見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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11話

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冒険者になってからもう2週間位経ったのだろうか

この異世界転生にもなれてきて生活も大分安定してきた。


「リベルさんに解体してもらったお肉はまだあるし、その時に買い取ってもらった肉以外の素材のおかげでお財布も潤ってる」


最近だとゴブリン討伐クエストも頼まれるようになってさらに強くなってきている。

というかツキカゲと契約してスキルを共有しているおかげで経験値稼ぎがとても楽な気がする。

その証拠にレベルの上がりようがすごい

レベル1だったか弱い私が今はレベル18だ


どのくらいすごいかと言うと、私と同じEランクになったばかりの冒険者は平均レベル10

普通に頑張ってレベルあげた結果人よりもちょっとだけ強くなった。


だからといって調子に乗るのはよろしくない

ロキシーさんに言われた「良い奴になれ」という言葉を忘れないようにこうやって毎日真面目に生きている。

そして今日もまた……


「ようこそ冒険者ギルドへ!今日はどのような要件で?」


相変わらずなケイミーにクエスト内容の書かれた紙を渡すといつも通り「了解しました」と言ってクエストの依頼者を呼んでくれた。


クエスト内容は迷子探し

依頼者は迷子…というより行方不明になった少女の親御さん

行方不明になってから1晩経ってるからなのか親御さんの顔色は白を通り越して青くなってる。

私は全力を尽くしますとだけ言ってギルドを出ると早速行方不明になった少女を探すことにした。

行方不明になった少女の名前はボンノちゃん

個人情報を覗く形になってしまうが鑑定スキルと気配察知スキルで確認するしかないな…

それにしても……だ


「おかしいとは思わない?行方不明者はひとりじゃないのよ…

これ…ケイミーに頼んでリスト化してもらった最近行方不明になった子供の名前と人数なんだけど」

そう言って隣で歩くツキカゲに書類を渡すと眉間にシワを寄せた。

それもそのはずだ…


「多すぎやしないか…この1週間のうちに20人もの子供達が行方不明になったんだろ?

しかも人間だけでなく様々な種族の子供だ」



______明らかにこれ誘拐だろ



そう言って彼が指さしたのは、行方不明になった子供達の種族の欄

人間だけでなく、獣人や魔人など悪く言えば人間よりも利用価値のある種族だ。

まあ考えられるのは子供を奴隷として働かせるつもりなのだろう

完璧にこの国の違法行為であり処罰を受けるべき奴らだ

こんなの許されるわけが無い。


「よし…じゃあ作戦を立てましょう!」


作戦を立てるのならば部屋に戻った方がいいなと思い来た道を戻りギルド敷地内にある宿に向かった



 

「……ということで現状を整理するわよ」


部屋に戻ってテーブルの上に行方不明者リストとこの国の地図を広げた

毎回行方不明になるのは子供達であり子供を簡単に捕らえることができるのは悪い大人だけだ

そして居場所がわからないのならば…

私が囮になってツキカゲに居場所をつきとめてもらって全員捕まえるしかない。


「まずは私が幼女の姿に戻って裏路地に入る

そしたらわざと拐われて場所を突き止めるからそれまでツキカゲは動かないでね

前に教えてくれた私とツキカゲとの間なら念話スキルが出来るからそれを待っててね」

「……なんて危険な作戦を立てるんだお前は」


溜息をつきながら私を睨んでくるその様子は誰から見ても怒っている

確かに危険な作戦かもしれないけどそれで1人でも多くの子供達が助かるのなら喜んで囮になってやるという精神だ。


「ツキカゲ、こうやっている時間に子供達は辛い目にあってるの…。

今こうやってグダグダしてるのだって時間の無駄!」

「だからといって俺様の気持ちを無視するのかよ!」


ツキカゲの言葉は突き刺さるものがある…だけど人助けに犠牲は付き物だということを知って欲しい。


「後で聞くから今は我慢して…!」


はっきりとそう言って肩を掴む手を払い幼女の姿に戻るとハルカゼをインベントリにしまい丸腰の状態で部屋を出た。









ギルドを出て裏路地に来てみたはいいのだが…


「(まさかこんな簡単に作戦通り捕まるとは思わかなった…)」


ヒョイっと軽々と持ち上げられ乱暴に袋に入れられると薄暗い部屋に閉じ込められた。


とりあえず今出来ることを確認しよう


この薄暗い部屋にいるのは行方不明者のリストとピッタリ同じ人数の子供達

気配察知スキルを使えばドアの前には見張りが1人

ステータススクリーンに映し出される地図を見ればここが国の西側…つまり貧困地区にあたる所だ。

とりあえずツキカゲには念話で居場所を教えてスクリーンを閉じると子供達の安否確認をした。


「あなたも連れてこられたのね…私はボンノ」


1番はじめに話しかけて優しく接してくれたのは探していた少女ボンノちゃん本人だった。

私は幼さを演じて怯えながらも出来るだけ優しい小さな声でこういった


「私はカナ…あなた達をここから逃がすために来たの」


さあ…クエスト開始だ
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