る。
次の瞬間、深く、強く抱きしめられた。
「……っ」
耳元で、低く囁かれる。
「それ以上言うな。理性が…本当に壊れる。」
それは警告であり、懇願だった。
しばらくして、腕が緩む。
だが、手は離れない。
「寝ろ。」
「……はい。」
同じ寝台。
触れ合わないまま、熱だけを共有する夜。
レオは確信していた。
次にこの距離が縮まった時。
もう――戻れない。
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